喪中の人に「良いお年を」と言って良い?年末の挨拶マナーや過ごし方を解説
「喪中の人に新年の挨拶をしてはいけない」というイメージをお持ちの方は多いことでしょう。
では、年末に「良いお年を」と伝えるのはマナー違反なのでしょうか?
この記事では喪中の人への年末の挨拶や、年始にはがき・メール・LINEが届いた時の正しい対応方法などを解説します。
喪中の人に「良いお年を」と挨拶しても良い?
年末に仲の良い友人と集まる時、喪中の人がいるかもしれません。
そんな時、気軽に「良いお年を」と声をかけて良いか迷うものです。
まずは「良いお年を」がマナー違反になるのかについて確認しましょう。
お祝いの言葉ではないため失礼にならない
結論から言うと、相手が喪中であっても「良いお年を」と伝えられます。
「良いお年を」は「良い一年を迎えられますように」という願いが込められた言葉であり、お祝いの意味は込められていないため、マナー違反や失礼には当たりません。
年末の別れ際、友人には「良いお年を」、先輩や目上の方には少し丁寧に「良いお年をお過ごしください」と伝えると良いでしょう。
失礼と思う人には配慮する
「良いお年を」という言葉を使用することは問題ありませんが、相手によっては快く思わない可能性があります。
特に、身近な人が亡くなったばかりの場合だとまだ深い悲しみの中におり、前向きに捉えられない可能性が高いです。
その場合は「来年もよろしくお願いいたします」と伝えるか、または「今年も一年間お世話になりました」と感謝の気持ちを伝えるのがおすすめです。
喪中の人への新年の挨拶は控える
基本的に、喪中期間の人へは新年の挨拶を控えるのがマナーです。
年賀状を送ること自体はマナー違反ではありませんが、相手に気を遣わせてしまう可能性があるため、よほどの理由がない場合は控えたほうが良いでしょう。
喪中の人に新年の挨拶をする場合は「おめでとうございます」などお祝いの言葉は使わず、「本年もよろしくお願いいたします」とだけ伝えるのが望ましいです。
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喪中の人からはがき・メール・LINEが届いたらどうする?
年末年始と喪中が重なることがわかっている場合、「喪中はがき」を送るのが一般的です。
これは、喪に服しているため新年の挨拶を控えることを知らせるもの。
具体的には年始の挨拶を控える旨、いつ誰が亡くなったのかなどを記載します。
喪中であることは、はがきで知らせるのがマナーですが、相手との関係や故人が亡くなったタイミングによってはメールやLINEで知らせることもあるため、それぞれの対応方法を確認しましょう。
喪中はがきが届いた場合
一般的に、喪中はがきは11月〜12月初旬の間に送られてきます。
喪中はがきが届いた場合、相手は喪に服しているため、新年のお祝いの挨拶として年賀状を送ることは控えましょう。
喪中であることを知っているのにも関わらず年賀状で挨拶をすることは、遺族にとって大変失礼なことです。
励ましやお悔やみを伝えたい場合は年賀状ではなく、以下の方法で伝えましょう。
寒中見舞いで返す
「寒中見舞い」とは厳しい寒さを感じる季節に、相手を気遣って送る挨拶状のこと。
暑中見舞いと同じように季節の挨拶としても使われますが、喪中の方への挨拶としても一般的に使用されています。
寒中見舞いでは相手の体調を気遣う言葉に加え、喪中はがきを受け取ったために年賀状を控えた旨を記すのがおすすめです。
また、松の内である1月7日から立春である2月3日前後に届くように送り、過ぎてしまった場合は「余寒見舞い」を2月末までに送りましょう。
喪中見舞いで返す
「喪中見舞い」は、喪中の相手に励ましやお悔やみを伝える比較的新しい風習です。
まだあまり一般的ではありませんが、近親者のみで執り行う家族葬の増加に伴い、近年は喪中見舞いを送るケースが増えつつあります。
喪中見舞いを送る時期には明確な決まりがないため、喪中はがきを受け取ったらなるべく早い時期、可能であれば年内にお悔やみの言葉を送りましょう。
はがきだけでも気持ちは伝わりますが、香典や供物も一緒に送ると、故人を思う気持ちがより伝わりやすいです。
年始状で返す
「年始状」とは、お祝いの言葉である賀詞を使わない挨拶状のことです。
具体的には「謹賀新年」「あけましておめでとうございます」といったおめでたい言葉が使われていないため、喪中でも送ることができます。
こちらも比較的新しい風習で、東日本大震災がきっかけで生まれました。
年始状は年賀はがきではなく一般的なはがきを使うため、年始に届けたい場合は必ず年末に投函しましょう。
メール・LINEが届いた場合
近年は手紙やはがきよりも、メールやLINEなどを用いたコミュニケーションが一般的になりつつあります。
そのため、喪中をメールやLINEで知らせるケースも増えています。
特に、年始の挨拶を年賀状ではなくメール・LINEで行っていた場合や、相手と親しい関係にある場合は、喪中の連絡もメールやLINEで受ける可能性が高いでしょう。
この場合はメールやLINEで返信してもかまいませんが、以下の2点には気をつけてください。
届いたら早めに返信する
喪中の連絡をメール・LINEで受けたら、なるべく早く返信するのがマナーです。
特にLINEの場合、既読をつけたまま放置しておくと相手を不安にさせるかもしれません。
寒中見舞いは送るタイミングに決まりがありますが、メール・LINEは特に決まりがないため、読んだことを知らせるためにも、できるだけ早めに連絡しましょう。
「返信不要」の記載があっても必ず返信する
喪中の連絡には、相手を気遣って「返信不要」と記載されていることがあります。
しかし、この場合も必ず返信をしましょう。
「返信不要」は「返信しないでください」という意味ではなく、「返信しなくてもかまいません」という意味です。
喪中メールを受け取ったら、なるべく丁寧な言葉でお悔やみを伝えましょう。
また、連絡してくれたことへのお礼や、相手の体調を気遣う言葉を伝えるのもおすすめです。
喪中の人との年末年始でOK・NGな過ごし方は?
