家族葬はどこまで呼ぶ?親族は全員参列?範囲の決め方を解説

家族葬の「家族」とは、どこまでを意味するのでしょうか。
「同居の家族」「親族は全員が家族」など、人によって家族に対するイメージは違うので、線引きするのは難しいものです。
この記事では、家族葬に呼ぶ人の範囲や、迷った時の決め方、注意点を紹介しています。
家族葬はどこまで呼ぶ?親族は全員参列?
家族葬に呼ぶ人には、明確な決まりがありません。
遺族の希望や故人の遺志に従って、適切と思う範囲で呼ぶ人を選択できます。
公正取引委員会による家族葬の定義では、参列者は「親しい関係者」「50名未満」とされていますが、どのような人が参列するかには言及していません。
家族葬は近親者や親しい友人など、参列者を限定する葬儀形態ですが、参列者を誰にするかの判断は、葬儀を執り行う人が決めます。
従って、同居の家族のみとする場合もあれば、親族全員が参列する家族葬もあるでしょう。
また故人と親しかった友人など、親族以外が参列する家族葬もあるため「家族」という名称にこだわる必要はないでしょう。
【公正取引委員会による家族葬の定義】
通夜・告別式,火葬等は一般葬と同様に執り行われる。
※ 本調査においては,参列者50名未満の葬儀を家族葬と定義した。
引用:公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書 p27」
家族葬はどこまで呼べばいい?迷った時の決め方
家族葬に呼ぶ人の範囲は特に決まりがないため、どこまで呼ぶのかの判断に迷うこともあるでしょう。
故人の遺志や遺族の考えを尊重した上で、誰を呼んで誰を呼ばないか決めるのは大変だと感じるかもしれません。
続いては、家族葬にどこまで呼ぶか迷った時の決め方を紹介します。
参列者の人数を基準として考える
人数 | 家族葬に呼ぶ範囲 |
10名程度 | 遺族(故人の配偶者とその家族、子どもとその配偶者、孫) |
20名程度 | 近しい親族まで(上記+故人の兄弟姉妹・故人の親) |
30名程度 | 親族まで(上記+故人のいとこや甥姪) |
40名程度 | 親しい友人まで(上記+故人の親しかった友人・職場で交流が深かった人) |
家族葬にどこまで呼ぶか迷った際は、参列者の人数を判断基準にしましょう。
故人の遺志や遺族の考え、葬儀費用などにより、葬儀の規模は参列者が何名程度という希望があるかと思います。
その規模に従って、参列者の人数に当てはまるように、呼ぶ人の基準を作ることができるのです。
例を挙げると、参列者10名の家族葬をする場合は、故人の配偶者や子供、その家族で約10人となるため、それ以上は呼ばないと決定できます。
兄弟姉妹や子どもの人数など、家によって開きはありますが、上の表にまとめた人数と呼ぶ関係者の範囲を参考にしてみてください。
【関連記事】
家族葬を10人で行う際の費用相場と内訳は?安く抑える方法も解説
呼ぶか迷ったら声をかける
家族葬に呼ぶ人を決める際に、呼ぶべきか呼ばない方がいいのか迷った場合は、声をかけることをおすすめします。
親族のように今後も付き合いがある相手の場合、なぜ自分は呼ばれなかったのかと、後々になってトラブルに発展する恐れがあります。
また、葬儀に呼ばれなかった人が葬儀後に弔問に訪れた際に、呼ばなかった理由をきちんと説明するシーンもあるでしょう。
事情を話せば納得してくれそうな相手なら問題ありませんが、納得させるのが難しいような人には、声をかけた方がいいでしょう。
家族葬でどこまで呼ぶか決める時の注意点
家族葬でどこまで呼ぶか決める時は、後々問題が起きないよう気を付ける必要があります。
呼ばない人に一般葬と同じだと誤解されたり、呼ばれなかったと不服を感じられたりしないよう、参列をお断りする相手には丁寧な対応が必要です。
次は、家族葬でどこまで呼ぶかを決定する時、気をつけたい注意点を紹介します。
明確な基準を設けておく
家族葬にどこまで声をかけるかを決める時は、明確な基準を設けてから決めるようにしましょう。
基準をあやふやにしたまま決めると、呼ぶ人に一貫性がなくなり、呼ばない人から苦情が出る恐れがあります。
後から「あの人は呼ばれたのになぜ私は」と言われないよう、はっきりとした基準をもとに参列者を選びましょう。
家族葬の連絡をする際に、参列者を限定した理由を伝えるのはとても大切です。
親族でも故人の親しかった関係者でも、訃報と参列辞退を連絡する際は、相手の気持ちを考慮し納得できる伝え方を心がけましょう。
訃報の連絡か葬儀の案内なのかを明確にする
家族葬をするつもりで訃報の連絡をする場合は、単なる訃報の連絡なのか、葬儀の案内なのか分かるように連絡しましょう。
家族葬なので参列は不要と明記しなかったため、相手の誤解を招き、呼んでいない人が葬儀会場に現れたというトラブルが、たまに起こります。
トラブルを避けるためには、葬儀が済んだ後に訃報の連絡をして、既に葬儀は近親者で済ませたと事後報告するようにすれば、勘違いされません。
葬儀の前に連絡が必要な相手には、家族だけで静かに見送りたいので、参列や香典を辞退したいということを、はっきり伝えましょう。
呼ばない場合は挨拶状等を送る
家族葬に呼ぶ人への連絡は電話でするのが一般的ですが、呼ばない人に対しては挨拶状等を送りましょう。
挨拶状は葬儀が済んだ後に喪主名義で、送られることが多いです。
内容は、故人の名前や亡くなった日と、生前故人がお世話になった感謝の気持ちを伝え、葬儀は家族葬で済ませたことを知らせます。
香典を辞退する場合は、一緒に知らせるようにしましょう。
葬儀の前にメールなどで知らせる場合は、相手が参列するべきか迷わないように「家族葬につき参列不要」「香典辞退」等の意思をはっきりと伝えましょう。
家族葬に関するよくある質問
家族葬は増加傾向にあり知っている人も増えてきましたが、比較的新しい葬儀形式なので、行う側も参列する側も、分からないことが出てきて悩むこともあります。
最後は、家族葬に関するよくある質問について解説します。
家族葬に参列する親族の範囲は?
