終活で親に確認すること・聞いておくことは?子どもが手伝うべき内容も解説

親が終活を考える年齢になったときに「まず親に確認することは?」「一緒にできることはある?」など、悩む人は多いかもしれません。
この記事では、これから終活を始める親に聞いておきたいことや、子どもが手伝いたい内容などについて解説します。
終活で親に確認すること10のリスト
終活で親に確認しておきたい主なポイントは以下のとおりです。
- お墓やお葬式の希望
- お金や預金口座
- 土地や不動産
- 相続の意思
- 介護施設に入りたいか
- 治療や入院に関する意思
- 親族や友人関係
- 遺言書・エンディングノートの有無や場所
- 貴重品の場所や金庫等の開け方
- 水道・電気・サブスク契約関係
お墓やお葬式、お金のことなど、話しづらい項目もあるかもしれません。
しかし、万が一のときにお互い困らないようにするためにも把握しておくことが大切です。
まずは、それぞれの内容について詳しく確認してみましょう。
お墓やお葬式の希望
終活の準備では、親にお墓やお葬式の希望を聞いておきましょう。
近年、お墓や葬儀のスタイルは多様化しています。
「墓じまいをして樹木葬にしたい」「家族葬で見送られたい」など、話をしてみなければ分からないことも多いかもしれません。
好きな花や、遺影に使うお気に入りの写真なども確認しておきたいところです。
聞きづらい内容かもしれませんが、最後の希望を叶えるためにも確認しておきましょう。
お金や預金口座
現金資産や預金口座など、親の資産についても把握しておきましょう。
保有している銀行口座をチェックして、使っていないものは解約するなど整理してください。
税金や携帯料金、保険料などの定期的な引き落としに使っている口座も確認しておきましょう。
他にも証券や保険、クレジットカードなど、お金に関することは終活できちんと確認しておくことが大切です。
土地や不動産
親の終活では、所有している土地や不動産の所在や管理なども確認したいポイントです。
使っていない土地や不動産は売却や賃貸活用をしたり、生前贈与などを検討したりしてみましょう。
所有資産が多く、税理士などの専門家に依頼している場合は、担当者の情報なども聞いておく必要があります。
相続の意思
財産はいくらあるのか、そして「誰に・何を・どれくらい相続したい」などは親の意思を確認しておきましょう。
自分自身も、相続財産を受け継ぐかどうかを考えておくことが大切です。
また、他の相続人がいる場合は、トラブルを避けるためにも相続の詳細を報告しておきましょう。
介護施設に入りたいか
介護に関する希望も、親の終活で確認しておきたいことの1つです。
「介護施設で専門的なケアを受けたい」「最後まで家族と一緒に過ごしたい」などの希望は、親からは言い出しづらいこともあります。
介護が必要になった際のサポート体制を整えるためにも、事前に聞いておきましょう。
治療や入院に関する意思
親の終活では、治療や入院など、医療に関する意思を確認しておきましょう。
突然の病気や怪我、認知症などで意思疎通が難しくなると、本人の意向が分からなくなります。
万が一のときに残された家族が決断するのも、精神的な負担を感じたり、家族間の対立につながったりするかもしれません。
親の希望を叶えるためにも、終末期医療については話し合っておきましょう。
親族や友人関係
親族との付き合いや友人関係など、親の人間関係も確認しておきたい項目です。
特に親と離れて暮らしていると把握するのが難しいため、相手との関係性や連絡先などを聞いておくと、何かあったときもスムーズに連絡できるでしょう。
またネットやSNSなどのサービスを利用している場合は、データやアカウント情報をどうしてほしいか聞いておきましょう。
遺言書・エンディングノートの有無や場所
親が終活で遺言書やエンディングノートを準備しているのか、また保管している場所についても確認してください。
遺言書とは、遺言者の財産をどのように扱うかを記した書類です。
エンディングノートは、何かあったときの希望や、家族が判断に困らないように必要な情報などを記しておくもので、法的効力はありません。
保管場所も確認することで、万が一のときも慌てずに対応できるでしょう。
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貴重品の場所や金庫等の開け方
親の印鑑や通帳、貴金属、証券などの貴重品を保管している場所や、金庫などの開け方についても把握しておきましょう。
貴重品があちらこちらに片付けられていると、いざというときに場所が分からず、困ってしまうかもしれません。
終活では、簡単に持ち出されないように、他人からは分かりにくい場所に保管するなど工夫してください。
まとめて金庫などに入れておく場合は、開け方も忘れずに聞いておきましょう。
水道・電気・サブスクの契約関係
水道代や電気代、光熱費、サブスクなど、毎月支払っている契約も確認してください。
もしものことが起きたときに、すぐに解約手続きをするために必要です。
特にサブスクや定期購入の契約をしている商品などは、気づかないまま放置していると料金滞納などのトラブルにつながる可能性もあります。
口座引き落としなのか、クレジットカード払いなのか、また使っている口座やカードの情報も教えてもらいましょう。
親の終活はそもそも必要?準備するメリットとは?