年末年始を喪中期間の友人と過ごす場合、相手に不快な思いをさせないように行動には配慮したいものです。
そこで続いては年末年始に行われることが多い行事の中で、喪中の人と行えるもの・控えたほうが良いものをそれぞれ解説します。
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【OK】神社への初詣
喪中の期間でも忌中が終わっており、周囲の人が初詣に行くことを不快に感じなければ、神社への参拝は問題ないとされています。
忌中は仏教の場合は49日、神道の場合は50日と少し期間が異なるため、どちらに当たるのか必ず確認しましょう。
また、神道では「死は穢れ」として忌み嫌われるため神社への参拝は避けたほうが無難ですが、お寺であれば忌中の参拝も問題ないとされています。
【OK】大掃除する
大掃除はお祝い事にはあたらないため、喪中の期間に行っても全く問題はありません。
一年の汚れを綺麗にしたり、普段行き届かないところまで掃除をしたりすることは、心の整理にもつながる大切なことです。
精神的に負担を感じない範囲で積極的に行えば、清々しい気持ちで新年を迎えられるでしょう。
【OK】除夜の鐘を鳴らしに行く
除夜の鐘を鳴らしに行くこともお祝い事にはあたらないため、喪中に行っても問題ありません。
除夜の鐘には人間の欲求である「煩悩」を払う意味があり、清らかな心で新年を迎えられるようにとの願いが込められています。
ただお祝い事ではないものの、家族や親族など周りの人が不快に思う場合は控えたほうが良いでしょう。
【OK】親戚や友人と集まる
喪中であっても、親戚や友人と集まること自体は問題ありません。
しかし喪中の間は慎ましく過ごすことが望ましいとされているため、新年をお祝いしたり賑やかに過ごしたりするのは、できるだけ控えましょう。
また、「あけましておめでとうございます」など賀詞を使う挨拶も控えるのがマナーです。
年末の場合は「一年間お世話になりました」、年始の場合は「本年もよろしくお願いいたします」と挨拶すると良いでしょう。
【OK】年越しそばを食べる
喪中はおめでたい意味が込められた縁起物の料理や食材は控えるのがマナーです。
そばには「延命」「長寿」などの意味が込められていますが、お祝いには当たらないため、年越しそばは食べても問題ありません。
また、そばは切れやすいことから「厄や苦労を切り捨てる」という意味や、年越しそばには「健康で長生きできるように」という願いも込められています。
【OK】お雑煮を食べる
お正月に食べるイメージの強いお雑煮ですが、喪中の期間に口にしても問題はありません。
かつてお雑煮はハレの日に食べるものでしたが、近年は日常的に食べる機会も増えています。
そのため喪中の場合はお祝いの料理ではなく、一般的な料理として食べる分にはOKです。
紅白食材などの縁起物や海老などの豪華な食材を使用することは避け、大根や里芋などの野菜が中心のお雑煮を選びましょう。
【NG】おせちを食べる
おせちは近年、新年をお祝いするために食べる料理とされています。
鯛や昆布、紅白なますなど、おめでたい席にふさわしい料理・食材がたくさん詰まっているため、喪中期間に食べるのは控えましょう。
すでに用意している場合は縁起物ではない伊達巻や栗きんとんなどを食べる、自分で用意する場合は縁起物を避けるなどの工夫が必要です。
また、喪中でも食べられる「ふせち料理」を用意するのも良いでしょう。
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喪中の人にも「良いお年を」と挨拶してOK。ただし気にする人もいるため配慮が必要
「良いお年を」は、喪中の人に対しても使える年末の挨拶の一つです。
ただ、タイミングや人によっては不快に感じることもあります。
もし心配な場合は「本年も大変お世話になりました」と、一年間お世話になったことへのお礼を伝えると良いでしょう。
また、年末年始を喪中期間の人と過ごす可能性がある場合は、喪中はがきへの返信方法や初詣・口にするものなどへの配慮が必要です。
お互いに気持ちよく新年を迎えられるよう、マナーをしっかりと心得ておきましょう。
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