終活やることリスト11選|何から始めるか・いつからがいいか解説
人生の終わりを意識して、より良く生きるために行う終活。
始めたいと思いつつも「何からすればいいの?」「いつから行うのが正解?」と困っている人も多いかもしれません。
この記事では、やるべきことが分かる「終活のやることリスト」や、終活する時のポイントなどについて解説します。
終活とは?
終活とは、人生の終わりを意識して、最期まで自分らしく生きるために行う活動のことです。
いざという時のために、医療や介護の意思表示、財産の整理、葬儀やお墓の準備などを行い、身の回りを整理します。
残される人の負担を軽くするだけでなく、自分自身の人生を振り返り、残された時間をより良く生きるための準備という意味でも大切です。
整理を進めていくうちに、死に対する漠然とした不安が和らいで気持ちが前向きになったり、自分にとって本当に大事なものが見えてきたりするでしょう。
終活のやることリスト|やるべき大切なこと11選
終活ではやるべきことが多く、何からすればいいか分からなくなることもあるでしょう。
抜けや漏れをなくすためには、リスト化して確認しながら行うのがおすすめです。
ここでは終活やることリストの項目について、内容をひとつずつ確認してみましょう。
【終活のやることリスト|11選】
- エンディングノートを作成する
- 遺言書を作成する
- 資産を整理する
- 断捨離(不用品の整理)をする
- データ整理をする
- 訃報を伝える友人をリスト化しておく
- 葬儀・お墓の準備をする
- 遺品を渡す相手を整理する
- 医療・介護における意思表示をする
- 老後の住まいを考える
- 老後の資金を確保する
エンディングノートを作成する
終活やることリストの1つ目は、エンディングノートを作成することです。
エンディングノートには、自分に関する様々な情報を記します。
生年月日や本籍地などの個人情報、契約している保険やサービス、財産や資産の情報、医療や介護の希望、葬儀やお墓について書くことが一般的でしょう。
決まった形式がないため、市販のノートを準備したり、デジタルツールで作成したりしても良いでしょう。
ただし、遺言書と違って法的効力がない点には注意が必要です。
【関連記事】
エンディングノートとは?おすすめの内容や書き方・終活ですべきことを解説
遺言書を作成する
終活やることリストには、遺言書の作成もあげられます。
遺言書とは、亡くなった後に財産をどのように分配するのか、意思表示をする書類です。
遺産について指定がなければ家族や親族に相続され、相続人がいなければ国庫に入り、国の財産となります。
「家族以外に相続したい」「NPO団体に寄付したい」などの希望があれば、作成しておきましょう。
遺言書には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があるので、それぞれの内容やメリット・デメリットについても確認することが大切です。
【遺言書の種類】
種類 | 内容 | メリット | デメリット |
自筆証書遺言 | 遺言者が自筆で名前・日付・遺言を書いて、署名する | ・すぐ作成できて、費用が安い ・内容を隠せる ・法務局で預けられる ・証人がいらない | ・無効化する恐れがある ・紛失や未発見のリスクがある ・隠蔽や破棄の恐れがある ・法務局に預けてないなら検認 |
公正証書遺言 | 2人以上の公証人に遺言内容を話し、公証人が内容を記録する 各人が署名する | ・遺言を確実に残せる ・紛失や隠蔽のリスクがない ・法務局の検認がいらない ・文字を書けない人でも作成できる | ・費用と手間がかかる ・公証人が2人以上必要 ・公証人や証人に遺言内容が知られる |
秘密証書遺言 | 本人が書いた遺言書を封筒に入れて、2人以上の公証人が封筒に署名する | ・遺言の内容を他人に知られない ・パソコンや自筆で作成できる ・公正証書遺言と比べて安い | ・公証人が2人以上必要 ・要件を満たしていなければ、遺言が無効になる恐れがある ・自分で保管するため、紛失の恐れがある |
資産を整理する
終活では、資産の整理も行いましょう。
資産としては、以下のようなものがあげられます。
【資産の例】
- 生命保険|種類・保険会社名など
- 有価証券|株式・手形・債権
- 不動産(建物・土地)の登記簿
- 銀行口座・証券口座
- 債務整理・ローンの返済
資産を整理することで、老後資金が十分か、誰に何をどれくらい相続させられるかなどを具体的に考えられるでしょう。
どのような資産があるかをリストアップして、使っていない銀行口座や昔の積立保険などを整理しておくと、相続手続きがスムーズです。
財産が多い場合は、早めに相続税対策を行うことで節税につながるでしょう。
断捨離(不用品の整理)をする
断捨離とは、使わなくなった不用品を整理することです。
終活で物を減らしておくと、遺品整理を行う家族の負担を減らせます。
また不要なものを手放すことで、身も心も軽くなり、快適に生活できるメリットもあるでしょう。
必要な物、いらない物を判断していくうちに、自分にとって本当に大切な物も見えてくるかもしれません。
捨てるのに抵抗がある場合は、リサイクルショップに持ち込んだり、NPO団体に寄付したりするなどの方法を考えてみましょう。