親の終活について考えるにあたり「そもそも何のためにするんだろう?」「本当に必要なこと?」と、疑問に感じることもあるでしょう。
ここでは、万が一のために備えておくメリットを解説します。
後悔がなくなる
親の終活ができていれば、もしものときに本人の意思を反映できるので、自分の判断によって後悔するリスクを軽減できます。
終活準備をしないまま突然病気になったり、認知症になったりして意思疎通が取れなくなると、親の希望を叶えることができません。
親に代わって介護や治療を選択することになると「本当にこれで良かったのだろうか」「本人はどうしたかったのだろう」と、悩んだり悔んだりする可能性もあります。
親が元気なうちに備えておくのは、親の意思を尊重することにもつながるでしょう。
遺品整理や財産管理の負担を軽減
親の終活を行うと、遺品整理や財産管理の負担を軽減できるメリットもあります。
預貯金や不動産、証券などの資産状況は、本人にしか分からないことも多いものです。
遺品整理で貴重品を探しつつ不用品を処分したり、重要書類を確認しながら親の財産を整理したりするのは、心身ともに負担がかかります。
相続トラブルに発展する可能性もあるため、できるだけ早めに整理に取り掛かるのがおすすめです。
作業を一緒に行うことが可能
親が終活を始めると、体力がいる作業を一緒に行えます。
重い家具や家電を運んだり、不用品をまとめて処分したりするのは、高齢の親にとって大きな負担です。
親の思い出話を聞きながら片付けを手伝うことで、体力面はもちろん、気持ちの面もサポートできるでしょう。
納得のいく終活ができれば、残される家族の負担が軽減されるだけでなく、親自身も残りの人生を安心して過ごせることにつながります。
親の終活で子どもが手伝うべきこと
親の終活は自分らしい最期を迎えるために、親自身の意思で行うべきものです。
しかし、子どものサポートがあれば、よりスムーズに進められます。
親の終活で、子どもは何を手伝うべきなのでしょうか?
エンディングノート・遺言書の作成
親の終活で子どもが手伝えることとして、エンディングノートや遺言書の作成があげられます。
エンディングノートには、自分の基本情報や希望などの他、人生の振り返りや家族に向けたメッセージなどを記入します。
比較的取り組みやすいので、親にプレゼントしてみるのも良いでしょう。
遺言書の作成には専門知識が必要なため、代わりに調べたり、一緒に専門家に相談したりすることで、親も安心して取り掛かれるかもしれません。
断捨離・荷物の整理
断捨離や荷物の整理を手伝うのも、親の終活で子どもが手伝えることの1つです。
物を処分するには、体力的にも精神的にも負担がかかります。
一緒に作業をすれば、効率的に片付けを進められるでしょう。
親にとって思い入れのあるものや捨てにくいものは、毎年1月に行われるどんど焼きに出してお焚き上げすると、悔いなく手放せるかもしれません。
断捨離が終わってスッキリしたら、今後の生活がしやすいように再度家の中を整理してあげると良いでしょう。
契約書関係の解約
親の終活では、契約しているものの解約なども手伝ってあげましょう。
高齢になると、契約書類の内容を確認したり、解約手続きをしたりするのが面倒に感じられることがあります。
契約書関係を整理しておかないと、亡くなってからサービス停止までに時間がかかったり、料金が引き落とされ続けたりなどのトラブルが起きる可能性も。
親に代わって契約内容を確認し、必要に応じて解約や見直しをしておけば、節約にもつながります。
あわせて、電子マネーやクレジットカードのポイント、ネット銀行の口座など、デジタル遺産の整理もサポートしてあげましょう。
葬儀社の決定
親の終活において、葬儀社の決定も子どもが手伝える項目です。
亡くなってから葬儀社を探すとなると、ごくわずかな時間の中でどこに依頼するか決めなければいけません。
流れで決めてしまうと「この選択で良かったのか?」「親はどんな葬儀を望んでいたのだろうか」と、悔やまれることもあるでしょう。
葬儀社によっては終活相談をしているところもあるので、一緒に話を聞きに行ってみるのも良いかもしれませんね。
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葬儀の事前相談をするメリット7つ丨お葬式前に準備しておきたいこととは?
