喪主をやりたくないなら?長男でも拒否できるか・したくないときの対処法も解説
両親が亡くなったとき、必ず長男が喪主を務めなければならないのか悩んでいる方もいるかもしれません。
さまざまな事情があり、中には「正直、喪主は務めたくない」と考えることもあるでしょう。
この記事では、長男でも喪主を拒否できるのか、喪主をやりたくないときの対処法などについて解説していきます。
喪主をやりたくないときは長男でも拒否できる?
理由にもよりますが、喪主をやりたくない場合は長男であっても断れます。
「必ず引き受けなければならない」という絶対的なルールはありません。
人によって理由は異なりますが、喪主は負担も大きいので「やりたくない」と感じる方も多いでしょう。
しかし、断るなら代理人を立てる必要があります。
故人の関係者であれば誰でも選任可能ですが、喪主は葬儀の支払いや香典など金銭を扱うことが多い重要な立場です。
故人と深い関係である近親者から選出したほうがよいでしょう。
喪主をやりたくない・断りたいと思う理由は?
では、喪主をやりたくない・断りたいと思うのはどのような理由からなのでしょうか?
そこにはさまざまな理由や事情が存在するようです。
ここでは理由の例を4つ紹介します。
健康・精神的な問題
健康や精神的な問題から喪主を辞退したいと考える方もいます。
喪主は葬儀当日だけではなく、葬儀前から四十九日の法要まで責任を持って執り行わなければなりません。
葬儀社との打ち合わせも、葬儀の日までに回数を重ねる必要があります。
短期間でさまざまな手続きや親族への対応を行うため、喪主には大きな負担がかかります。
定期的に通院している場合や、心が健康でない場合、喪主を引き受けることは難しいでしょう。
故人との関係が悪い
故人との関係が悪かったため、喪主をやりたくない場合もあります。
生前に虐待やネグレクトなどのトラブルがあった場合、故人の葬儀に関わりたくないのは自然でしょう。
喪主は故人を送り出すので、故人との関係性は大切です。
遺言書で指名されていたり、長男だったりした場合でも、故人との関係が悪く辞退したいと申し出ましょう。
故人とのトラブルが原因で喪主をやりたくないと感じたら、周囲に相談してみましょう。
やることが多くて面倒くさい
やることが多く、面倒くさいという理由から喪主を拒否したくなる方もいます。
喪主を経験することはあまりなく、慣れていない中でさまざまな手続きや対応をするのは大きな負担となるでしょう。
仕事や育児など、自らの生活を切り盛りしながら喪主として行動するというのは大変なので、やりたくないと感じる方もいるのです。
また、故人と親しかった場合、亡くなったことにショックを受けている中では喪主を務められず、辞退する方もいるようです。
経済的に余裕がない
経済的な余裕がなくて喪主ができないこともあります。
葬儀には準備費、参列者の飲食費、お布施などさまざまな費用がかかり、その負担者は喪主というのが慣例です。
葬儀費用は平均180万円程とされており、支払いが難しい方もいるでしょう。
また離島や国外などの遠方に住んでいる場合、交通費が高額になるという理由から喪主を引き受けられない場合もあります。
喪主をやりたくないときはどうする?
喪主をやりたくないときはどのように対処すればよいのでしょうか?
故人との関係性によっては、親族から喪主になることを打診される場合があります。
その際は、無断で断るのではなく以下の方法で対応しましょう。
代理人を立てておく
喪主を辞退する場合、できるだけ故人と関係のある親族の中から代理人を立てましょう。
代理人を立てる際は、トラブル防止のため自身が喪主を辞退した事情を親族にしっかり説明することをおすすめします。
代理人を1人で務めることが難しければ複数の代理人を立てられるので、1人あたりの負担が軽減されるでしょう。
また、現代では喪主の代理人を務めてくれるサービスも存在します。
故人に他の身寄りがない場合は利用するのもひとつの手段です。
家族で分担して協力する
喪主は葬儀の準備から四十九日の法要まで一貫して取り仕切るため、大きな責任と負担のかかる役割です。
家族が役割を分担して喪主に協力することで、その負担を軽くできます。
打ち合わせの場に家族が同行したり、喪主が忙しいときは代理の家族が参加したりして分担しましょう。
一連の手続きを滞りなく行うために、作業を分担した家族間での情報共有を積極的に行うのが大切です。
そうすることでお互いの認識のズレが起こりづらくなり、円滑に手続きや対応を進められるでしょう。
喪主にとって負担が少ない葬儀内容にする
喪主にとって負担が少ない葬儀内容にするというのも、ひとつの対処法です。
たとえば、家族葬や火葬式というスタイルを選ぶことで喪主の負担を減らせます。
家族葬は、家族・故人の近親者のみで行う小規模な葬儀です。
近親者以外の弔問客は訪れないため、参列者への対応が少なく済みます。
火葬式は、通夜や葬儀をせず、火葬場で火葬と収骨のみを行う式のこと。
最も費用のかかる通夜や葬儀を行わないため、金銭的な負担が軽減されます。
必要に応じて家族葬や火葬式というスタイルを選択することで喪主の負担を減らせるでしょう。
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家族葬の定義とは?メリット・デメリットや費用・流れをわかりやすく解説
喪主挨拶だけやりたくないときは省ける?
