葬儀に使う数珠の持ち方は?必要ある?色の決まりはあるか・どこで買うかを紹介 |家族葬のゲートハウス [公式] 和歌山 大阪 兵庫のお葬式・ご葬儀

           
2025.05.20
葬儀・葬式のマナー

葬儀に使う数珠の持ち方は?必要ある?色の決まりはあるか・どこで買うかを紹介

葬儀 数珠

葬儀に参列する際に必要となる数珠ですが、使い方がわからない人も少なくありません。

故人をしっかりと弔うためにも、数珠に関する正しいマナーを押さえておきましょう。

この記事では、葬儀に使う数珠の意味や持ち方色などの決まりがあるかどうかや知っておきたいマナーについて解説します。

 

葬儀に使う数珠の意味は?必要ある?

仏式の葬儀や法要などにはもちろんお墓参りなど日常的にも使われている数珠。

普段手にする機会がない人にとっては、なぜ数珠を用いるのか疑問に感じるのではないでしょうか。

ここでは、葬儀に使う数珠の意味について解説します。

 

数珠の意味と由来

数珠(じゅず)は、別名「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、お経を唱える際に使用される仏具です。

「数珠でお経の回数を数える」というインドのヒンドゥー教の習慣が、日本の仏教にも定着したのが由来とされています。

数珠の珠それぞれが「人間の煩悩を祓ってくれる仏様そのもの」であり、身につけておくだけで魔除け・厄除けになると考えられてきました。

その理由から、仏事用の数珠とは別に、日常的に使えるアクセサリータイプのものも販売されています。

 

本式数珠・略式数珠の2種類ある

「本式数珠」とは、宗派ごとに決められた素材・形で作られている正式な数珠のことです。

人間の煩悩の数と同じ108個の玉で作られている場合が多く、身を清めるという意味でも、より格式が高いといわれています。

一方で「略式数珠」は「片手数珠」とも呼ばれ、本式数珠よりも少ない珠の数で作られた一連の数珠です。

宗派を気にせず使用できるため、1本持っていると重宝します。

 

数珠は必須ではない

数珠はお経を唱えた回数を数えるために使われるものであり、本来数珠が必要なのは、お経を唱える僧侶です。

葬儀では多くの人が数珠を持参しますが、実は参列者の持ち物として数珠は必須ではありません

ただし、数珠それ自体が「仏様と持ち主をつなぐ仏具」という意味を持ち、「手にすることで故人への弔意を表す」という考え方もあります。

各自数珠を持っておくのが一般的な認識のため、葬儀に参列する時は持参したほうが無難といえるでしょう。

 

葬儀に使う数珠の持ち方・使い方|宗派別

数珠をお葬式に持参する際は、数珠が傷つかないように、数珠袋やふくさに入れて持ち運びます。

着席後は略式・本式にかかわらず、数珠は左手に持つのが正しいマナーです。

ここでは、葬儀に使う数珠の持ち方や使い方を、宗派別に詳しく紹介します。

 

片手数珠(略式数珠)

片手数珠(略式数珠)の場合、持ち方は片手・両手の2種類があります。

長さのある略式数珠を使う際は、両手にかけて、手のひらで数珠をすり合わせるようにして使いましょう。

また、片手・両手にかかわらず、数珠の房が下に垂れるようにして持ちます

数珠の使い方は以下のとおりです。

【片手数珠】
・片手:左親指・人差し指に数珠をかけて合掌

片手数珠

 

・両手:両親指・人差し指に数珠をかけて合掌

両手数珠

浄土宗

1175年に法然(ほうねん)が開いた浄土宗は「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで、極楽往生できると考える宗派です。

「口称念仏こそが往生の要件」としており「唱えれば身分にかかわらず誰でも救われる」という教えを説いています

当時は貴族だけのものだった仏教を、大衆に広めたきっかけとなり、やがて日本中に広まっていきました。

浄土宗における本式数珠の使い方は、以下のように2通りあります。

【浄土宗:1】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 両親指・人差し指に輪をかけ、房を手前に垂らす

【浄土宗:2】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 輪を人差し指から小指までの4本指にかけ、房を奥側に垂らす

 

