葬儀のメイクマナー!お葬式でする片化粧の仕方とは?
お葬式に参列するとき、女性はどんなお化粧をしていけば良いのでしょうか?
「いつものメイクではマナー違反?」
「ナチュラルメイクならいい?」
「片化粧って何?」
と疑問に思っている方も多いでしょう。
今回は、葬儀に参列する際のメイクのマナーと注意点をわかりやすく解説します。
葬儀における基本的なメイクマナー
まず、お葬式メイクの基本的なマナーをご紹介します。
葬儀の主役は亡くなった方であり、その故人を見送りお別れをするのがお葬式です。
参列者の化粧は身だしなみの一部ですが、故人を偲び冥福を祈る気持ちを表すことが大切でしょう。
葬儀にすっぴんはNG
お葬式に派手な化粧はNGですが、すっぴんで参列するのもよくありません。
大人の女性がノーメイクで葬儀に来ると「常識がない」「だらしない」「身だしなみに気を使っていない」とネガティブな印象を与える恐れがあります。
急な訃報に驚き、悲しみに暮れていたからといって、すっぴんで駆けつけるのはNG。
お葬式はあくまでフォーマルな場なので、正装で参列するのがマナーです。
近親者のみの少人数で行う家族葬であっても、ノーメイクはマナー違反となります。
高校生以下の学生はすっぴんでOK
大人の女性がノーメイクで参列するのはNGですが、高校生以下の学生はすっぴんでOKです。
学生は制服でお葬式に参列することも多く、学校と同じようにすっぴんでも正装とみなされます。
校則がメイクOKで普段は化粧をしているという方も、お葬式では「おしゃれをしてきている」と思われないようノーメイクのほうが無難かもしれません。
化粧をする場合は大人と同じような葬儀メイクを心がけましょう。
ただし、大学生以上になると大人とみなされるので、喪服に合わせた片化粧がおすすめです。
“片化粧”を意識する
片化粧(かたげしょう)とは、お葬式や法要で女性がするメイクのことです。
喪服に合わせた最低限のメイクで、口紅は使用しないのが一般的。
薄化粧にも似た意味ですが、ナチュラルメイクとは少しニュアンスが違います。
ナチュラルメイクはコンシーラーやコントゥアリングを駆使して「手が込んでいるけど自然に見えるメイク」です。
しかし片化粧は「メイクの工程を最低限にする」「化粧そのものを薄く控えめにする」ものなのです。
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葬儀のベースメイクに関するマナー
ツヤを抑えて薄づきにする
お葬式のときのベースメイクは、ツヤを抑えて薄づきにするのがポイントです。
明るすぎないベージュ系で、パウダータイプのファンデーションがおすすめ。
リキッドファンデーションはツヤが出やすいので、上からフェイスパウダーで抑えると良いでしょう。
ツヤの出るクッションファンデやラメが入ったパウダーは、お葬式の場では華美な印象なのでNG。
気になる部分はコンシーラーで隠すなどして厚塗り感が出ないように心がけます。
ハイライトやチークは控える
葬儀に参列する際、顔に立体感とツヤを与えるハイライトは控えましょう。
同じように血色感をプラスするチークもお葬式メイクではしないのがマナー。
どちらも顔を健康的に見せるので、故人を偲び悲しむ場にはふさわしくありません。
ただし、あまりにも顔がくすんで見えるときは、ベージュ・ブラウン系のチークをしてもいいでしょう。
やつれた印象で他の人を心配させてしまうことから、健康的に見せるのは周りへの配慮にもなります。
葬儀でのアイメイク・眉メイクのマナー
アイライン・マスカラ
片化粧では、アイライン・マスカラは使用しないのが一般的。
目を大きく見せるためのメイクは、お葬式の場にはそぐわないからです。
ただし、ノーメイクに見られないか心配な場合は使用してもいいとされています。
アイラインはまつ毛の隙間を埋める程度で目尻側を伸ばしすぎないこと、マスカラは一度塗りで束感や長さが出過ぎないように意識するといいでしょう。
どちらも自然なブラック・ブラウン系で、涙に強いウォータープルーフがおすすめです。
アイシャドウ
アイシャドウはベージュ・ブラウン系を薄く塗るか、片化粧では使用しなくても問題ありません。
ほとんど色味を感じさせないもので、軽く陰影をつける程度に塗布します。
華美な印象を与えるため、カラーアイシャドウやラメ・パール入りのものは避けましょう。
涙袋をぷっくり見せるアイテムや垂れ目に見せるようなシャドウの塗り方もNGです。
特に下瞼のアイシャドウは涙で崩れやすいので、ウォータープルーフか塗らないのがベター。
つけまつげ・カラコン
つけまつげやカラーコンタクトなど、目を大きく見せるものは基本的にはNGです。
色づきのコンタクトや派手なつけまつげはマナー違反なので注意しましょう。
ただし、度ありのコンタクトレンズに縁が付いているものは派手でなければOK。
また、まつ毛エクステなど急に外せないものも、華美でなければそのままで大丈夫です。
マスカラの重ね塗りをしないなど、できるだけ地味に見えるよう心がけましょう。
まつ毛パーマをかけている人も、マスカラなしなら自然に見えるのでご安心ください。
眉メイク
眉毛は自然な形に切り揃え、ブラウン系のパウダー等で形を整えます。
太すぎる・細すぎる眉毛メイクは、片化粧とのバランスが悪いのであくまで自然に。
リキッドアイブロウやペンシルは、眉の輪郭をハッキリ描くものなので化粧っぽさが出てしまいます。
ブラシで毛流れを整えパウダーでふんわり仕上げるのがちょうど良いです。
また、髪色に合わせてダークブラウンの眉マスカラを塗ってもOK。
ダマっぽくなると派手に見えるので、毛流れに沿って薄く塗ることを意識しましょう。
お葬式では口紅をつけるべき?
