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新盆を家族だけで自宅で行うには?お坊さんを呼ばないときのお布施や香典も解説

新盆に大勢の人を迎えて法要をすることに負担を感じ、できれば家族だけで行いたいと考える人もいるでしょう。

しかし「お坊さんを呼ばない法要はどうすればいい?」「お布施や香典はどうなる?」など不安や疑問もあるのではないでしょうか?

今回は、近親者が亡くなって初めて迎えるお盆について解説します。

 

家族だけでの新盆の過ごし方

故人が亡くなり、四十九日を過ぎてから最初のお盆を「新盆(にいぼん)」「初盆」といいます。

新盆には、親戚や故人と親交が深かった方々を集めて法要を行うのが一般的です。

しかし、近年では葬儀や法要が簡略化され、家族だけで新盆を過ごす方も増えています。

特に決まりがあるわけではないので、家族ごとにできる範囲で行えば問題ありません

 

迎え火を焚く

お盆の初日の夕暮れには、迎え火を焚いて準備します。

迎え火とは、自宅の玄関や門口あるいはお墓で苧殻(おがら)を焚くことです

お盆には、この煙に乗ってご先祖様が帰ってくると言われています。

また、自宅の玄関には、目印となる白い盆提灯も合わせて灯しましょう。

 

お墓参り・法要を行う

新盆の前後にはお墓参りをし、法要を行うのが一般的です。

お盆にはご先祖様が現世に戻ってくるので、墓掃除は事前に済ませておきましょう

法要は菩提寺や最寄りの寺、自宅に親戚や故人の友人を招いて行います。

なお、家族だけの場合は、自宅に僧侶を招いて小規模で行うことも可能です。

 

送り火を焚く

お盆の最終日には、ご先祖様の魂を見送るための送り火を焚きます。

やり方は迎え火と同様、玄関先などで苧殻や専用のロウソクに火を灯しましょう。

迎え火はご先祖様に早く帰ってきてほしいという思いを反映して、夕暮れすぐに焚きますが、送り火は名残惜しさを表すように日が暮れてしばらくしてから焚くのが良いとされています

 

浄土真宗では歓喜会を行う

浄土真宗では死者の魂は極楽浄土にあり、現世に戻ることはないと考えられています。

そのためお盆の時期のことを「歓喜会(かんぎえ)」と呼び、法要や法話会を催して仏に感謝の祈りを捧げて過ごすことが多いです。

なお、浄土真宗であっても地域やお寺によってはお盆や新盆法要を行うこともあります

 

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新盆を家族だけで迎えるための準備

新盆に親戚や故人の友人を招かず、家族だけで迎えるための準備についてご紹介します。

お坊さんを呼ぶのか家族・親戚はどこまで参加するのか会食の有無などによっても必要な準備は異なります

家族のみでの新盆法要を、スムーズに執り行うためのポイントを確認しましょう。

 

菩提寺への法要依頼

まず、初盆法要を行うための僧侶と、場所を手配しなければなりません。

先祖代々のお墓があり、法事法要をお願いしている菩提寺がある方は、そちらに相談しましょう。

お盆は寺院が特に忙しい時期なので、遅くとも1ヶ月前には依頼するのがマナーです。

家族のみで行う場合は、僧侶を自宅に招くことが多いですが、自宅以外で行うのであれば新たに法要場所を決めて確保する必要があります

なお、お坊さんを呼ばない場合は、もちろん法要依頼は必要ありません。

 

案内状・挨拶状の送付

遠方に住んでいる家族や、参列してほしい親族には案内状を送りましょう。

通常、葬儀に参列した故人の友人・知人は新盆にも参加するものです。

そのため家族のみで新盆を行う場合、その旨を参列者の方々に連絡する必要があります。

新盆は家族だけで弔いたいという内容で新盆見舞いなども辞退すると伝えましょう

先方は新盆に参加するつもりで、すでに日程調整や準備をしてくれているかもしれません。

直前の連絡は失礼にあたり、今後の付き合いに支障が出る可能性があります。

遅くとも1ヶ月前には、電話や挨拶状で連絡するようにしましょう。

 