「喪主は引き受けてもよいが、喪主挨拶は避けたい」という方も中にはいます。
喪主挨拶を省くこと自体は可能です。
人前だと緊張して話せない、高齢のため挨拶が難しいといった事情がある際は、他の人に代読を頼めます。
挨拶を任せる場合は、代理で挨拶をする理由を冒頭で一言説明してもらうようにしましょう。
ただ、喪主挨拶は形だけでも行うのがベストです。
メモやカンペを見ながら読み上げるだけでもいいので、可能な限り挨拶を行うようにしましょう。
喪主の決め方は?
喪主を選ぶ際はどのように選任するのでしょうか?
何を基準にして決めていいかわからない方もいるでしょう。
基本的には誰が務めても問題ありませんが、ここでは代表的な例を4つ紹介します。
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喪主は誰がやると良い?続柄の優先順位や決め方・葬儀でやることを解説
故人の遺言に従う
喪主の選出で最も効力を発揮するのは故人の遺言です。
遺言にて喪主が指名されている場合、故人の意向に沿って喪主を決めます。
故人の友人が指名されていたら、血縁者以外が喪主になることもあるでしょう。
ただし、遺言で指名されていたとしても、事情によっては喪主を辞退できます。
喪主を辞退する場合、親族に理由を説明したうえで了承を得て、遺言に指定された以外の人に喪主を務めてもらいましょう。
配偶者が務める
遺言で特に指定がない場合、配偶者が喪主を務めるケースが多いでしょう。
もし配偶者が亡くなっている、病気などのやむを得ない事情がある場合は、他の親族が喪主を務めることもあります。
時代を遡ると、喪主を務めるのは故人の後継者というのが一般的でした。
しかし、近年ではその慣例が廃れてきており、故人の配偶者が喪主となるケースが多くなっています。
血縁者が務める
配偶者が既に亡くなっていたり、病気だったりと喪主を務めることが困難な場合、故人の血縁者が喪主を務めることになります。
多くは血縁関係の深い順に、喪主として選出されるでしょう。
優先順位は以下の通りです。
【優先順位】
- 長男
- 次男以降の男子(直系)
- 長女
- 次女以降の女子(直系)
- 故人さまの両親
- 故人さまの兄弟
故人の直系の男子が最優先され、その次に直系の女子が優先されます。
故人に子どもがいない場合、故人の両親や兄妹が務める場合もあります。
娘しかいない場合
故人の血縁者に娘しかいない場合、長女が喪主を務めるのが一般的です。
長女が喪主を務められないときは、次女以降の姉妹が喪主として選出されるでしょう。
近年では少子化が進み、息子がいない家庭も多く、娘が喪主を務めることも少なくありません。
友人・知人が務める
故人に配偶者や血縁者がいない場合、友人や知人が喪主を務められます。
また、故人が生前に関わりのあったコミュニティや生前に入所していた介護施設の代表者が喪主をやるケースが多いようです。
この場合「友人代表」や「世話人代表」と呼ばれます。
友人・知人が喪主を務める場合も複数人で分担できますので、1人の負担が大きい場合は喪主を複数に依頼しましょう。
長男でも喪主をやりたくないなら断れる。代理人を立てることをお忘れなく
長男であっても、喪主をやりたくない場合は断ることが可能です。
もし断る場合、必ず代理人を立てるようにしましょう。
代理人を立てる際は、自身が喪主を辞退する理由を周りの親族にしっかり伝えることでトラブルを回避できます。
喪主を務める場合、家族に協力してもらったり、他の親族に共同で喪主になってもらったりすることで、負担を大幅に減らせるでしょう。
喪主は責任が大きく、多大なプレッシャーがかかることになります。
断ることもひとつの手段ですが、もし引き受ける場合は他の人から協力を得るなど工夫してみましょう。
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