【関連記事】
60代の終活で断捨離してはいけないものは?捨てるべきものを一覧で紹介
データ整理をする
デジタル終活として、データ整理もしておきましょう。
スマートフォンやパソコンに入っている不要なデータを削除したり、外部メディアに移動させたりしておくと、管理が楽になります。
家族に見られたくない情報やデータなども削除しておきましょう。
また利用しているサブスクリプションサービスや、SNSアカウントのIDやパスワードなどの情報もまとめておくことも重要です。
ただしデータが流失する危険性もあるため、パスワードそのものではなく、連想させるキーワードを残すなどの工夫をしてください。
訃報を伝える友人をリスト化しておく
訃報を伝える友人をリストアップするのも、終活でやっておきたいことの1つです。
家族や親戚などの緊急連絡先だけでなく、友人や知人、お世話になった人などの名前や関係性、連絡先などを記録しておきましょう。
リスト化しておくことで連絡漏れを防ぎ、残された家族が訃報を伝える際の手間を省けます。
「おひとりさまで身寄りがない」「頼れる親族がいない」という場合は、知人への連絡を委任できるサービスもあるので検討してみましょう。
葬儀・お墓の準備をする
終活やることリストには、葬儀やお墓の準備もあります。
葬儀の規模や形式など、葬儀に関する希望をエンディングノートなどに記しておくことで、自分が納得できる形で見送ってもらえるでしょう。
最近では生前に葬儀の予約を受け付けていたり、生前葬をあげたりできる葬儀場もあるので、気になる場合は検討してみてはいかがでしょうか。
またお墓がなかったり、事情があって家のお墓に入りたくなかったりする場合は、生前に準備しておくと、亡くなった後もスムーズに対応してもらえるはずですよ。
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遺品を渡す相手を整理する
終活をする際に、遺品を渡す相手についても考えてみましょう。
ジュエリーや服、時計、ブランド品など、何を誰に譲りたいか考えながら整理してみてください。
たとえば趣味で集めていたコレクションは、素人には良さが分からなくても、共通の趣味がある人にとってはお宝になるかもしれません。
ただし、相手が遺品の受け取りを希望するか、事前に確認しておくことも大切です。
医療・介護における意思表示をする
終活では、いざという時に備え、医療や介護における意思表示もしておきましょう。
病気や怪我は、いつ身に起こるか分かりません。
本人の意向が分からない状態だと、家族や周囲の人が重大な判断を迫られてしまい、最終的な決断を後悔するケースもあります。
延命治療や臓器提供についての意思や、どのような介護を受けたいかなど、自分の希望を残しておくことが大切です。
しっかり意思表示をしておけば、たとえ意思疎通が困難になっても、最期まで自分らしく過ごせます。
老後の住まいを考える
終活やることリストに、老後の住まいを考えることもあげられます。
今は良くても、介護が必要になった時や、パートナーに先立たれた時に、現在の住まいは心地よく住み続けられるでしょうか?
人によってはコンパクトな家に住みえたり、家族と同居したり、老人ホームへ入居するなどの選択肢があるかもしれません。
持ち家に住み続ける場合でも、リフォームや修繕が必要になるケースもあります。
残りの人生をどこで過ごしたいのか、しっかり検討しておきましょう。
老後の資金を確保する
終活では、老後資金の確保も必要です。
将来働けなくなり、介護が必要になった時に、年金収入だけでは生活費を賄えない可能性もあります。
老後の生活が不安な場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談したり、シミュレーションで将来必要なお金を試算したりしてみましょう。
老後資金の目安が分かれば、あとどれくらい働いて貯金しておくか、リースバックやリバースモーゲージを利用するかなど、将来のことを具体的に考えられるはずですよ。
終活のやることリストの何から始めるべき?
終活にルールはないので、終活やることリストの何から始めなければならないという決まりもありません。
自分がやりやすいことや、手をつけやすいところから始めてみましょう。
終活やることリストは項目が多いので、もし悩んだら思考を整理するためにもエンディングノートから始めてみるのがおすすめです。
比較的手をつけやすい資産整理も、手続きや処理に時間がかかるという点からも、早めに取りかかるのが良いかもしれません。
終活はいつから・何歳から始めるべき?
終活を始めるタイミングに決まりはありません。
高齢になってから行うイメージがあるかもしれませんが、人生の目標を決めるために20代や30代などの若いうちに始める人もいます。
セカンドライフのプランが立てやすい50代、退職後に自由時間が増えた60代で始める人も多いでしょう。
いつ病気や怪我をするかは分からないので、体力と判断力があるうちに始めるのがおすすめです。
終活について考え始めたタイミングが、始めるべきタイミングと言えるかもしれませんね。
【関連記事】
50代から終活を始めるべき理由とは?老後に向けたやるべきことリストも公開
終活をする時のポイントは?
