初盆(新盆)のお返しにタブーはある?品物の選び方や相場なども解説

初盆(新盆)に香典やお供えを頂いた際に、お返しはどうしたらいいのでしょうか。
マナー違反にならないよう、タブーとなる品や返礼品の選び方をチェックしておきましょう。
この記事では、初盆のお返しでタブーな品や選び方、定番のお返しや相場を解説しています。
初盆のお返しは必要か
お盆の時期、初盆供養への香典や提灯代、線香代、お供えを頂いた時は、お返しが必要になる場合と必要ない場合があります。
まず、初盆のお返しが必要なケースと、必要ないケースについて紹介しましょう。
初盆のお返しが必要なケース
初盆のお返しは一般的に不要といわれますが、法要をしない場合や法要後に会食の席を設けない場合には、お返しが必要となります。
なぜなら法要後の会食がお返しになり、会食がない代わりとして返礼品を贈るからです。
お供えや香典を郵送で頂いた場合も、会食に参加されていないのでお返しが必要になります。
初盆のお返しが不必要なケース
初盆のお返しが必要ないケースは、初盆の法要時に会食の席を設ける場合です。
お返しとして食事のおもてなしをするため、返礼品は不要になります。
その他に、香典やお供えは故人が頂いたものなので、遺族が返礼品を贈る必要はないという考え方も存在します。
これらの考え方は、宗派や地域の習慣、各家庭により個人差があるため、地元の慣習や年長者の意見を参考にして判断しましょう。
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初盆のお返しでタブーなもの
初盆のお返しの品には、タブーとされるものを選ばないよう、気をつける必要があります。
初盆のお返しにタブーとされているのは、以下のような品です。
四つ足生臭もの
昔から肉や魚は「四つ足生臭もの」と呼ばれ、殺生を連想させることから、仏事での使用はタブーとされています。
そのため、初盆のお返しで食品を送る場合は、生の肉や魚類は避けた方がいいでしょう。
ただし、カタログギフトの中に肉や魚、それらの加工品がある場合は、こちらの意思ではなく受け取った方の判断なので、許容範囲とされているようです。
縁起物がモチーフになったもの
初盆のお返しに、縁起物がモチーフになったものはタブーとされています。
縁起物とは、良いことがあるように祈り、祝うもので、招き猫や干支の動物などの動物のほか、七福神、松竹梅、ひょうたんなども当てはまります。
このようなモチーフを使った手ぬぐいや置物などは、初盆のお返しには不向きです。
また、置物は「悲しみが残る」とされているので、二重の意味でタブーとなります。
包装紙が派手なもの
ギフトショップやデパートなどで、初盆のお返しを購入する際は、包装紙が派手にならないよう気をつけましょう。
華美な柄入りや派手な色などを使用したパッケージのお返しは、タブーです。
お店で新盆のお返しといえば対応してくれるかもしれませんが、自分で選ぶ場合はラベンダーや紺、グレーなどの落ち着いた色を選びましょう。
掛け紙は「志」「初盆志」など、白黒の水引のものを掛けましょう。
お祝いを連想させるもの
初盆のお返しに、お祝いを連想させる食品や飲み物を送るのもタブーです。
たとえば、鰹節には夫婦円満や長寿の意味があり、結婚式の引き出物などお祝いごとに使われる食品なので、初盆のお返しにはふさわしくありません。
また、昆布や梅干しも縁起が良く、お祝いをイメージさせるので避けましょう。
その他、お酒も正月や結婚式等での祝い酒や、新築祝いの贈り物などの印象があるので、避けた方がいいでしょう。
初盆のお返しの選び方
初盆のお返しの品を選ぶ際は、タブーになるものを避けるほか、お返しにふさわしいとされる物から選ぶことが大切です。
続いては、初盆のお返しを選ぶ時のポイントを解説します。
消えものを選ぶ
初盆のお返しにふさわしいといわれているのは、消えものと呼ばれる、消費したら無くなる日用品や食料品です。
弔事の香典返しでも使われる消えものには、後に残らず無くなってしまうことから、悲しみが消えて無くなるという意味が込められています。
消えものとして、お菓子やお茶などの食品や、石けん・洗剤などの消耗品があり、手頃な価格の商品が揃っているので選びやすく人気があります。
持ち運びやすいものを選ぶ
初盆のお返しを選ぶ時に配慮したいのは、持ち運びのしやすさです。
サイズが大きい物や重い物、運びづらい形の物、水気のある物など、持ち運びに手間がかかる物は、相手の負担になります。
また、食品なら常温保存できるもので日持ちがいいものを選び、生菓子や要冷蔵の食品、賞味期限が短いものなど、時間に制約があるものは避けましょう。
カタログギフトを選ぶ
カタログギフトは、あらゆる世代の人が好きなものを選べるので、初盆のお返しにおすすめです。
送る側は何を送るか考えたり、包装紙や渡すタイミングを気にしたりする必要がありませんし、もらう側も不要な品を受け取って困ることはありません。
カタログに載っているギフトの品は、タブーとされるものでも問題視されないので、受け取る方の選択肢が増えるというメリットもあります。
初盆のお返しは何が良い?
