家族葬で使える喪主挨拶の簡単な文例は?お通夜・告別式で話すコツも紹介
お葬式で喪主を務めることになった際、心配になるのは挨拶のことではありませんか?
親族のみで執り行う家族葬だとしても、喪主挨拶をするタイミングは何度かあります。
今回は、家族葬で使える挨拶例文やコツ、使ってはいけない言葉をご紹介します。
家族葬で喪主挨拶のタイミングはいつ?
親族のみ少人数で行う家族葬でも、喪主挨拶のタイミングは一般葬と同じです。
お通夜と葬儀・告別式の流れの中で、合わせて4回の挨拶があります。
まずは、喪主挨拶をする4つのタイミングについて見ていきましょう。
お通夜
お通夜で挨拶するタイミングは、全員の焼香が終わって僧侶が退場した後です。
喪主はお通夜の終盤、故人に代わって感謝を参列者に伝えます。
お通夜に駆けつけてくれたことのお礼に加え、その後の通夜振る舞いや翌日の葬儀・告別式のご案内を述べてもよいでしょう。
なお、通夜式開始の挨拶は省略されることが多く、喪主が皆様の前で話す必要はありません。
僧侶が到着した際の挨拶とお出迎えは、喪主の役目なので忘れないようにしましょう。
通夜振る舞い
通夜式の後、参列者に食事を振る舞う「通夜振る舞い」があります。
着席スタイルの食事では喪主が挨拶するのが一般的ですが、立食では挨拶を省略することも。
挨拶のタイミングもさまざまですが、主にこの3パターンと考えてよいでしょう。
- 通夜振る舞いの前に親族控室にいるとき
- 会食の席に着席したとき
- お開きのとき
家族葬であれば、何度もかしこまった挨拶をしないという方もいます。
会食前の挨拶はお通夜での喪主挨拶を省略したときに行われることが多いです。
通夜式の終わりに挨拶をしたのであれば、通夜振る舞いではお開きのタイミングで改めてお礼と翌日のご案内をすれば十分でしょう。
告別式後の出棺時
葬儀や告別式が終了し、出棺するときにも喪主挨拶があります。
ただし、家族葬では参列者全員がそのまま火葬場に移動するので、ここでの挨拶は省略されることが多いです。
火葬場に行かない参列者がいる場合は、改めて参列してくれたことへのお礼と故人を偲ぶ言葉、今後の変わらぬお付き合いのお願いなどを伝えましょう。
なお、葬儀場から霊柩車が発車するときにお見送りの方がいる場合は、喪主から再度「ありがとうございました」と簡潔にお礼を述べます。
精進落とし
火葬をした後、精進落としを行うときが喪主挨拶をするタイミングです。
ここでは会食が始まる前に喪主が献杯の発声をし、会食後には解散の挨拶をします。
開始前は葬儀が無事に終わった報告と、精進落としの席を用意している旨を伝えましょう。
会食後の挨拶は全ての締めくくりとなり、この挨拶をもって閉会となります。
また、四十九日の案内などもここでするのが一般的です。
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喪主のやることリスト完全版|通夜・葬儀前後まで分かりやすく解説
家族葬の喪主挨拶で使える簡単な例文
続いて、家族葬の喪主挨拶でそのまま使える挨拶例文をご紹介します。
故人の友人や会社の方、お世話になった方がいる一般葬と違い、身内のみが集まる家族葬では、かしこまった言葉や言い回しではなくても構いません。
ここでは簡単な挨拶文例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
お通夜での挨拶
通夜振る舞い前の挨拶
通夜振る舞い後の挨拶
告別式後の出棺時にする挨拶
精進落とし前の挨拶
精進落とし後の挨拶
家族葬の喪主挨拶で使ってはいけない言葉を紹介
続いて、お通夜や葬儀の挨拶で使ってはいけない言葉をご紹介します。
お葬式では、不幸が重なることを連想させるような忌み言葉を避ける風習があります。
家族葬であっても基本的なマナーは変わらないので覚えておきましょう。
喪主挨拶を考えるときには、ぜひ参考にしてください。
生死を直接表現する言葉
- 死ぬ
- 急死
- 生きる
- 生きている時
お通夜や葬儀告別式での挨拶文では、生死を直接表現する言葉は使いません。
大切な人を失ったばかりで、参列者や関係者が気分を悪くする可能性があるからです。
生きているときの話をするなら「生前」を使い、亡くなったことについては「逝去(せいきょ)」や「亡くなる」などに言い換えるとよいでしょう。
参列者の中に体調が優れない方やご高齢の方がいる場合もあるので、生死に関わるセンシティブな言葉は挨拶文に使わないのがマナーであり気遣いです。
音の繰り返しや不幸の連鎖を思わせる「重ね言葉」
- またまた
- 次々
- 再び
- 相次ぎ
同じ言葉を繰り返す重ね言葉は、不幸が重なることを連想させるので避けるべきです。
基本的な注意点としては、「またまた」「次々」のような繰り返し言葉を使わないこと。
挨拶では「わざわざお越しいただき…」と言ってしまいそうになりますが「本日はご多用の中参列いただき…」など言い換えが必要です。
