新盆はお墓参りだけでも良い?お坊さんを呼ばない場合や持ち物・服装を解説

家族が亡くなり、四十九日を過ぎた後に初めて迎えるお盆のことを「新盆」と呼びます。
新盆はより丁寧に供養するのが一般的ではありますが、家族のスケジュールが合わないと集まるのも難しいですよね。
この記事では、新盆をお墓参りだけで済ませていいのかどうかについて解説します。
新盆はお墓参りだけでも良い?
結論から言うと、新盆はお墓参りだけでも問題ありません。
ただし、通常のお盆よりも丁寧に供養するのが一般的な新盆(初盆)では、地域や宗派によっては僧侶に読経を依頼し、自宅や寺院で法要を営んだ後に親族で会食することが多くあります。
しかし、近年では法要を省略し、家族でお墓参りだけをするケースも増えてきています。
これは核家族化の進行により、親族が遠方に住んでいたり、忙しい生活を送っていたりすることが背景にあります。
無理のない範囲で故人を供養するスタイルが定着しつつあると言えるでしょう。
ただし、お住まいの地域によっては特別な祀り方が求められる場合もあるため、事前に親族などに確認しておくことが大切です。
また、家族でお墓参りのみを行うと決めた場合には、葬儀に参列してくれた親族にその旨を忘れずに伝えましょう。
新盆でお墓参りだけをする時の服装
新盆でお墓参りだけをする場合、服装はシンプルな普段着を選びましょう。
法要を行わないのであれば喪服でなくてもかまいませんが、カジュアル過ぎる服装は、供養の場という意味でもふさわしくありません。
【服装のポイント】
- 色は白・黒・グレーなど落ち着いたもの
- 柄はない方が望ましく、無地がおすすめ
- 肌の露出は控える(タンクトップ、半ズボン、ミニスカートなど)
- アクセサリーやネイルは控えめに
【靴の選び方】
- お墓が山や坂道が多い場所にある場合は、履き慣れたスニーカーが安心
- 素足が見える状態(サンダル、ミュール)は避ける
また、お墓参りに親族が来る場合は、事前に服装について話し合っておくのがおすすめです。
【関連記事】
初盆(新盆)の服装マナーとは?男性・女性別の着こなし方や注意点を解説
新盆のお墓参りの持ち物
新盆でのお墓参りの持ち物は、普段お墓参りに行く時の持ち物とあまり変わりません。
しかし、お盆ならではの特別な持ち物もあります。
忘れ物をしないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
お供え物
- お線香
- 生花
- ロウソク
- お供え物を置くための半紙
- お供え用のお菓子(お団子が一般的)
供養のためのお線香やロウソク、生花はお墓参りでの定番の持ち物です。
加えて、お供え用のお菓子を準備しましょう。
お団子が一般的ではありますが、故人が好きだった食べ物や飲み物をお供えしてもかまいません。
墓石を汚さないように、お供え物の下には半紙を敷いてください。
また、お供え物はそのままにしていると、腐ったり虫や動物が寄ってきたりする可能性があるため、持ち帰るようにしましょう。
必要な道具類
- 数珠
- 手桶、ひしゃく
- ライターやマッチなどの着火する道具
- お迎え提灯(墓所から自宅へ火を持ち帰る場合)
数珠は、宗派に合わせたものを持参しましょう。
宗派ごとに構造が異なる本式数珠と、どの宗派でも使える略式数珠があり、どちらを用意してもかまいません。
手桶・ひしゃくなどの掃除道具も、お墓を綺麗に保つための必需品です。
地域によっては、お墓に水をかけて掃除するのはNGな場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
ライターやマッチは、ロウソクに火を灯すために使います。
お迎え提灯は、お盆のお墓参りでしか使わない特別な道具です。
墓前で迎え火を焚き、その火を提灯に灯して、ご先祖様を自宅まで導くという役割があります。
その風習が残っている地域にお住まいの方は、お迎え提灯の準備が必要です。
【関連記事】
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新盆のお墓参りをする時のマナー
お墓参りには、いくつかのマナーがあります。
しっかりと理解したうえで出向き、心を込めてご先祖様を供養しましょう。
ここでは、新盆のお墓参りをする時のマナーを解説します。
日程・時間帯に気をつける
新盆のお墓参りの日程について、絶対的な決まりはありません。
