喪中のおせち料理はNG?代わりのお正月料理や買ってしまったときの注意点を解説
喪中には、おせち料理を控えるべきとされているのを、ご存知ですか?
既に買ってしまって、「どうしようかな…」と困っている方もいるでしょう。
今回は、喪中のおせち料理についての注意点や、ふさわしい料理・マナーを解説します。
故人を偲びながら、家族で穏やかな新年を迎えるために、正しい知識を把握しておきましょう。
喪中におせちを食べるのはNG?浄土真宗はOK?
喪中の期間のなかでも、とくに故人が亡くなってから四十九日までを表す「忌中」には、おせち料理は避けるのが吉とされています。
忌中の期間はお祝いごとを控えるのが一般的のため、お正月期間も慎ましやかに過ごしましょう。
四十九日を過ぎた後であれば、食材や食べる状況に気をつけることで、おせちを楽しむことが許されるケースもあります。
宗教や地域の風習によっても違うので、食べていいもの・いけないものを分けて柔軟に対応しましょう。
喪中の期間
まず、喪中の期間の長さが、故人との関係によって異なることを知っておきましょう。
代表的な喪中の期間を以下の表に示しています。
これらの期間中はお祝いごとを自粛するのが一般的なため、自分がいつ頃まで当てはまるのか確認してみてくださいね。
故人との続柄 | 喪中の期間 |
配偶者 | 13ヶ月 |
両親 | 13ヶ月 |
子ども | 3ヶ月~12ヶ月 |
兄弟姉妹 | 3ヶ月~6ヶ月 |
祖父母 | 3ヶ月~6ヶ月 |
故人との関係が深いほど、喪中の期間は長くなります。
厳密な期間はなくあくまで目安であり、家庭や宗教・地域の風習によって異なる場合もあるため、自分たちがどのように対応するかは家族や親戚と話し合ったうえで決めましょう。
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おせち料理の意味・由来と喪中にNGな理由
おせち料理は、元々「五節句」という季節の節目を祝うタイミングに、神様へ感謝を捧げるための料理でした。
現在では、お正月を祝う縁起の良い料理として知られています。
おせち料理には、家族の健康や繁栄を願う意味があるため、お祝いごとがタブー視される喪中の場合は控えた方が良いのです。
とくに、忌中は故人の弔いを優先すべき期間とされ、縁起物にはふさわしくないといわれています。
【例外】浄土真宗・キリスト教などはOK
宗教や地域によっては、おせちを食べても問題ないとする場合もあります。
たとえば浄土真宗では、死後の世界に対して特別な忌避感がないため、忌中や喪中でもおせち料理を食べてOKです。
キリスト教では、死を「神のもとへ帰ること」と捉えており、日本の伝統的な忌中の概念がありません。
おせちを食べることも問題ないため、いつも通りにお正月を過ごしましょう。
喪中のお正月に食べてはいけない食材・料理
一番に気をつけるべき点は、縁起や祝意を込めた食材を避けることです。
お祝いごとを控える期間には、食材や料理を一つひとつ慎重に選ぶ必要があります。
ここでは、喪中のお正月に口にするのを避けるべき代表的な食材や料理を見ていきましょう。
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鯛
鯛は「めでたい」という語呂合わせや、その赤い色からお祝いの席に欠かせない魚のため、喪中にいただく食材としては不適切です。
鯛だけではなく、お祝いを象徴することで知られる食材は控えた方が良いでしょう。
昆布巻き
昆布は「よろこぶ」という言葉遊びから、縁起がいい惣菜としておせちに使われます。
不老長寿や子孫繁栄を願う意味があり、新年の祝い料理の定番です。
しかし、喪中にはあまりふさわしくないので、昆布巻きなど昆布を使った料理は遠慮しましょう。
伊勢海老
伊勢海老は、曲がった腰や長いひげから長生きした老人を連想させます。
そのため、長寿のシンボルとして「長生きできますように」との願いを表すとされています。
こちらもお祝いの席で定番の食材ですが、喪中期間は、長寿を象徴する食材は控えるのが適切でしょう。
紅白の食材
紅白は日本の伝統的なお祝いカラーで、お正月の祝い食材としてもよく使われます。
喪中の期間中は、お祝いごとの雰囲気をできるだけ抑えるために、紅白の彩りは控えましょう。
なます・かまぼこなどであれば、紅の部分を省き白だけを使えば、喪中でも適した料理に変えられます。
菊花かぶ
菊花かぶとは、かぶを菊の花に見立てて飾り切りし、酢の物にした料理のこと。
長寿を願う意味を持つ「かぶ」を、邪気を払うとされる「菊」に見立てることで、家族の健康を願う意味が込められています。
菊自体には仏花のイメージがあり、お葬式の場でもよく用いられますが、喪中ではこのような縁起のいい食材や華やかな飾り付けを避けるべきでしょう。
飾り切りされた料理
飾り切りは料理の見た目を美しくすることで、晴れ晴れしい新年の幕開けに華を添えています。
祝いごとを控える喪中には、華やかさを強調する飾り切り料理は避けましょう。
喪中は普段の料理と同じようにして、質素な盛り付けを心がけるのが適切です。
喪中のおせち代わりになるお正月料理
おせち料理を控えるとなると、何を食べたら良いものか悩みますよね。
お正月の食事を楽しむ方法はきちんとあるので、安心してください。
縁起を担ぐ意味を持たない料理を選んで、家族と一緒に厳かなお正月を迎えましょう。
ここでは、喪中にもふさわしいお正月料理の代替品を紹介します。
ふせち料理
「ふせち料理」は、喪中でも安心して食べられるようにと作られた、喪中用おせちのことです。