人生の終わりを見越して行う終活には、時間も体力も必要です。
早く終わらせようと焦ったり、ルールにとらわれすぎたりしていると、思うように進まず途中で挫折してしまうかもしれません。
それでは、終活をする時に意識したいポイントをチェックしてみましょう。
自分のペースで行う
終活は、自分のペースで行いましょう。
最初から張り切りすぎると疲れてしまい、途中で投げ出したくなる可能性も出てきます。
終活では遺言書の作成や資産の整理など、堅苦しいことも考えなければなりません。
疲れを感じたら、無理せず休んでリフレッシュすることも大切です。
体力を使うことから始める
終活やることリストの中から、体力を使う項目を早めに始めるのもポイントです。
断捨離は必要なものを見極める判断力と、物を動かしたり処分したりする体力が必要になります。
また、お墓の準備で候補地を回ったり、老後の住まいを考える際に物件や施設を見学したりするのも、元気がなければ難しいかもしれません。
健康で気力と体力が充実しているうちに、行動を始めましょう。
ルールを考えすぎない
終活やることリストを進めるうえで、ルールを考えすぎないようにしましょう。
終活に「最初はこれから始めるべき」「こうしなければならない」などの決まりはありません。
計画を立てるのは大切ですが、予定通りに進まなかったり、途中で状況が変わったりすることもあります。
進め方やルールにとらわれると、終活がストレスになる可能性も。
時間と気持ちに余裕をもって、柔軟に対応しながら進めていきましょう。
短期間で終わらせようとしない
終活を短期間で終わらせようとすると、途中で挫折したり、判断を誤ったりするかもしれません。
終活はやるべきことが多いので、短期間で行うには、スケジュールに無理が生じる可能性もあります。
重要な項目を十分に検討できなかったり、手続きや個人情報などに不備があったりすると、後々後悔につながることもあるでしょう。
終活では自分の人生に向き合うため、すぐに決められないことも多く、時間がかかるのは当たり前のことです。
難しければ専門家に相談する
終活やることリストで難しいところがあれば、専門家に相談するのも1つの方法です。
相続や遺言書の作成などには、専門知識が必要になります。
契約や手続きも複雑になり、法的なトラブルに発展するケースもあるでしょう。
しっかり準備していたつもりでも、間違いによって無効になれば、家族などに迷惑をかけます。
不安や心配事があれば、専門家に相談するのがおすすめです。
終活で家族ができることは?
終活では、家族のサポートも大切です。
必要な部分を手伝い、お互いの意見を尊重しながら準備することで、終活をスムーズに進められるでしょう。
家族みんなが同じ方向を向いていれば、トラブルも起こりにくくなりますよ。
しっかり意見交換して行う
終活は、家族で意見交換しながら行ってください。
終活を進めてほしいからといって、無理強いするのは良くありません。
家族は、終活する人の希望やペースを尊重してサポートしましょう。
また、日頃からコミュニケーションをとり、価値観を理解して歩み寄ることも大切です。
相続の手続きが全て終わってから遺言書が見つかるケースなどもあるので、終活の内容や大切な物の保管場所も共有しておきましょう。
断捨離や情報収集のサポートをする
家族は、断捨離や情報収集でもサポートしましょう。
断捨離では不用品を処分したり、物を動かしたりすることが多いため、体力を使います。
兄弟姉妹にも相談して、家族みんなが協力する体制を整えることで、終活をスムーズに進める手伝いができるでしょう。
また、終活では連絡先のリスト化や医療・介護施設の情報、葬儀業者など、調べることもたくさんあります。
本人だけで情報を集めるのは難しいので、必要な情報をピックアップして一緒に確認しておくと良いでしょう。
終活はおひとりさまでもするべき?
終活は、残された家族に負担をかけないためにするものと思われるかもしれませんが、おひとりさまにも必要です。
近年増加している孤独死を防いだり、希望する葬儀をあげたり、安心して生活するためにも準備しておきましょう。
「死後に迷惑をかけたくない」「相続先を決めたい」などの事情がある場合は、なおさらです。
身元保証や財産管理などのサービスもあるので、必要があれば検討してみてはいかがでしょうか?
頼れる家族がいない人こそ、最期まで自分らしく過ごすためにも終活を始めるのがおすすめです。
終活のやることリストを確認してしっかり準備するのがおすすめ
終活ではやるべきことが多いため、終活やることリストを確認しながら行いましょう。
人生の終わりを意識しながら身の回りを整理するため、どうしても時間がかかってしまいます。
気力と体力が充実しているうちに始めて、自分自身と向き合い、残りの人生をより良いものにしていきましょう。
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