お葬式での片化粧では、口紅はつけないのが一般的です。
これには「悲しくて紅を引くこともできませんでした」という意味があるといいます。
そのため、現在も口紅は絶対につけてはいけないと考える地域もあります。
しかし、近年は「薄づきのものなら塗っても良い」と判断される場合も。
口元に色がないと不健康そうに見えて、周りに心配をかけそうであればつけてもいいでしょう。
もしリップメイクをする場合は、赤・ピンク・オレンジなど派手な色は避け、ベージュ系の口紅をごく薄づきで塗るようにしましょう。
ツヤがあったりラメ入りだったりするグロスや、濃く色づくリップは葬儀の場にはふさわしくありません。
葬儀における身だしなみのマナー
続いて、葬儀における身だしなみのマナーについてご紹介します。
メイク以外にも、髪型や服装、持ち物にもそれぞれマナーがあります。
きちんとした格好で参列することは、故人への敬意を表すことにもつながりますよ。
髪型
葬儀での髪型は耳より下の位置で、きちんとまとめるのが基本です。
一つ結びやお団子で清潔感のある髪型にしましょう。
ヘアゴムやシュシュは黒色のシンプルなものを選び、光り物を使用するのはNGです。
金髪や派手髪など明るいカラーにしている人は、染め直すかスプレー等で一時的に黒くするのが無難。
ダークブラウンくらいであれば参列に支障はないとされるケースも多いです。
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服装
葬儀の服装は、立場によって装いが変わります。
- 正喪服:喪主や親族などが着る最も格式高い服装
- 準喪服:一般参列者が着用する服装
- 略式礼服:急な弔問やお通夜で着る控えめな服装
ストッキングは黒色を着用するのが基本ですが、お通夜では「突然のことで急いで駆けつけて参りました」という意味で肌色を着用する方もいます。
ミニスカートや胸元が開いた服、フリルのついたブラウス等は葬儀の場にふさわしくありません。
また、皮や毛皮も殺生をイメージさせるため避けたほうが良いとされています。
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ネイル
爪は短く切り揃え、マニキュア等は塗らないのがマナーです。
長く伸びたネイルや派手なカラー、立体的なアートは葬儀の場では品がないためNG。
ただ、ジェルネイルなど自分で外せない場合は黒っぽいレースの手袋で隠すこともできます。
普段からネイルをする人は事前に用意しておくといいでしょう。
また、ジェルネイルの上から塗るナチュラルカラーのマニキュアもあります。
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アクセサリー
和装の場合、結婚指輪以外はつけないほうがいいと考えられています。
洋装で参列する場合に身につけて良いアクセサリーはこちらです。
- 結婚指輪
- パールのネックレス
- モーニングジュエリー
それ以外のピアス・イヤリング、指輪、ブレスレット等は余計な装飾とされるため外しましょう。
結婚指輪であってもゴールドや宝石のついたものは、派手な装飾とみなされることがあります。
光沢のないプラチナ・シルバー系の結婚指輪ならつけていても問題ありません。
また、真珠(パール)のネックレスは一連のものを選ぶのがマナーです。
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靴・バッグ
ハンドバッグやセレモニーバッグに荷物を入れ、必要に応じて黒無地のサブバッグも用意します。
鞄は光沢やラメのないもの、金具や装飾が目立たないもの、動物の皮を使用していないものが一般的。
ショルダーバッグも品のない印象になるので控えたほうがベターです。
靴は黒無地のパンプスで、つま先がラウンド型のものが重宝します。
葬儀のときは片化粧が基本。特別な事情がない限りノーメイクはNGなのでご注意を
葬儀のときは薄く最低限のメイクをする「片化粧」がマナーとされています。
すっぴんや普段のメイクで参列するのはNGなので注意しましょう。
お葬式では自分が美しく見えることよりも、マナーを守り故人への敬意を表すことが重要なのです。
今回ご紹介した葬儀の際のメイクマナーを知っていれば、急な訃報にも焦らずに対応できるでしょう。
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