精進料理ベースで、お祝いにつながる食材をすべて抜いて作られています。
一般的なおせちとは違い、質素でありながら、喪中にふさわしい新年の食事として広がってきました。
食材や調理法に配慮して作られているため、喪に服した期間に適した料理といえるのです。
代表的なメニューの中身
- だし巻きたまご
- 煮物(里芋、人参、椎茸など)
- ごま和え
- 焼き魚
- 精進揚げ
- 酢の物
これらの料理は全体的に質素で、お祝いの意味を避けた食材と調理法を取り入れています。
ふせち料理は喪中でも気兼ねなく食べられる料理のため、喪中のお正月にも好ましいでしょう。
お祝いごとを控えつつも、家族で穏やかなお正月を迎えるためのメニューとしておすすめです。
お雑煮
お雑煮も、おせちと同じくお正月料理の定番ですよね。
しかしこちらは祝いの意味が強くないため、食すことにも問題ありません。
ただし、具材には注意が必要。
紅白かまぼこや昆布など、お祝いを連想させる食材は避けましょう。
シンプルな具材で作れば、普段の食事同様にお正月にも楽しめます。
また、年越しそばも同様にシンプルな形で食べるなら問題ないでしょう。
魚の煮付け
お正月や大晦日に食べることの多い魚の煮付けも、縁起に関係ありません。
煮魚は日常的な料理の一つであり、祝い事を連想させる要素もない一品です。
鯛などの縁起物は避けて、他の白身魚を選ぶといいでしょう。
カニ料理
お祝いの料理としてよく使われるカニですが、こちらも喪中に食べても問題ありません。
とくにボイルや刺身などは、豪華であることから祝いの意味と思われがちですが、特別ないわれはないので、喪中のお正月を楽しむ料理として適しています。
すき焼き・しゃぶしゃぶ
すき焼きやしゃぶしゃぶは、家族で囲んで食べる温かい鍋料理であり、通常の家庭料理に分類されるものです。
食卓を豪華に彩りつつも、お祝いの意味合いはないため、普段の食事のように楽しめます。
寒い季節にもぴったりな料理なので、喪中のお正月にもぜひいただきましょう。
新年を祝う意味を持たないおせち料理
これらの料理には、お祝いの意味が強くないため安心です。
日常的な食材のものであれば、おせちに使われている料理であっても喪中に食べられます。
ただし、おせちの重箱ではなく、普通の器に盛り付けて普段の食事として楽しむといいでしょう。
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喪中におせちを買ってしまったときの注意点
既におせちを購入してしまっていて、急に喪中になってしまった場合、どうしようかと悩みますよね。
そんな場合でも、お祝いの意味をおさえつつ楽しむ方法があるので安心してください。
以下のポイントを守りつつ、美味しい食事をいただきながら、故人を偲ぶ穏やかなお正月を過ごしましょう。
重箱・祝い箸は使わない
おせちの代表的な入れ物である「重箱」にも、「おめでたいことが重なりますように」という意味が込められています。
喪中に使うと「悲しみが重なりますように」と意味が変化してしまうため、避けましょう。
お正月飾りや祝い箸も同様に、お祝いのシンボルマークであるためふさわしくありません。
いつもの食器や割り箸を使用し、普段の食事としておせちを楽しみましょう。
金箔は使わない
豪華でおめでたいおせちに付き物の金箔も、喪中には適しません。
喪中におせちをいただく際は、金箔の入った料理や装飾は避け、シンプルな形で盛り付けるようにしましょう。
故人を偲びつつ、質素で落ち着いた食事を楽しむことが大切です。
お酒は夜だけにする
お正月のお酒といえば、元日の朝に飲む「お屠蘇」ですよね。
お屠蘇は無病長寿の願いを込めて親しまれるお酒のため、喪中には控えるのが吉でしょう。
一方で、夜にお酒を飲むことは邪気払いの意味を持つとされており、喪中の間でも問題ありません。
お酒を飲む際は夜に静かに楽しみ、お祝いの意味を持たせないようにするのがいいでしょう。
縁起物の食材は食べない
お正月に口にする食材は、お祝いをイメージさせるものを避けましょう。
紅白のかまぼこや鯛、伊勢海老、昆布巻きなど、お祝いごとを連想させる食材は喪中には適していません。
ふせち料理を始めとする精進料理を積極的に取り入れ、お祝いの意味を持たないものを選びましょう。
買ってしまったおせちに入っていた縁起物などは冷凍保存しておいて、松の内を過ぎた頃など、お正月が明けてから食べるのであれば問題ありません。
できるだけ少人数で食べる
大勢で賑やかに食事をすることも、お祝いごとを連想させるため喪中には見合わせるべきです。
おせちを食べる場合でも、家族だけなど少人数で静かに食事を楽しむように心がけましょう。
食事の際も、普段と変わらない雰囲気の中でいただけば、喪中に合った過ごし方として問題ありません。
喪中はおせちを控えるのがおすすめ。食べたいときは「ふせち料理」で
喪中のお正月を過ごすときには、お祝いごとは自粛するのが一般的です。
そのため、縁起物の食材が多く、新年の幕開けを祝うおせち料理は、喪に服している間にはふさわしくないとされています。
少しでもお正月らしい食事を楽しみたいときや、既におせちを用意してしまったときは、料理の内容や入れ物を少し変えて「ふせち料理」として楽しむのが最適です。
ふせち料理なら、お祝いの要素が含まれないため、喪中のご家庭でも安心して食べられます。
シンプルで飾り気のない料理とともに、家族で穏やかに静かなお正月を迎えましょう。
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