初盆のお返しでよく選ばれる定番の品や、実際にもらった人から喜ばれている返礼品には、どういった物があるのでしょうか。
次は、初盆のお返しで人気の定番商品を紹介します。
食べ物
初盆のお返しの定番商品は、食べ物やお茶等の消えものです。
個別包装になっていて日持ちが良いお菓子やお茶の詰め合わせは、もらった人が自分で消費するだけでなく、周りの人とシェアもできます。
関西より西の地域では、お返しを複数用意する風習もありますが、お菓子などの小袋をほかのお返しと組み合わせてもいいでしょう。
お盆シーズンに重宝される乾麺のそうめんや、ギフト用にパッケージされたお米も喜ばれます。
タオル
初盆のお返しの中で人気の高い日用品は、ハンドタオルやフェイスタオル、手ぬぐいなどのタオル系の品です。
タオルには「悲しみを包み込む」「不幸を拭い去る」という意味があるため、弔事のお返しの定番になっています。
色は白やクリーム色、グレーや紺色などの落ち着いた色がいいでしょう。
石鹸・洗剤
石鹸や洗剤は使ったら消えてしまう、消えものの代表的な品で、初盆のお返しにもよく選ばれています。
消費期限がなくストックできますし、必ず使うものなので少人数のご家族でも迷惑になりません。
ギフト用の石鹸や洗剤類は、価格に応じてバラエティが豊富なので、予算や希望に合わせたお返しを選べるでしょう。
初盆のお返しの相場は?
初盆のお返しには、これくらいが妥当だとされる金額相場があります。
高過ぎても安過ぎても失礼にあたるので、適切な金額内で用意するようにしましょう。
次は、初盆のお返しの相場を紹介します。
頂いた品の1/2~1/3の金額が相場
初盆のお返しの金額相場は、頂いた品や香典の1/2〜1/3程度だといわれています。
葬儀やほかの法要のお返しと同程度ですが、地方によって差があるため、地元の慣習も考慮した方がいいかもしれません。
平均的な初盆の香典やお供えは3,000〜10,000円程度なので、お返しは1,500〜5,000円程度を目安にして選ぶといいでしょう。
頂いた品が高額だった場合はどうする?
頂いたお供えや香典が予想以上に高額だった場合は、後日追加でお返しをするのが丁寧です。
たとえば、当日に5,000円分のお返ししか用意していなかったにもかかわらず、香典として100,000円を頂いた場合には、不足分を後日改めてお返しするようにしましょう。
香典が100,000円の場合、お返しの目安は30,000円前後とされています。
そのため、当日お渡しした5,000円分のお返しに加え、25,000円程度の品を後日お届けするのが適切です。
必ずしも半返しにする必要はありませんが、感謝の気持ちが伝わるよう、心を込めてお礼の品を選ぶことが大切です。
初盆のお返しはいつする?
初盆のお返しを渡すタイミングは、法要の当日渡す場合と後日渡す場合があります。
法要がなくても正しいタイミングで渡せるよう、手配しましょう。
最後に、初盆のお返しをするタイミングを紹介します。
当日にお返しを渡す
初盆の法要を行った場合、参列者には当日にお返しを渡します。
法要の後、そのまま帰られる方には、お見送りのタイミングでお返しを渡しましょう。
その際は、初盆の供養に来て頂いたお礼を述べるようにします。
法要後に会食がある場合は、食事がお開きになる頃に渡しましょう。
ただし人数が多い場合は、あらかじめ席に置いておいても構いません。
後日お返しを渡す
初盆の法要・会食をしなかった場合や、香典やお供えを郵送して頂いた場合は、後日お返しを手配します。
法要の日に高額の香典やお供えを頂いた方にも、後日追加のお返しを贈りましょう。
発送のタイミングは、法要後2週間以内に届くようにするのがマナーです。
遅れると失礼に当たりますので、遅くならないように注意しましょう。
郵送のお返しには、御礼状で感謝の気持ちを伝えましょう。
初盆のお返しでタブーな品を避けて、感謝の気持ちを丁寧に伝えよう
初盆の法要後に会食がない場合や、郵送で頂いた場合は、お返しが必要です。
タブーとされる品を避け、マナー違反とならないように注意しましょう。
おすすめは消えものや持ち運びやすいもの、カタログギフトで、特に食品系、タオル系、石鹸・洗剤系は定番の品です。
相場は頂いた香典やお供えの1/2〜1/3程度で、高額の品を頂いて差額がある場合には、後日追加のお返しをします。
初盆のお返しはタイミングを逃さず、感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。
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監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
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