親が亡くなって初めての正月のお供え物一覧|喪中の三が日の過ごし方も解説
喪中の時に迎える正月は、普段と過ごし方が異なります。
大切な人を偲びながら静かに新年を迎えるためにも、マナーをよく知っておきましょう。
この記事では、親が亡くなって初めての正月の過ごし方や、お供え物の種類などを詳しく解説します。
親が亡くなって初めての正月はお供え物をしてもいい?
新年を迎える際は、しめ縄や門松などのお正月飾りを出すのが一般的ですが、喪中期間の正月には飾っていいのか疑問に感じますよね。
ここでは、親が亡くなって初めての正月に飾るお供え物のマナーを紹介します。
お供え物の基本的な意味
お仏壇に用意するお供え物には「故人やご先祖様への敬愛、供養の気持ち」という大切な意味合いが込められています。
故人やご先祖様とのつながりを大切にするためにも、お供え物は重要な役割を持っているのです。
また、正月におけるお供え物には「新年を迎える準備」という意味もあります。
故人を偲ぶと同時に、残された人が未来に希望を抱き、今を生きていくという気持ちを表すとされるのです。
親が亡くなって初めての正月は、喪中期間のマナーを守りながらも、より丁寧にお供え物を整えるようにしましょう。
普段通りのお供え物「五供」ならOK
親が亡くなって初めての正月は、喪中期間にあたります。
「五供(ごく/ごくう)」と呼ばれる普段通りのお供え物であれば、お仏壇に供えても問題ありません。
内容は、線香(香)、花、灯明(ろうそく)、水、飲食の5つです。
お供え物の基本的なマナーをおさえつつ、故人を思いながら準備しましょう。
特別な正月飾りはNG
親が亡くなって初めての正月に、しめ縄や門松、鏡餅といった正月飾りを用意するのは控えましょう。
これらの正月飾りは、新年を司る年神様(歳神様)を迎えるための飾りで、新年をお祝いするおめでたい意味があります。
故人が亡くなって五十日以降となる忌明け後であれば、飾ってもいいという考え方もありますが、喪に服すという意味でも飾らないほうが無難です。
【関連記事】
喪中の正月の過ごし方にタブーはある?親戚の集まりに参加するのはあり?
親が亡くなって初めての正月に適したお供え物一覧
「五供(ごく/ごくう)」と呼ばれる基本のお供え物は、喪中期間の正月に供えるのに適しています。
ここでは、親が亡くなって初めての正月に供えてもいいお供え物の詳細を解説します。
香
香供養の「香」とは、お線香のことです。
その場や供養する人の心身を清める意味があるほか、お線香の香りを通じて故人やご先祖様と対話できると考えられています。
また、亡くなられた方はお線香の香を召し上がる「香食(こうじき)」という仏教の考えに基づき、仏様のご飯の役割も持つのです。
お供え物の中では一番格が高いため、香炉をお仏壇の中心に置きましょう。
花
花供養の「花」は、仏様への代表的なお供え物の一つです。
葬儀などで贈られる花を「供花(くげ)」と呼び、お仏壇やお墓にお供えする花は「仏花(ぶっか)」と呼びます。
仏様への感謝や敬いの気持ちを表すほか、時間とともに枯れる花の様子を「仏の慈悲」と捉え、慈悲の心を分けてもらうためにお供えすると考えられています。
また、お線香と同様に、花の香りも楽しんでいただけるように飾るという役割もあるのです。
毒を持つ花や棘のある花など、供えるのに適さない花もあるので、仏花に選ぶ際はよく確認しましょう。
灯明
灯明(とうみょう)とは、ろうそくの火を用いる供養のことです。
仏教の教えでは、人間の心の闇を優しく照らして導くことから、ろうそくの火は仏様の智慧(ちえ)と慈悲の象徴と考えられています。
あの世とこの世の架け橋という意味もあるため、とても重要な役目を持つお供え物なのです。
