火葬場とは?斎場・葬儀場との違いや仕組み・予約の流れを解説
火葬場とは、故人のご遺体を火葬する公的・民間の施設です。
火葬場は「斎場」「葬祭場」「葬儀場」と混同されやすいものの、役割が異なります。
本記事ではその違いから、火葬の仕組み、費用まで、分かりやすく解説します。
火葬場とは?基本的な役割と仕組み
火葬場の目的は、ご遺族や参列者が故人に対して尊厳をもって最後のお見送りをし、遺骨として納めることです。
葬儀社との連携や地域の状況によって設備・サービス内容も変わりますので、火葬場の仕組みについて知っておくと損はありません。
火葬場の施設概要
火葬場には、遺体を火葬するための「火葬炉」が複数設置されています。
都市部の大規模な火葬場では、1日に数十件の火葬を行えるようになっており、煙や臭気を最小限に抑える構造で、環境基準に配慮した最新式の台車式火葬炉を導入している施設も多いです。
一般的な火葬炉では、温度は800〜1200℃前後で管理され、所要時間も1時間~1時間半程度です。
施設内には、遺族が控えるための待合室や、骨上げを行う収骨室があり、祭壇を設けた葬儀ができる斎場(葬祭場)を併設している場合もあります。
火葬許可証とは
ご遺体を火葬するには、死亡届の提出後に市区町村から発行される「火葬許可証」が必要です。
この書類がなければ、火葬場での手続きができません。
通常は葬儀社が代行して役所への申請をし、火葬当日に火葬場の受付で提示します。
また、火葬許可証は、火葬後には「埋葬許可証」として返却されます。
この埋葬許可証が無ければ、墓地などに納骨することができません。
火葬場と斎場・葬儀場との違い
火葬場と似た名称の施設として「斎場」「葬儀式場」「葬祭場」などがあります。
これらは施設によって設備が異なるため、葬儀の準備で混乱しやすい部分です。
それぞれの違いを整理し、火葬場の位置づけを明確にしていきます。
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斎場・葬祭場との違い
火葬場はご遺体を火葬するための施設です。
一方で、斎場・葬祭場は通夜・告別式などの儀式を行う場所を指しますが、火葬場併設の葬儀場も「〇〇斎場」と名前が付けられていることもあります。
葬儀のみを行う施設は「〇〇斎場」「〇〇ホール」「〇〇セレモニー」「〇〇会館」などと名前がついています。
斎場(葬儀場)でお別れの儀式をし、その後に火葬場へ移動して火葬を行うという流れが一般的ですが、近年では、火葬場併設の斎場も増えており、告別式から火葬までを一か所で行える一貫型の施設も人気です。
公営火葬場と民営火葬場の特徴
火葬場には、公営火葬場と民営火葬場があります。
以下で、それぞれのメリット・デメリットをみてみましょう。
| 施設 | 公営火葬場(公営斎場) | 民営火葬場(民営斎場) |
| 特徴 | 自治体が運営 | 葬儀社や宗教法人が運営 |
| 長所 | ・住民であれば安価に利用できる | ・比較的予約が取りやすい ・会食や控室などの設備が新しく、充実している |
| 短所 | ・都心などでは予約が取りづらい ・民営に比べると施設の設備が質素なことも |
・公営に比べると費用が高め |
公営火葬場・公営斎場は地域に1つと決められていることも多く、価格が民営に比べるとリーズナブルに設定されているため、繁忙期には予約が取りづらいこともあります。
費用よりもスムーズさや移動の負担軽減を重視する場合は、民営を選択する人も増えていますが、地域によっては民営の火葬場が無く、火葬場の選択肢が無いこともあるので注意しましょう。
火葬場併設の斎場とは
近年増えているのが、葬儀式場と火葬施設が同じ建物内にある「火葬場併設の斎場」です。
葬儀・告別式・火葬を同じ場所で行えるため、移動の負担が少なく、特に高齢の参列者が多い家族葬などに適しています。
火葬場の費用相場
火葬場の料金は地域と運営形態により大きく変わります。
ここでは火葬料金の相場と、火葬式・直葬のメリットや注意点を解説します。
火葬料金の目安
| 種類 | 費用目安 |
| 公営火葬場(管轄区域内・市民) | 無料~5万円程度 |
| 公営火葬場(管轄区域外・市外) | 3~10万円程度 |
| 民営火葬場 | 5~10万円以上 |
公営の火葬場は、市内の住民票を持つ方が火葬を行う場合は安く利用できることが多いですが、他市の住民は料金が数倍になる場合もあるので注意しましょう。