必要な場合のみ会食の手配

法要の後は、参列者と僧侶をお招きして会食を行うのが一般的です。

僧侶と家族で食事をする場合は、仕出し料理や手作りの料理などを準備しましょう。

事前に会食の参加可否を僧侶に確認し、辞退された場合は御膳料として5千円程度を包みます

新盆の食事が家族だけになるのであれば、特別な準備は不要かもしれません。

 

飾り棚・お供え物の準備

新盆には、飾り棚にお花やお菓子、果物などをお供えします。

故人が好きだったものの他、後から家族でいただける季節の果物やジュースもいいでしょう。

羊羹やゼリーなどの日持ちするお菓子や、そうめんなども定番のお供え物です。

供花については菊やリンドウ、ミソハギが一般的ですが、地域や宗派により異なる場合があるので僧侶に確認するのが確実でしょう

 

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精霊棚

お盆になると、仏壇の近くに精霊棚と呼ばれる盆棚を飾ります。

精霊棚は、お供え物やお盆飾りを置くための祭壇のこと

初めてのお盆であれば、必要な飾りや提灯がセットになった商品を購入しても良いでしょう。

基本的な飾り方は通常のお盆と同じで、ゴザを敷いてお供え物を整えます。

 

白提灯

新盆が通常のお盆と違うのは、祭壇の周りに白提灯(白紋天)を飾ることです。

白提灯は、初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印となるもの

新盆用の白い提灯を玄関や窓際、仏壇の前などに飾ると良いとされています。

提灯にはおもてなしの意味もあるので、ご先祖様をお迎えする準備として用意しましょう。

 

返礼品の準備

参列者を招いての新盆では、香典をいただいたお返しに、返礼品を用意するのがマナーです。

香典の相場金額が5千円〜1万円程度なので、その3分の1から半額程度のものを用意してお帰りの際に手渡しするのが一般的です

家族だけの新盆で、特に参列者を呼んでいなくても、新盆見舞いをいただくかもしれません。

この場合も、いただいた金額の3分の1から半額程度のものをお返しします。

新盆のお返しは消え物が良いとされており、夏の時期にあったゼリーやそうめん、食品以外では洗剤などの消耗品も人気です。

いただいた金額相場にあった返礼品を準備し、8月中には届くように手配しましょう。

 

新盆を家族だけで行う場合の香典

続いて、新盆の香典についてご紹介します。

家族だけで新盆を行う場合でも、香典を用意してお仏壇にお供えするか施主に手渡しします

ここでは関係性ごとの金額の相場や渡し方など、香典の基本的なマナーについて解説します。

 

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相場

故人との関係性香典の相場
両親1万円~3万円
兄弟姉妹1万円~3万円
祖父母5千円~1万円
叔母・叔父5千円~1万円

香典の一般的な金額相場は5千円〜1万円です。

自分の両親や兄弟姉妹など、近親者が亡くなった場合は1万円〜3万円と金額が高くなっています。

香典として包む金額は地域や宗派によっても異なるので、関係性が近い人に相談して大体の金額を合わせておくと安心でしょう

 

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会食がある場合は上乗せ

法要の後に会食がある場合は、その分の代金も上乗せして香典に包むと丁寧です。

一人あたり3千円〜5千円ほど香典の金額を上げるようにしましょう

もし祖父が亡くなったら、香典の相場5千円に会食の費用を上乗せして1万円にするなどです。

 

香典袋の色・水切り

新盆の香典に使われる一般的な香典袋は、下記のような特徴の不祝儀袋です。

  • 白無地
  • 白黒の結び切りの水引がついている
  • 熨斗がついていない

ただし、金額が5万円以上と大きいときは双銀の水切りがついた香典袋を使用します。

香典袋の選び方も地域によって差があるので、年配者に相談してみるのも良いでしょう。

 