親の終活での注意点
終活は自分らしく生きるため、また残される家族にとっても大切な活動です。
しかし、進める上で気を付けたいこともあります。
ここでは、親の終活で注意したい点をチェックしてみましょう。
無理やり本人にやらせようとしない
親の終活を、無理やり本人にさせるのはやめましょう。
終活は大事なことですが、誰かに強要されるのではなく、自分の意思で行うものです。
早く取り組んでほしいからといって押し付けてしまうと、親の気分も良くありません。
終活について考えてほしい場合は、まず自分自身が始めたり、テレビの特集などを話題にしたりするのがおすすめです。
「こうしなければいけない」「まずはこれから始める」などのルールもないので、親のペースに合わせて進められるようにサポートしましょう。
親が元気なうちに始める
終活は、親が元気なうちに取り掛かりましょう。
荷物の整理やエンディングノートの作成などには、気力や判断力が必要です。
不用品を処分するときも、ゴミをまとめたり、重いものを持ち運んだりと体力を使います。
高齢になって思考力や体力が衰えると、思うように作業が進まないかもしれません。
いつまでに始めるべきといった決まりはありませんが、終活をしようと思ったら、そのタイミングで取り掛かるのがおすすめです。
意見を出し合う
親の終活では、お互いに意見を出し合うことも必要です。
親の意見をしっかり受け止めつつ、終末医療や葬儀、遺産相続などの考え方を共有し、話し合いながらお互いの意見をすり合わせていきましょう。
ただし、自分の意見を親に押し付けてばかりだと、親子関係が悪くなるかもしれません。
終活はデリケートな部分も多いため、話題を切り出すタイミングや言葉選びなどにも十分配慮してくださいね。
親の終活に関するよくある質問
終活はやるべきことが山積みで、ベストな方法もよく分からない人も多いのではないでしょうか?
ましてや親の終活となると、サポートに関する悩みもあるかもしれません。
それでは最後に、親の終活に関してよくある質問を紹介します。
親の終活はいつから始めるべきですか?
終活を始めるタイミングに決まりはないので、いつから始めても問題ありません。
ライフプランを立てるために、40代や50代の若いうちから始める人もいます。
他にも定年退職や子どもの独立、新しい家族が増えた、身近な人が亡くなった、健康に不安を感じたことなどがきっかけとなり、準備を始める親世代も多いです。
何歳から始めても良いですが、できるだけ気力や体力、判断力が充実しているうちに進めていきましょう。
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終活で親に聞いておくべきことは何ですか?
終活で親に聞いておくべきこととして、お墓や葬式の希望、財産や相続に関すること、医療や介護、親族や友人関係などがあります。
これらの内容は口頭で確認するだけでなく、エンディングノートにまとめて記してもらうと、万が一のときも慌てずに対応できるでしょう。
ノートに書いてもらうことで、後々「言った言わない」の家族間トラブル対策にもなります。
ただし、エンディングノートに法的拘束力はないため、遺産相続に関することは遺言書に記載してください。
親に終活をさせる方法はありますか?
親がどうしても終活をしたがらない場合もあるでしょう。
もしかすると、終活と聞いて「死」を連想してしまい、ネガティブなイメージから前向きに考えられないのかもしれません。
その場合は「セカンドライフを充実させよう」「これからも自分らしく生きるために考えてみよう」など、ポジティブな方向で話を切り出してみましょう。
親の意見を尊重しつつ、自発的にやってみたいという気持ちになれるような話をしたり、環境を整えたりできると良いですね。
終活で親に確認することは多い。元気なうちに手伝いながらすすめよう
終活では万が一に備えて、医療や介護の希望や相続の意思など、親に確認することがたくさんあります。
親が元気なうちに、サポートしながら進めていきましょう。
終活は、残される家族の負担を軽減するだけでなく、親自身が残りの人生をより良く生きるためにも大切です。
「早く終活をしてほしい」という気持ちを押し付けるのではなく、親の意思を尊重しながら一緒に取り組みたいですね。
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監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。