浄土真宗

1224年に開かれた浄土真宗は、浄土宗の宗祖・法然の弟子にあたる親鸞(しんらん)が、浄土宗から派生して開いた宗派です。

「南無阿弥陀仏を唱えれば極楽往生できる」と説く浄土宗に対し、浄土真宗は「ご本尊である阿弥陀如来を信じる心があれば救われる」と説いています

すべては阿弥陀如来のご加護の力としており、阿弥陀仏の救いに委ねる「他力本願」を大切にしているのです。

浄土真宗には、代表的な宗派として「本願寺派(西)」と「真宗大谷派(東)」があります。

それぞれ持ち方が異なるため、以下の使い方をチェックしましょう。

【浄土真宗|本願寺派】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 輪を人差し指から小指までの4本指にかけ、房を奥側に垂らす

【浄土真宗|真宗大谷派】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 輪を人差し指から小指までの4本指にかける
  3. 大きな玉(親玉)を親指・人差し指で挟む
  4. 房を左手の甲に垂らす

 

真言宗

空海(弘法大師)を宗祖とする真言宗は816年に開かれ、留学先の中国で学んだ密教を基盤とする宗派です。

ご本尊は大日如来で、宇宙そのものを表す最高位の仏様として考えられています。

「即身成仏」を基本の教えとしており「心を清く保つことで誰でもすぐに仏になれる」と説いているのが真言宗の特徴です。

真言宗における本式数珠の使い方は、以下を参考にしてください。

なお「108の煩悩をすり砕く」という意味から数珠をすり鳴らすように音を立てて使います

【真言宗】

  1. 輪を両中指にかけて手を合わせる
  2. 房は左右の手の甲に垂らす

 

曹洞宗・臨済宗

曹洞宗(そうとうしゅう)・臨済宗(りんざいしゅう)は、禅宗の中でも代表的な宗派です。

禅宗とは坐禅を通して、自分自身を見つめ直すことにより悟りの境地を目指す教えを説いています。

宗派に大きな違いはありませんが、曹洞宗は「修行そのものが仏の行」としているのに対し、臨済宗は「本来の自己(仏心)に目覚めることが悟り」としているのが特徴です。

曹洞宗・臨済宗の本式数珠の使い方は以下のとおりです。

【曹洞宗・臨済宗】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 左親指・人差し指で挟みつつ、4本の指に輪をかける
  3. 房を下に垂らす

 

日蓮宗

1253年に日蓮(にちれん)が開いた日蓮宗は、法華経がお釈迦様の唯一の教えであると説く宗派です。

お題目である「南無妙法蓮華経」を唱えることが最も重要な信仰とされており、繰り返すことで万人が平等に成仏できると考えられています。

日蓮宗における本式数珠の使い方は、以下のとおりです。

【日蓮宗】

  1. 輪を8の字に捻じり両中指にかける
  2. 数珠を包み込むように合掌する
  3. 房は左側に3本、右側に2本になるように手の甲に垂らす

 

天台宗

天台宗の基盤となる天台教学は、中国の妙法蓮華経という経典の教えに基づいて天台大師・智顗(ちぎ)が創始したのがはじまりです。

806年に伝教大師・最澄(さいちょう)が日本に持ち帰り、広めたことで天台宗が誕生しました。

「世に生を受けたものは皆、仏になることができる」という一切皆成の教えを説いています。

また、特定のご本尊が決まっておらず、寺院によって異なるのが特徴です。

天台宗での本式数珠の使い方は、以下を参考にしてください。

【天台宗】

  1. 輪を2つ作り、重ねて1つにする
  2. 大きな玉(親玉)が左親指の付け根(手の平側)にくるようにして手にかける
  3. 房を親指の内側に垂らしつつ、そのまま右手を重ね合わせる

 

葬儀で使う数珠の選び方|決まった色や男性・女性用はある?

数珠は、性別や宗派によって選び方が異なるとされています。

自分に適した数珠を身につけるためにも、正しい選び方を知っておきましょう。

ここでは、葬儀で使う数珠の選び方を紹介します。

 

決まった色はないので自由に選ぶ

数珠の玉・房ともに、色については特に決まりがないため、好みの色を選んでかまいません。

ただし、地域や親族間によっては色が決まっている可能性もあります

不安な場合は、事前に親族や葬儀社に確認しておくと安心です。

 