表書きの書き方

表書きは下記のうち1つを書くと良いでしょう。

  • 御供物料
  • 御仏前
  • 御佛前
  • 御提灯料(提灯代)
  • 御提灯代(提灯代)
  • 御供物(果物・お菓子)
  • 御供(果物・お菓子)

この中で、宗教や宗派を問わず使えるのは「御供物料」です。

そして、表書きの下には自分の名前をフルネームで書きます。

複数人でまとめるときは全員分のフルネームを書きますが、夫婦の場合は連名にします。

また、4名以上の場合は代表者の名前と「外一同」と書けば問題ありません

 

お札の入れ方

お札は、裏向きにして肖像画が下になるように入れます

使用するお札に汚れや破れがないことを確認したら、向きを揃えて入れましょう。

新札については葬儀と違い「新盆なら入れても問題ない」とされていますが、ここは意見が分かれるところなので避けるのが無難です。

どうしても新札という場合は、一度真ん中で折り目を入れてから包むことをおすすめします。

 

渡し方

香典を渡すタイミングは、主に2つあります。

まずは到着してすぐ施主に「本日はお招きいただきありがとうございます。心ばかりではございますが御仏前にお供えください」と挨拶して手渡しする方法です。

もしくはお参りする際に香典を仏前にお供えしてから、手を合わせることも可能です。

仏前にお供えするとき、不祝儀袋は自分に向けた状態で置きます

 

家族だけで新盆を行うときの服装

新盆の法要や会食には、喪服または準喪服で参列するのが一般的です。

「家族だけでの新盆ならそんなにかしこまらなくても…」と思うかもしれませんが、お坊さんを招く場合には、服装もマナーのうちですから気をつけましょう。

ここでは服装選びのポイントと注意点をご紹介します。

 

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施主・遺族なら喪服or平服(略礼服)

施主と遺族は、喪服または平服(略礼服)を着ます。

通常の新盆では、招く側は参列者よりも格式高い服を着用しなければなりません。

迷ったら葬儀に参列したときと同じ喪服を着れば間違いありません

男性はダークスーツに無地のネクタイ、女性は黒のアンサンブルかワンピースがおすすめです。

平服は普段着ではないので、略礼服と呼ばれる暗い色のスーツやワンピースを選びましょう。

 

子どもは制服or落ち着いた服

子どもが新盆に参加する際は、学校の制服を着用すれば問題ありません。

未就学児や制服がない学校に通っている場合は落ち着いた色の服を選びましょう

男児は白いシャツに黒や濃紺のパンツとジャケット・ベストなどを合わせればOK。

女児は白のブラウスに黒や濃紺のスカートやワンピースを合わせると良いでしょう。

 

参列者は案内状に従う

新盆の参列者は、案内状に記載されている指示に従うのが無難です。

案内状には「平服でお越しください」など服装について書かれていることが多いので、それに沿って黒や濃紺、グレーのスーツやワンピースを選べば問題ありません。

なお、参列者は施主や親族より格式高い服装をしないほうが良いため、「とりあえずきちんとしておこう」と喪服を選んでしまわないように気をつけましょう。

案内状に記載がない場合は事前に施主に確認しておくと安心です

 

家族だけで新盆を行うときのお布施

新盆で僧侶に読経を依頼したときは、その謝礼としてお布施を渡します。

法要が終わった後、施主が関係者の代表となりその場で僧侶に渡すのが普通です。

新盆法要での供養への感謝と今後のお付き合いのお願いも含め必ず渡しましょう

 

相場

お盆の法要をお願いした場合、お布施の相場は1万円〜5万円です。

特に、新盆法要では3万円〜5万円が相場とされています。

お寺によっては、あらかじめ金額が決められていることもあるので事前に確認しましょう。

また、僧侶が遠方から来ているときは御車代会食に欠席したときは御膳料を別途支払います

 

表書き

お布施は白色の無地の封筒に入れて渡します。

表書きには「御布施」と書いて、下に施主の名前を書きましょう。

封筒の裏には金額と住所を書いておきます

 

包み方

封筒にお金を入れるときは、封筒の表側にお札の表がくるように、また、お札の肖像画が封筒の口側にくるように入れます。

開封した際に肖像画の人物が見えるように入っていればOKです

不祝儀袋の包み方とは異なるので注意してください。

 

渡し方

お布施は、袱紗(ふくさ)や風呂敷に包んで持参します。

会食で閉会の挨拶をした後に「本日は心のこもったお勤めをありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と新盆法要のお礼を述べながら渡しましょう。

持参した袱紗や風呂敷に乗せるか自宅であればおぼんに乗せてお渡ししても良いです

 

新盆にお坊さんを呼ばないのはOK?