白色のろうそくが一般的ですが、近年では花の絵が描かれた華やかなものや、火を使わないLEDのものまで、豊富な種類が販売されています。
水
故人やご先祖様の喉の渇きを潤すために、水やお茶をお供えします。
水は供養する人の心を清らかにするという意味があり、お茶の湯気は仏様が召し上がると考えられています。
できるだけ両方を用意し、毎朝中身を差し替えて、常に清潔な水やお茶をお供えしましょう。
また、浄土真宗の場合は考え方が異なるため、水やお茶はお供えしないのが基本となっています。
飲食
飲食(おんじき)供養とは、仏様の空腹を満たすためにお供えする白米のことです。
自分たちが食べ物に困らず生活できていることへの感謝を仏様に伝えると同時に、お供えすることで仏様とつながれると考えられています。
仏様はご飯の湯気を召し上がるとされているので、炊き立ての白米をお供えし、冷めて湯気が出なくなったら下げて、家族でお下がりをいただくのが基本です。
白米以外の料理をお供えしても問題ありませんが、その際は殺生を意味する肉や魚は避け、五辛(ごしん)と呼ばれる香りの強いものも避けましょう。
親が亡くなって初めての正月にやってはいけないこと
喪中期間に迎える正月では、新年のお祝いムードは控え、静かに過ごすのがマナーとされています。
ここでは、親が亡くなって初めての正月にやってはいけないことを解説します。
正月飾りや鏡餅で飾り付ける
門松やしめ縄などの正月飾りや鏡餅は、年神様(歳神様)をお迎えするための目印という意味があります。
旧年の無事を感謝するという意味合いも含まれているため、喪中期間には飾り付けるのを避けるのがマナーです。
お祝い事を控えるという意味でも、親が亡くなって初めての正月に正月飾りや鏡餅を飾るのはやめましょう。
新年の挨拶をする
親が亡くなって初めての正月を迎える際は「明けましておめでとうございます」といった新年の挨拶は控えましょう。
喪中期間はお祝い事をつつしむのがマナーなので、新年を祝う言葉はNGとされているのです。
喪中であることを知らない人から新年の挨拶をされても「昨年はお世話になりました」「今年もよろしくお願いします」などと、お祝いの意味を含まないようにする必要があります。
【関連記事】
喪中にあけましておめでとうは言わない?言われたらどう返す?代わりの挨拶も紹介
喪中の人に「良いお年を」と言って良い?年末の挨拶マナーや過ごし方を解説
喪中の新年の挨拶LINE|例文付きで友人や仕事相手など相手別に紹介
年賀状を送る
年賀状は、新年のお祝いや日頃の感謝を伝えるという意味が込められた日本の文化です。
喪中期間は年賀状を送るのは控え、代わりに喪中はがきを出して、新年の挨拶を控えることを相手に知らせます。
ただし、仕事関係者など、プライベートで関わりのない人には通常通り年賀状を送るケースも増えてきているので、家族で相談して決めるといいでしょう。
おせち料理を食べる
おせち料理は「祝い膳」の意味を持ち、鯛や海老、紅白かまぼこなど、お祝い事を連想させる食べ物が多く使われています。
親が亡くなって初めての正月は、喪に服すという意味でも、おせち料理を食べるのは避けましょう。
ただし、浄土真宗やキリスト教などにおいては、忌中・喪中の概念がないため、おせち料理を食べても問題ありません。
【関連記事】
喪中のおせち料理はNG?代わりのお正月料理や買ってしまったときの注意点を解説
親が亡くなって初めての正月にやってもいいこと
喪中期間の正月は控えなければならないことが多いですが、普段通りに過ごしていいことも存在するのです。
ここでは、親が亡くなって初めての正月にやってもいいことを紹介します。
お年玉を渡す
お年玉には新年を祝うという意味合いが含まれますが、表書きを変えれば、喪中期間にお年玉を渡しても問題ありません。