男性用・女性用で選ぶ

【男性用・女性用の略式数珠】

男性が使用する数珠 10mm~12mmの大きいもの
女性が使用する数珠 6mm~8mm
子どもが使用する数珠 女性が使う数珠よりコンパクト

略式数珠は、性別や年代に合わせて適したものを選ぶ必要があります

男性が使用する略式数珠は10mmより大きい玉で作られているもので、10mm〜12mmの主玉が使用されていることがほとんどです。

女性が使用する略式数珠は6mm〜8mmの主玉で作られているものが多く、男性用数珠と比べて玉が小さくなっています。

複数のサイズの玉で作られていたり、玉に加工が施されていたりするものもあるので、お気に入りの数珠を選んでみてください。

また、子どもが使用する数珠は、女性用よりもさらにコンパクトなものを選びましょう。

玉がアクリル製で割れにくいものや、かわいらしい梵天房の数珠が、子ども用として多く並んでいます。

 

本式数珠は各宗派に合うものを選ぶ

本式数珠を選ぶ場合は、宗派に合ったものを選ぶことが大切です。

宗派によって玉の数や特徴が異なるため、注意して選びましょう。

宗派ごとの数珠の特徴は、以下のとおりです。

 

浄土宗

【浄土宗】

男性が使用する数珠 ・主玉の輪:2つ
・主玉:27個・20個
・親玉:輪に1個ずつ
・弟子玉:16個
・房が2本リングでつながっている
女性が使用する数珠 ・主玉の輪:2つ
・主玉:40個・27個
・親玉:輪に1個ずつ
・弟子玉:16個
・房が2本リングでつながっている

浄土宗で使われる本式数珠は、日課数珠・百八数珠・荘厳数珠の3種類があり、一般檀家では日課数珠(にっかじゅず)が用いられます。

2つの輪を1つに繋いだような形状で、銀色のリングがついているのが特徴です。

広げた時の標準的なサイズは、男性用が9寸(約27cm)女性用が8寸(約24cm)となっています。

 

浄土真宗

【浄土真宗】

男性が使用する数珠 ・主玉:18~22個
・親玉:1個
・房が親玉に蓮如結びでついている
女性が使用する数珠 ・主玉:108個
・親玉:2個
・弟子玉:2個
・房は蓮如結びのもの・弟子玉がついたものが2本

浄土真宗で使われる本式数珠は、男女によって違いがあるので注意が必要です。

男性用の本式数珠は、略式数珠と同じ一連の片手数珠で、紐房を付けたものが主流となっています。

女性用の本式数珠は、主玉が108個の二連になったもので、房が蓮如(れんにょ)結びになっているのが特徴です。

また、本願寺派(西)は頭付撚り房、真宗大谷派(東)は切り房が主に用いられています。

 

真言宗

【真言宗】

男性が使用する数珠 ・主玉:108個
・親玉:2個
・弟子玉:20個
・大きさ:約27cm(9寸)
・房は梵天房
女性が使用する数珠 ・男性が使用する数珠と同じ作り
・大きさ:約24cm(8寸)

真言宗で使われる本式数珠は、長い一連の数珠を二重にする形状から「振分数珠(ふりわけじゅず)」とも呼ばれます。

親玉から7個目・21個目に四天玉があり丸い梵天房が4つ付いているのが特徴です。

真言宗は、特に数珠を大事にしている宗派といわれているため、正しく選びましょう。

 

曹洞宗

【曹洞宗】

男性が使用する数珠 ・主玉:108個
・金属製の輪「銀輪」を通している
・房は紐房
女性が使用する数珠 ・男性が使用する数珠と同じ作り
・房は頭付房

坐禅を重んじる禅宗では、数珠に厳しい決まりはありません。

ただし、宗派によって特徴が異なるため、正しい知識のもと選びましょう。

曹洞宗で使われる本式数珠は、108個の主玉で作られた一般的な形状で銀輪を通しているのが特徴です。

男女によって房の形状が異なります。

 

臨済宗

【臨済宗】

男性が使用する数珠 ・主玉:180個
・大きさ:約60cm(2尺)
・金属製の輪「銀輪」がない
女性が使用する数珠 ・男性が使用する数珠と同じ作り
・大きさ:約24cm(8寸)

臨済宗で使われる本式数珠は、曹洞宗と比べて主玉の数が多いのが特徴です。

銀輪も付いておらず、とてもシンプルな見た目となっています。

男女ともに作りは同じですが、女性用は玉のサイズが小さいため男性用よりも短いです。

 

