親の葬儀の香典は包む?相場や書き方は?実の親の家族葬でも必要か解説

葬儀には香典を包んで参列するのがマナーですが、親の葬儀でも準備するべきなのか悩む方も少なくありません。
はじめてのことで、香典の書き方やマナーなどに戸惑うこともあるでしょう。
この記事では、親の葬儀で香典を包むべきか、また相場や香典袋の書き方などについても解説します。
親の葬儀の香典は喪主以外なら出す?
親の葬儀で喪主を務めない場合、香典を出す必要があるケースもあります。
たとえば母親が亡くなり、父親が喪主を務めるとき、子どもである自分が世帯を別に構えている場合は香典が必要です。
兄弟姉妹がいて長男や長女が喪主を務め、自分が次男や次女で葬儀にかかる費用を負担しない場合も香典を包みましょう。
しかし、以下のケースであれば香典を包む必要はありません。
ここでは、親の葬儀の香典を出さなくて良い例について解説します。
喪主・施主なら出さない
親の葬儀で自分が喪主・施主を務める場合は、香典を包む必要はありません。
喪主は葬儀全般を執り行う責任者で、施主は葬儀費用を払う立場の人です。
そもそも香典は、参列者が故人の霊前に供えるものですが、喪家に対して通夜や葬儀にかかる費用の一部に充ててほしいという意味合いもあります。
喪主や施主は葬儀にかかる責任や費用を負担しているので、自分が主宰する葬儀に香典を出す必要はありません。
失業中・未成年なら出さない
親の葬儀でも基本的には香典を用意しますが、経済的な理由で難しい場合には無理に香典を包む必要はありません。
失業中や未成年など、自分が収入を得ていない場合は香典を包まなくても良いでしょう。
また、故人の扶養に入っていて、独立していないのであれば、準備できなくても構いません。
気になる場合は家族や親族に相談したり、別の方法で弔意を表す方法がないか考えたりしてみましょう。
逝去した親と同じ世帯なら出さない
逝去した親と同じ世帯だった場合も、香典は必要ありません。
香典は、1世帯につき1つ包むのが原則です。
たとえば世帯主の父親が亡くなった場合、その配偶者である母親が新たな世帯主となります。
子どもである自分は母親の扶養家族になるうえ、この場合は母親が喪主や施主を務めることも多いため、香典を出す必要がないのです。
しかし、同じ世帯でも社会人として収入を得ている場合は、香典を包むようにしましょう。
【関連記事】
会社の人の親が亡くなった場合の香典相場は?書き方や参列しないときの対応も
親の葬儀の香典で出す金額の相場はいくら?
親の葬儀では、基本的に成人している子どもは香典を出します。
独身であれば故人の名前で、結婚している場合は夫婦連名で香典を包みましょう。
おおよその金額相場はありますが、経済的に厳しかったり、遠方に住んでいて交通費や宿泊費がかかったりする場合は、香典の金額を調整することもあります。
ここでは、親の葬儀での一般的な香典相場について確認してみましょう。
兄弟・姉妹
【親の葬儀の香典で出す金額|兄弟・姉妹】
20代 | 3~10万円 |
30代 | 5~10万円 |
40代以上 |
7~10万円以上 ※一般的なのは10万円程度 |
親の葬儀で兄弟や姉妹が香典を出す際の相場は、年齢や立場などによって変動します。
20代は3~10万円、30代は5~10万円、40代以上は7~10万円以上を包むことが多いようです。
家族との関係性をふまえ、兄弟や姉妹で金額に差が出ないように事前に話し合って決めると良いでしょう。
また、参列する兄弟や姉妹が遠方に住んでいて、交通費や宿泊費などで負担が大きい場合にも配慮が必要です。
【関連記事】
香典の相場はいくら?葬儀・法要での金額目安を関係性・年齢別に解説
夫婦
結婚している場合は、親の葬儀の際に夫婦連名で香典を出しましょう。
香典は、1世帯につき1つ準備するのがマナーです。
包む額は、1人で出すときの1.5倍程度が目安になります。
夫婦連名の香典は20代なら5万円~、30代は7万円~、40代以上は10万円以上が相場金額です。
また、ほかの兄弟や姉妹と包む額に差がでないよう、あらかじめ相談しておくと良いでしょう。
実の親への香典は家族葬でも必要?
実の親の葬儀が家族葬だと、香典を準備するべきか悩むかもしれません。
基本的には、親の葬儀が家族葬だとしても、前述の判断基準で香典を包むかどうか決めるのが一般的です。
包む金額は、一般的な金額相場と同じです。
しかし、規模が小さい家族葬では香典を辞退するケースもあります。
案内状や連絡内容などを確認して、香典辞退の旨が記載されている場合なら、喪主の意向に従いましょう。
また、家族葬では香典の総額が少なくなる傾向があるため、親族が相場より多く包む場合もあります。
親の葬儀で出す香典袋の書き方は?