「お年玉」という言葉は使わずに「おこづかい」「ほんの気持ち」という言葉を用いるようにしましょう。
また「あけましておめでとう」「謹賀新年」などといった、新年を祝う言葉が書いてあるポチ袋は避け、柄も華美ではないものを選ぶのを心がけてください。
神社仏閣へ初詣に行く
喪中期間であっても、初詣に行くのは問題ないとされています。
なぜなら初詣には、新年が良い年になるように願掛けをするという意味合いがあり、新年を祝う行事ではないからです。
ただし、神道の「穢れ」の概念に基づき、神社への参拝は、亡くなられてから四十九日までにあたる忌中の間は控えなければなりません。
なお、仏教には「穢れ」の概念がないため、お寺には忌中でも初詣に行くことができます。
親戚や身内の集まりに参加する
親が亡くなって初めての正月に、親戚や身内で集まるのは問題ありません。
その際には、新年を祝うためではなく、故人を偲ぶ目的として参加するようにしましょう。
集まりの間も喪中であることを意識し、騒ぎすぎないようにするなど注意してください。
また、亡くなられたのが配偶者の親の場合は、相手の親族の考えに沿って決めましょう。
お雑煮を食べる
正月の代表的な料理であるお雑煮には、新年の豊作や家内安全を祈るという意味が込められています。
新年を祝う意味合いは含まれていないため、喪中期間の正月に食べても問題ありません。
ただし、花の形に飾り切りされた人参や、紅白かまぼこなど、お祝い事を連想させる具材は使わないようにしましょう。
また、年越しそばも、長寿と健康を願う食べ物なので、喪中に食べても大丈夫です。
親が亡くなって初めての正月に関するよくある質問
最後に、親が亡くなって初めての正月を過ごすうえで、疑問に感じがちな項目をまとめました。
ぜひ目を通して、喪中期間における正月のマナーを守り、つつしみながら静かに新年を迎えましょう。
喪中でも仏壇に鏡餅を飾ってもいいですか?
鏡餅には、新年を司る年神様(歳神様)をお迎えする正月飾りの一つで、新年を祝う意味合いが含まれています。
喪中期間はお祝い事を避けるのがマナーとされているので、お仏壇に鏡餅を飾るのは好ましくありません。
親が亡くなった年の正月飾りはどうしますか?
親が亡くなって初めての正月には、門松やしめ縄、鏡餅などの正月飾りを飾るのは避けましょう。
忌明け後であれば問題ないという考え方もありますが、一周忌法要が行われるまでの喪中期間は、お祝い事を避けて心静かに過ごすのが一般的です。
喪中でも初詣に行っていいですか?
初詣はお祝いの意味を含んでいないため、喪中期間に参拝しても問題ありません。
ただし、神社が属する神道の考え方により、亡くなられてから四十九日までにあたる忌中の間は、神社の鳥居をくぐれません。
仏教に属するお寺は、忌中であっても初詣に行って大丈夫です。
喪中にお年玉を渡しても大丈夫でしょうか?
本来、お年玉には新年を祝う意味が含まれていますが、表書きを変えれば、喪中にお年玉を渡しても問題ありません。
「おこづかい」などの表書きにし、ポチ袋は、新年を祝う言葉がプリントされていないものを選びましょう。
親が亡くなって初めての正月のお供え物は限られる。故人をしのんで喪に服そう
親が亡くなって初めての正月は、普段の正月と比べて、過ごし方が大きく異なります。
お供え物も限られているため、喪中期間における正月のマナーをしっかり守り、故人を偲ぶ気持ちを大事にしましょう。
やってはいけないこと、普段通りに過ごしていいことをよく理解し、つつしみながら新年を迎えてください。
葬儀に関するお悩みがあれば「家族葬のゲートハウス」へ
家族葬のゲートハウスは、和歌山市の家族葬施工件数No.1の葬儀社です。
経験豊富なスタッフが、丁寧に対応いたしますので葬儀に関することはどんなことでもお任せください。
監修者