新盆を家族だけで過ごす場合、お坊さんを呼ばずに済ませる方もいます。

その場合、僧侶の手配や会食の準備案内状やお布施も不要です

故人が亡くなって初めてのお盆なので、基本的にはお坊さんを呼ぶという家庭が多いですが、明確な決まりはないため、家族だけで過ごしても問題ありません。

なお、お坊さんを呼ばないことに抵抗を感じる方もいるので、家族でよく話し合いましょう。

 

新盆にお坊さんを呼ばないときのマナー

新盆にお坊さんを呼ばないことにしたら、各方面にきちんと連絡しておくことが重要です。

もし葬儀に関わった方々に何も連絡せずに家族だけで新盆の話を進めてしまうと、後で思わぬトラブルになることもあります。

今後のお付き合いに影響が出ないよう、お坊さんを呼ばないときのマナーを確認しましょう。

 

菩提寺に連絡する

菩提寺には新盆を家族だけで過ごす旨を連絡しておきましょう

今後また他の法要でお世話になることもあるでしょうから、菩提寺との今後のお付き合いと信頼関係のためにも、きちんと連絡を入れておくとベターです。

 

関係者に僧侶を呼ばないことを伝えておく

関係者には、新盆法要に僧侶を呼ばないことを伝えておきましょう。

読経はしなくても良いですし、お坊さんを呼ばずに自分達で読経するという方法もあります

新盆法要を重視する方の中には、僧侶を呼ばないことに抵抗がある方もいるかもしれません。

お盆の期間中みんなが気持ちよく過ごせるよう、きちんと話し合いましょう

 

家族だけで新盆を行うときの注意事項

続いて、家族だけで新盆を行うと決めたときの注意点をご紹介します。

親族や知人との今後の関係が悪くならないようしっかりと準備することが大切です

事前の連絡はできるだけ早めに、丁寧に伝わるように心がけましょう。

 

参加お断りの案内を忘れない

新盆法要を家族だけで行う場合、参列者には参加お断りの案内をしましょう。

葬儀の参列者は新盆に参加するつもりでいる可能性があるためです

家族のみで行うと伝えておかなければ、相手にも失礼になってしまいます。

また、法要には参加しなくても「お線香だけでも」とお盆の期間に訪問客があることも。

すれ違いを避けるためにも、お参りお断りの連絡をしっかり入れておきましょう。

 

親族・知人が納得してくれない場合がある

新盆法要は、親族や故人の友人にとっても大切なものです。

参加できないと知ってがっかりする人や不満を持つ人がいてもおかしくありません

中には「法要をしないなんて故人に失礼だ」とお叱りを受けるケースもあります。

故人を偲び供養したいという気持ちがあってこそのことなので、今後の関係性のためにも丁寧に事情を説明し、納得してもらわなければなりません。

 

お盆・仏教行事でわからないことはゲートハウスにご相談を

近年では新盆を家族だけで過ごすという方も増えてきています

どんな形式で行うか迷っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、もっとも大切なのは故人を偲び供養したいと思う気持ちです。

各ご家庭にあった無理のない範囲で、心を込めて準備してお盆を迎えられると良いですね。

なお、お盆の過ごし方についてご不明な点がございましたら、家族葬のゲートハウスまでお気軽にご相談ください。

仏教行事についての知識豊富なスタッフが丁寧にご案内いたします。

 

監修者

木村聡太

家族葬のゲートハウススタッフ
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている

・一級葬祭ディレクター

 

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