また「再び」や「相次ぎ」も重ね言葉なので注意しましょう。
遺族への変わらぬお付き合いをお願いする際も「引き続き」ではなく「今後とも」を使うなど、重ね言葉を避ける言い回しに変更するのがベターです。
不吉な表現をする言葉
- 消える
- 浮かばれない
- 4(死)
- 9(苦)
「消える」や「浮かばれない」など不吉なイメージがある言葉もできるだけ避けましょう。
これらは代表的な忌み言葉であり、不幸が連想されるため葬儀の場に相応しくありません。
挨拶で使いがちな「終わりに」や「苦労」も実は忌み言葉なので注意。
また、数字では4が死を連想させ、9は苦しみをイメージさせるので不吉な数とされています。
あまり使用するシーンはないかもしれませんが気をつけておくようにしましょう。
宗教によっては使う言葉が変わる
神道 | 「御霊(みたま)のご平安をお祈りしております」 |
キリスト教 | 「安らかな眠りにつかれますようお祈りいたします」 |
※諸説あります
最後の注意点は宗教によって使う言葉が変わることです。
たとえば、神式の挨拶で仏教用語は使用しません。
仏教に由来する「ご冥福」「弔う」「供養」は、神式の葬儀ではマナー違反になります。
また、キリスト教では死を「ご愁傷様」と残念がるものではなく、魂が父なる神の元へ旅立ったと肯定的に捉えられるものです。
葬儀の際は宗教にあった言葉で冥福を祈るように心がけましょう。
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家族葬で簡単かつ心に残る喪主挨拶をするコツ
最後に、参列者の心に残る挨拶のコツをご紹介します。
喪主挨拶で例文のテンプレートを組み合わせた内容でも、話し方で印象が大きく変わります。
大切なのは伝えたいメッセージを参列者の皆様にお届けすることです。
緊張で頭が真っ白になったり、ダラダラと長く喋りすぎたりしないように、喪主挨拶を簡単にするポイントをチェックしましょう。
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カンペを作成する
お通夜や葬儀では、原稿を見ながら話しても問題ありません。
喪主は、突然のことで気持ちの整理もできないまま、葬儀会社と打ち合わせをしてお通夜や葬儀を執り行います。
そのため、挨拶文を暗記することは求められておらず、カンペを見ても構いません。
忌み言葉にはうっかり使いそうな言葉もあるので、原稿があれば安心です。
慣れないことで緊張してしまうので、感謝の気持ちを伝えられるよう原稿を用意しましょう。
ただし、スマートフォンのメモ機能などでカンペを見ると、参列者の中にはマナー違反と捉える方もいるため、紙での準備をおすすめします。
話す内容を整理しておく
葬儀での喪主挨拶で必ず伝えるべきことは以下の4つです。
- 故人との関係性
- 葬儀に参列していただいたことへのお礼
- 生前に故人と親しい間柄だったことへのお礼
- 遺族と今後もお付き合いをしていただくことへのお願い
故人との関係性については、家族葬の場合は割愛することもあります。
また、顔ぶれが変わらず挨拶が同じ内容になる場合は、思い出話やエピソードを入れてアレンジすると故人をより身近に感じてもらえやすいです。
お通夜では葬儀や告別式の予定など、スケジュールについて言及するのも忘れずにしましょう。
参列者が聞き取りやすい声で話す
喪主挨拶で最も重要なのは、参列者の皆様が聞き取りやすい声で話すことです。
ご高齢の方がいらっしゃる場合もあるので、大きな声ではっきりと伝えましょう。
緊張すると思いますが、早口にならないようにゆっくり間を置いて話すことが大切です。
言葉に詰まったり感情が溢れたりしてしまっても、参列者は大目に見てくださるはず。
一呼吸置いてまた話し始めれば、伝えたい思いはきちんと届きます。
長い挨拶にならないようにする
喪主挨拶は2〜3分を目安に、長くても5分は超えないように注意しましょう。
特に、会食前の挨拶は料理が冷めてしまうので短めに準備するのがベターです。
本番はすらすら読めない可能性もあるので、短く簡潔な挨拶を心がけてください。
なお、故人との思い出やエピソードを話し過ぎると長くなってしまいます。
参列者全員が分かるような話を1つ盛り込めればよいでしょう。
家族葬で喪主挨拶をする際は、簡単なカンペを用意しておくと安心
家族葬で喪主挨拶をする方は、身内だけと分かっていても緊張するはずです。
伝えたいことを簡潔にまとめた原稿を用意しておくと、当日も焦らず挨拶ができるでしょう。
慣れないことで不安がある場合は、葬儀社に相談することもできます。
家族葬のゲートハウスは経験豊富な専門スタッフがご遺族の皆様に寄り添い、温かい家族葬のお手伝いをしています。
葬儀のことでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
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