日蓮宗

【日蓮宗】

男性が使用する数珠 ・主玉:108個
・親玉:2個
・大きさ:約36cm(1尺2寸)
・房がそれぞれの親玉に3本・2本ついている
女性が使用する数珠 ・男性が使用する数珠と同じ作り
・大きさ:約24cm(8寸)

日蓮宗で使われる本式数珠は、勤行数珠・装束数珠の2種類がありますが、一般檀家では勤行数珠(ごんぎょうじゅず)が用いられます。

「身につけることで煩悩を消し、身を清めるご利益がある」という考えから、108個の主玉で作られるのが特徴です。

また、日蓮の教えを重んじる宗派の中でも、日蓮宗とは本仏が異なる「日蓮正宗」も存在します

日蓮正宗の場合、数珠の形状は日蓮宗と同じですが、房の色が白に限られているので注意しましょう。

 

天台宗

【天台宗】

 

男性が使用する数珠 ・主玉:108個
・大きさ:約27cm(9寸)
・玉の形が平玉(そろばんのような形)
女性が使用する数珠 ・男性が使用する数珠と同じ作り
・大きさ:約24cm(8寸)

天台宗で使われる本式数珠は、平玉で作られているのが大きな特徴です。

親玉から連なる房に、片方は平玉が20個もう片方は丸玉が10個付いています。

ほかの宗派で用いられる数珠とは形状が大きく異なることから、選ぶ時も判別しやすいでしょう。

 

素材で選ぶ

数珠に使われる玉の素材は、主に木製・天然石の2種類があります。

木製は軽量で扱いやすく、年を経るごとに風合いが変わって馴染んでいくのが特徴です。

素材としては、黒檀・紫檀などが使われます。

一方で天然石で作られた数珠は、ツヤや透明感のある見た目が特徴です。

色の組み合わせや加工の仕方によって大きく印象が変わるので、好みのものを選べるでしょう。

 

葬儀に使う数珠はどこで買う?

葬儀に使う数珠は、仏具を取り扱う専門店や、百貨店などで購入できます。

スーパーや100円ショップなどでも購入できますが、安価な数珠は耐久性が低いため、切れやすいなどといった問題が生じがちです。

急ぎの時は仕方ないですが、時間に余裕がある場合は仏具店や百貨店で購入しましょう。

 

葬儀に使う数珠に関するマナーは?

葬儀への参列経験が少ない人にとっては、数珠のマナーをきちんと把握できているのか不安に感じますよね。

最後に、葬儀で使う数珠の正しいマナーについて紹介します。

数珠の使い方を事前によく理解し、葬儀で故人をしっかりと見送りましょう

 

他人と貸し借りしない

数珠を持っていなかったり、忘れてしまったりした時に「誰かに貸してもらえないかな…」という考えが頭をよぎるかもしれません。

しかし、本来数珠は貸し借りを避けるのが好ましく家族間の共有もしないのが一般的です。

数珠はお守りの役割があるほか、仏様と持ち主をつなぐ意味のある仏具なので、使いまわしてはいけないものとされています。

葬儀の参列中に数珠を忘れたことに気づいたとしても、誰かに借りるのはやめましょう。

 

葬儀に適した数珠を使う

数珠は、魔除け・厄除けになると考えられていることから、数珠ブレスレットなどアクセサリーとして身につける人も少なくありません。

しかし、葬儀に参列する際には、仏事用の数珠を使いましょう。

仏事用と同じような素材で作られた数珠ブレスレットでも葬儀の場にはふさわしくありません

マナー違反で恥をかかないためにも、仏事用を準備しておくと安心です。

 

椅子・床などに置かない

仏教において、数珠は仏様と持ち主をつなぐ意味を持ちます。

丁寧に扱うことが大切とされているので、お尻で踏む場所である椅子・足元の床などに数珠を置かないように気をつけましょう。

葬儀中に数珠を使わない時は、手に持つか、数珠袋に入れてバッグに入れるなどして、肌身離さず持っておくようにしてください。

 

葬儀に使う数珠は宗派で異なる。持ち方やマナーに気を付けましょう

葬儀に使う数珠は、仏様と持ち主をつなぐ意味を持つ大切な仏具です。

略式数珠・本式数珠があり、本式数珠の場合は宗派によって形状が異なるため、正しいものを選んでくださいね。

数珠の持ち方やマナーをきちんと押さえ、穏やかな気持ちで故人を見送りましょう。

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監修者 一級葬祭ディレクター 木村聡太

監修者


木村 聡太

・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。

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