ただし、一般的には迎え盆の8月13日(7月盆の地域は7月13日)に、ご先祖様をお迎えするため、お墓参りに行く人がほとんどです。
送り盆である8月16日(7月盆の地域は7月16日)にも行く人が多いですが、お墓参りの回数についても決まりはないので、多忙の場合はお迎えのみでも問題ありません。
お墓参りに行く時間帯は、基本的に午前中に行くのがマナーとされており、暗い時間は避けた方が無難です。
寺院墓地の場合は手を洗い清める
寺院墓地にお墓がある場合、まずは手を洗ってから清めるのが正しいマナーです。
その後、本堂の御本尊に手を合わせてから、ご先祖様・故人のお墓に行きます。
一度お墓の前で手を合わせて挨拶を済ませ、掃除やお供えをした後に改めて手を合わせて冥福を祈りましょう。
お酒はお墓にかけない
故人がお酒好きだった場合や、ご先祖様に美味しいお酒を飲んでほしいなどの思いから「墓石にお酒をかけてもいいのかな」と疑問に感じる人もいるかもしれません。
しかし、お酒のアルコール分が墓石の目に入り込むと、変色・カビの原因になり、大切なお墓を傷めてしまう可能性があります。
また、お酒に限らず、お茶やジュースなども同様なので、お水以外はかけないようにしましょう。
蓋を開けた瓶や缶の飲み物をお供えするのも、風で倒れて墓石にかかってしまう可能性があるため、避けた方が安心です。
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宗派ごとに線香の本数が異なるので注意
宗派によって、お線香の本数が異なります。
一般的には、真言宗・天台宗では3本、浄土宗では1~3本、浄土真宗・曹洞宗・臨済宗・日蓮宗では1本が基本です。
お線香のあげ方も異なるので、事前に調べておくと困りません。
また、お線香をあげる際は、直接ライターで火をつけるのではなく、ロウソクに灯した火からつけるようにしましょう。
お墓参りでのロウソクはただ火をつける道具ではなく、不浄なものを祓って周囲を清めるという意味があります。
お墓参りに来たことを故人やご先祖様に知らせる意味もあるので、忘れないようにしましょう。
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新盆にお墓参りだけする時のよくある質問
最後に、新盆にお墓参りだけすることを検討している人に向けて、よくある質問を紹介します。
ぜひ参考にして、新盆のお墓参りに対する疑問を解消してください。
お坊さんは呼ばなくても良いの?
新盆を家族のみで迎える場合、お坊さんは呼ばなくても問題ありません。
僧侶に来てもらうための手配やお布施の準備がないため、負担が軽減されるでしょう。
ただし、先祖代々お世話になっている菩提寺がある場合は、新盆を家族だけで過ごすことを事前に伝えておく方が無難です。
家族だけで自宅で過ごしても良い?
新盆は、親族を招いて法要や会食を行うのが一般的とされています。
しかし「家族だけで過ごしてはいけない」という決まりはないため、家族でのんびりと自宅で過ごしても問題ありません。
その場合は、葬儀の参列者に、新盆は家族だけで過ごす旨を事前に伝えておきましょう。
【関連記事】
新盆を家族だけで自宅で行うには?お坊さんを呼ばないときのお布施や香典も解説
一般的にはお墓参り以外にどんな過ごし方をするの?
新盆の過ごし方として、新盆法要(初盆法要)を行い、法要後に親族を交えての会食をするのが一般的とされています。
また、お盆飾りを準備し、新盆の時だけ使用する白提灯(白紋天)を飾る家庭も多いです。
新盆の過ごし方について絶対的な決まりはないため、お墓参りだけでも問題ありません。
新盆にお墓参りだけしても問題はない。ただし親族たちには確認を取るほうが無難
新盆の過ごし方について、絶対的な決まりはありません。
新盆に家族でお墓参りするだけでもまったく問題ないため、安心してお過ごしいただけます。
ただし、地域によっては特別な祀り方が必要だったり、昔からのしきたりを重んじる親族がいたりする可能性もあるため、トラブルを防ぐためにも事前に親族へ確認しておくことが大切です。
ご家族で納得できる新盆の過ごし方で、故人やご先祖様を供養しましょう。
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監修者
木村 聡太
・家族葬のゲートハウススタッフ
・一級葬祭ディレクター
「家族の絆を確かめ合えるような温かいお葬式」をモットーに、10年以上に渡って多くのご葬儀に携わっている。