家族葬に参列するのは、二親等までの親族が一般的と言われることもありますが、実際にどこまで呼ぶか決めるのは個人の判断によるため、ケースバイケースです。
訃報の連絡を受け、家族葬に参列してほしいと申し出があった場合は、二親等以上離れていたり、親族でなかったりしても参列できます。
逆に、家族葬なので参列辞退と連絡があった場合や、特に参列するよう申し出がない場合は、二親等以内の親族でも参列を控えるのがマナーです。
また、訃報のみで葬儀の案内がなかったり、人づてに訃報を知ったりした場合は、無理に参列しようとしてはいけません。
家族葬で会社の人を呼ぶのはマナー違反?
家族葬は故人と特に親しい関係性があった人を呼ぶケースもあるため、会社の人が参列することになっても、マナー違反とは言えません。
特に故人と親しかった仕事関係の人など、家族と一緒に故人を見送ってほしい相手なら、会社関係者を呼ぶこともあるでしょう。
ただし葬儀場の規模によって、多くの参列者を受け入れられない事情があるようなら、参列者の希望人数を「何人まで」と伝えておきましょう。
また、香典を辞退する場合も事前に連絡が必要です。
もし断りきれずに香典を受け取ることになった場合は、香典返しの手配が必要となります。
家族葬はどんな流れで行う?
家族葬の流れは一般葬と同じで、通夜、葬儀告別式、火葬、初七日法要となるのが一般的です。
人数が少ないので受付はない場合が多く、通夜の後の「通夜振る舞い」も割愛されることが多いでしょう。
葬儀告別式は一般葬と同じで、仏教の場合は僧侶の読経、焼香などを行い、出棺して火葬場へ向かいます。
改めて遺骨法要と初七日法要を行うこともありますが、火葬場で初七日法要まで行うのも珍しくありません。
家族葬では「精進落とし」を省略して、火葬が済んだらそのまま解散としたり、親しい人だけで食事したりすることが多いでしょう。
【関連記事】
家族葬の流れは?葬儀のやり方・準備・やることを紹介
家族葬に喪主の挨拶はある?
家族葬でも一般葬と同様に、喪主の挨拶が行われます。
一般的な家族葬で喪主が挨拶するのは、通夜と告別式の後の2回です。
通夜振る舞いや精進落としの席を設ける場合は、それぞれの最後に喪主が挨拶することもあります。
その場合、食事の前にする場合や後にする場合があり、タイミングは人によって違います。
挨拶の内容は、故人に代わって生前の礼を述べ、故人を偲ぶエピソードや参列者へのお礼などを言う場合が多いようです。
あまり長くならないように簡潔にまとめた原稿を用意して、聞き取りやすいスピードで言うよう心がけましょう。
【関連記事】
家族葬で使える喪主挨拶の簡単な文例は?お通夜・告別式で話すコツも紹介
家族葬はどこまで呼ぶか決めておくことが大切。訃報を連絡する際は慎重に
家族葬は親族や関係者など、ごく親しい人だけで行う葬儀で、誰を呼ぶのかについてはっきりした決まりはありません。
呼ぶ人、呼ばない人は遺族の考えや故人の遺志などで決定します。
誰を呼ぶか決める時は、参列者の数を判断基準にすると決めやすいでしょう。
呼ばれなかった人が納得できる明瞭な基準を設けることと、参列できない人への訃報の連絡は慎重に行うことが大切です。
家族葬にどこまで呼ぶか決める際は、呼ばない人への気遣いを忘れないようにしましょう。
葬儀に関するお悩みがあれば「家族葬のゲートハウス」へ
家族葬のゲートハウスは、和歌山市の家族葬施行件数No.1の葬儀社です。
経験豊富なスタッフが、丁寧に対応いたしますので葬儀に関することはどんなことでもお任せください。

監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。