香典袋を書くときに「どうやって書けば良いのか分からない」「失礼がないように正しい書き方を知りたい」と思う人もいるでしょう。
ここでは、親の葬儀で出す香典袋の書き方について解説します。
宗教・宗派に適した表書きを書く
香典袋の表書きは水引の上段に書き、下段には名前を書きましょう。
表書きは、故人の宗教や宗派によって書き方が異なる点に気を付けてください。
【表書き|宗教・宗派別】
仏教全般 |
・四十九日前|御霊前 ・四十九日後|御仏前 |
浄土真宗 | ・御仏前 |
神道 |
・御霊前 ・御榊(おさかき)料 ・御玉串(おたまぐし)料 |
キリスト教 (カトリック) |
・御ミサ料 ・御花料 ・献花料 |
キリスト教 (プロテスタント) |
・忌慰(きい)料 ・御花料 ・献花料 |
宗教・宗派が不明な場合 |
・御香料 ・御香資(ごこうし) ・御香典(ごこうでん) |
参考:碑文谷創「葬儀概論 四訂」,葬祭ディレクター技能審査協会,2020年4月,171・172ページ
同じ仏教でも、四十九日法要の前後や宗派によって表書きが異なります。
また浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏になると考えられているため、葬儀でも表書きは「御仏前」です。
キリスト教はカトリック、プロテスタントの教派によっても違います。
故人の宗教や宗派を確認して、適切な表書きにしましょう。
宗教・宗派が分からない場合は「御香料」や「御香資」と書けば、失礼にあたりません。
内袋は金額・名前・住所を書く
香典の内袋には、包んだ金額と名前、住所を書きます。
金額は、内袋の表面の中心に、縦書きで記入してください。
「壱(一)」「参(三)」「伍(五)」「萬(万)」「圓(円)」などの、旧字体の漢数字を使うのがマナーです。
たとえば、五万円を包む場合は「金伍萬圓也」と書きましょう。
内袋の裏には、名前や住所を記入します。
これらの情報は、葬儀法要の返礼品を送るために使われるので、住所は建物名や部屋番号まで正確に書いてください。
親の葬儀の香典で気を付けるマナーは?
葬儀法要では、故人に敬意を示すためにも、きちんとしたマナーを心がけたいものです。
香典袋を準備する前に、エチケットを確認しておきましょう。
最後に、親の葬儀の香典で気を付けたいマナーを紹介します。
金額に合った香典袋にする
親の葬儀では、包む金額に見合った香典袋を選びましょう。
香典の金額が1万円未満なら水引がプリント印刷されているもの、5万円未満なら水引の本数が7本のものを使用します。
5万円以上を包む場合は水引が10本以上のもの、10万円以上の場合は高級和紙で作られたひだ折りのものを使ってください。
包む金額と合わない香典袋を使うのはマナー違反になるので、注意しましょう。
縁起の悪い数字・偶数は入れない
親の葬儀の香典で、縁起の悪い数字や偶数は入れないようにしましょう。
具体的には「死」をイメージさせる「4」や「苦」を連想させる「9」などが、忌み数として避けられます。
また「2」や「6」などの偶数は割り切れる数字であるため、故人との縁が切れること、また不幸が重なることを連想させるので控えましょう。
新札を使わない
香典では、新札を使わないことも、親の葬儀におけるマナーの1つです。
結婚式などの慶事では新札を用いますが、葬儀や法要などの弔事では古いお札を使ってください。
新札はあらかじめ用意する必要があるため、香典に包むと「亡くなることを予想していた」という意味合いになってしまいます。
汚れや破れがあるものは避けて、必ず使われた形跡のあるお札を使いましょう。
【関連記事】
香典は新札でもいい?ピン札しかない時の対処法やお札に関するマナーを解説
薄墨を使用する
香典では、薄墨を使って書きましょう。
薄墨にするのは「突然の訃報で墨をする時間がなかった」「悲しみのあまり涙で墨が薄くなってしまった」という意味があります。
表書きを書く際には、濃い墨ではなく薄墨の筆ペンなどを用いてください。
また、内袋の金額や名前、住所などは、一般的なペンを使っても問題ないとされています。
【関連記事】
香典袋は薄墨でないとだめ?書き方やいつまで濃墨を使わないべきかを解説
親の葬儀の香典は喪主以外で故人と別世帯なら出す。家族葬でも同様
親の葬儀の香典は、基本的に喪主以外で故人と別世帯であれば包むのがマナーです。
規模が小さい家族葬でも、一般的な葬儀と同額の香典を準備します。
ただし、それぞれに事情があるかもしれないので、悩んだときは親族に相談してみましょう。
葬儀に関するお悩みがあれば「家族葬のゲートハウス」へ
家族葬のゲートハウスは、和歌山市の家族葬施行件数No.1の葬儀社です。
経験豊富なスタッフが、丁寧に対応いたしますので葬儀に関することはどんなことでもお任せください。

監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。