また、民営施設は料金が高めですが、待ち時間が短く、設備やサービスが充実している特徴があります。
葬儀費用との関係
火葬料金は単独で支払う場合もありますが、葬儀プランの中に火葬場利用料が含まれている場合もあります。
たとえば「火葬式プラン」では、火葬料・搬送・手続き代行などが一括でセット料金になっていることが一般的です。
ただし、民営火葬場を利用した場合や、市外料金で公営火葬場を利用した場合などは追加料金を支払わなければいけない可能性が高いので注意しましょう。
公営火葬場を利用するメリット
公営火葬場を利用するメリットは、費用の安さと信頼性です。
地域住民であれば格安または無料で利用でき、自治体運営のため管理も徹底されています。
ただし、死亡者数が多い冬季期間や、お盆や年末年始の休業日明けは混雑し、数日先まで予約が埋まることもあるため、都心などでは早めの手配が大切です。
火葬場の利用方法と予約の流れ
火葬場の予約や手続きは、一般的に葬儀社が代行して行います。
遺族が直接申し込むケースはまれですが、仕組みを知っておくと安心です。
葬儀社が手配するのが一般的
火葬場の予約は、葬儀社が火葬場の空き状況を確認し、予約・申請手続きまで一括で代行するのが一般的です。
しかし、火葬のみのプランでは事務手続き等は自分で行わなければならない場合もあります。
葬儀日程を決める際には、火葬場の空き状況が最優先になり、混雑時は葬儀日が調整されることもあるので注意しましょう。
特に都市部では火葬場の数が限られているため、人気の公営斎場はすぐに予約が埋まる傾向があります。
自分で申し込む場合(公営)
葬儀社を通さずに火葬のみを行う「直葬」などの場合、遺族が直接申し込むことも可能です。
自分で予約する場合は、市区町村役場の「斎場管理課」や「環境衛生課」などに火葬許可証を持参して予約をしましょう。
混雑を避けるための工夫
火葬場は「友引」や「年末年始」「お盆」などの休業日があり、その前後が混み合う場合が多いです。
また、地域によって告別式の前に火葬をするか、後に火葬をするかという点で異なる風習があり、込み合う時間帯が違うので注意しましょう。
場合によっては、その地域での一般的な火葬の時間帯を避けた行程にすることで、予約が取りやすくなる可能性もあります。
火葬場を選ぶ際のポイント
火葬場の選択肢が複数ある場合は、選ぶ火葬場によって費用だけでなく、混雑や移動距離、所要時間なども変わります。
ここでは火葬場を選ぶ際に気を付けたいポイントを解説します。
立地・アクセスの利便性
葬儀に参列する遺族に高齢者が多い場合などは特に、参列者が移動しやすい場所を選ぶことが大切です。
その際、葬儀式場からの距離や、公共交通機関のアクセス、駐車場の有無を確認しましょう。
場合によっては、火葬場併設の斎場を選ぶと移動時間の短縮にもなるので、参列者の負担軽減につながることがあります。
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施設の清潔さと設備
火葬場を予約する際、待合室・控室・売店・会食室などがどの程度の設備なのか、想定している人数が収容できるのかも確認しましょう。
清潔感や雰囲気も大切ですが、車いすを利用している方や、高齢者が多い場合はバリアフリー対応がされているかも重要なポイントです。
葬儀社のプラン内容を比較
同じ火葬場を利用しても、葬儀社によってプラン料金が異なります。
特に直葬や火葬式を検討している場合は、必要な項目(搬送・安置・火葬料)がすべて含まれているか、金額の違いがある場合は何が違うのか事前に比較しておくことをおすすめします。
火葬場の基本を知って安心の葬儀準備を
火葬場は、葬儀の最後に故人を送り出す大切な施設です。
火葬場の種類や費用、予約状況は葬儀の流れそのものを左右するため、事前に知識を持っておくことは大きな安心につながります。
火葬場と斎場・葬儀場との違いを理解し、それぞれの特徴を知っておくことで、葬儀の準備がスムーズになります。
不安を感じる場合は、事前に葬儀社へ相談しておくとよいでしょう。
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監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。







