危篤状態とはどんな意味?回復する確率や連絡を受けたらすべきことを解説
家族や親戚が「いつ危篤状態になってもおかしくない」と言われると、今後どうなるかが不安でたまらないますよね。
そこでこの記事では、危篤とはどのような状態なのか解説します。
危篤連絡を受けた時にすべきことも解説するので、いざという時に冷静に対応できるように備えておきましょう。
危篤とはどんな状態?読み方や意味を解説
危篤(きとく)状態とは?
「危篤状態」とは、怪我や病気から回復する可能性が低い状態のこと。
医師が「命の危険が迫っている」と判断した状態を指します。
ただ、危篤状態になったからといって、必ず亡くなるわけではありません。
稀に状態が回復する「小康状態(しょうこうじょうたい)」になることもあります。
この状態だと亡くなるかどうかは医師も明確に判断できないため、危篤と連絡を受けたらすぐに駆けつけた方が良いでしょう。
危篤と重篤の違いは?
危篤と似た言葉で「重篤(じゅうとく)」という言葉がありますが、こちらは症状の度合いを表す言葉です。
具体的に解説すると「危篤」は死を想定する状態を指します。
対して「重篤」はすぐに命の危機に晒されないものの、予断を許さない状態のことです。
どちらの場合も病状が思わしくない状況であることは確かなため、病院へ行くか関係者に連絡を入れるなど、しかるべき対応が必要です。
また、連絡をする際は危篤と重篤を間違えないように注意しましょう。
危篤状態から回復する確率は?持ち直すことはある?
結論から言うと、危篤状態から回復する確率は危篤者の生命力によって異なります。
一般的には2〜3日で逝去するケースが多いものの、中には小康状態を保ったり、危篤状態から回復し、その後何年も普通の生活を送ったりする人もいます。
そのため危篤状態と連絡を受けても、希望を捨てないことが大切です。
ただ、医師は患者の病状や検査結果などから危篤と判断しています。
命の危険が迫っているのは確かであり、決して楽観視できません。
心の準備をしておきましょう。
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危篤の連絡を受けたらすべきこと
危篤の連絡を受けると動揺するかもしれませんが、もしもの時に備えて対応すべきことがあります。
医師から家族・親戚が危篤と伝えられたら、次のことを実行しましょう。
気持ちを落ち着かせて冷静になる
突然の危篤連絡に、目の前が真っ暗になるかもしれません。
しかし、慌てると次にやることがわからなくなったり、何らかのトラブルを起こしたりする可能性があります。
大きな不安に襲われることと思いますが、まずは気持ちを落ち着かせましょう。
冷静になる方法はさまざまですが、一番手軽なのは「深呼吸」です。
深い呼吸で気持ちを落ち着かせてから、必要な準備を始めましょう。
親族・知人に危篤状態であることを知らせる
危篤は命の危機が迫っている状態です。
危篤の連絡を受けたら、速やかに危篤者の親族や知人に連絡を入れましょう。
連絡方法は電話が望ましいですが、繋がらない場合はメール・LINE・FAXなどでも構いません。
ただ、相手が連絡メッセージにいつ気づくかわからないため、送信した後も返信があるまでは再度電話をすると良いでしょう。
また、危篤を知らせる場合は以下の内容を入れるように心がけてください。
【知らせる内容】
- 自分の名前と連絡先
- 危篤者との関係性
- 危篤状態にあること
- 入院先の情報(病院名・住所・病室番号)
入院先の病院へ急ぐ
医師から危篤の連絡を受けたら、急いで入院先の病院へ向かいましょう。
危篤は一刻を争う状態と言っても過言ではありません。
病院に少しでも早く辿り着ける交通手段を選んでください。
また、危篤者の知り合いに連絡していない場合は病院で連絡をしたり、患者の状態によってはそのまま宿泊したりする必要があります。
病院へ向かう際は、次のものを持っていくと良いでしょう。
【病院に行くときの持ち物】
- スマートフォンと充電器
- 財布
- 危篤者の知り合いと親戚の連絡先
- 宿泊に必要なもの(アメニティグッズ・制汗シートなど)
心の準備をする
危篤状態から回復するケースもあるものの、命の危機が迫っていることは事実です。
危篤と判断されたら、別れの可能性に備えて心の準備をしましょう。
まず大切なのは、なるべく早く病院へ向かい、少しでも長く時間を共にすること。
病状によっては危篤状態になっている人に声をかけられるため、感謝の気持ちや元気な時に伝えられなかった思いなどを伝えましょう。
すると、家族・親族も少しずつ気持ちを整理できます。
自宅で容態が急変したときは主治医に連絡
自宅療養をしている場合、自宅で危篤状態になるケースも考えられます。
容態が急変した場合は救急車を呼ぶ前に、まずは主治医に連絡して指示にしたがってください。
ただ、いざ危篤となると慌ててしまい、何をすべきかわからなくなることも多いです。
自宅療養をすると決めたら、危篤状態になった場合にどうするかを事前に医師と相談・確認しておきましょう。
すると、もしもの時も落ち着いて冷静に行動できます。
危篤と言われたら誰に連絡すべき?
病院から危篤の連絡を受けた時、誰に連絡すべきか迷ってしまうかもしれません。
具体的な決まりはありませんが、以下の3箇所を目安に連絡をするのがおすすめです。
3親等以内の親族・危篤者の親しい友人
【3親等以内の親族一覧】
1親等 | ・両親 ・配偶者の両親 ・子ども |
2親等 | ・祖父母 ・配偶者の祖父母 ・兄弟、姉妹 ・配偶者の兄弟、姉妹 ・孫 |
3親等 | ・叔父叔母 ・伯父伯母 ・甥、姪 ・曾孫 |
危篤の連絡を親族に入れる場合は、3親等以内が目安です。
トラブルや混乱を招かないためにも、危篤状態の人と同居している家族から、危篤者に近い順で連絡をすると良いでしょう。
ただ、3親等以外の人物でも危篤者と親しい関係にある場合は、すぐに連絡を入れるのが望ましいです。
また、3親等以内にこだわりすぎず「最期に立ち会ってもらいたい人」を基準に、連絡をするように心がけてください。
親族のみでなく、危篤者が親しくしていた友人にも忘れずに連絡を入れましょう。
お世話になっている菩提寺
危篤者やその家族がお世話になっている菩提寺がある場合は、事前に連絡しておくと良いでしょう。
危篤の状態から回復せずに亡くなった場合、迅速に対応してくれる可能性があります。
特に菩提寺が遠方にある場合、あらかじめ連絡しておくと葬儀などの段取りがスムーズです。
また、危篤者が信仰している宗教によっては、危篤から逝去・葬儀までの流れが異なるケースがあるので注意してください。
勤め先の会社
家族・親族が危篤になった場合は、必ず自分の勤め先にも連絡を入れましょう。
危篤と判断されたからといって、すぐに亡くなるとは限りません。
場合によっては病院への泊まり込みが必要になり、仕事を数日休まなければならないケースもあります。
仕事に穴を開けてしまうため、職場に身内が危篤であることを伝えた上でしっかり相談しましょう。
また、長期間休む場合は、職場に定期的に連絡を入れることも大切です。
お互いの状況を把握できるので、いざという時の対応もスムーズになります。
危篤状態の人にかける言葉
危篤状態にある人には、そばにいることを伝えるために声をかけてあげましょう。
耳が聞こえている場合、安心できる可能性があります。
具体的には次のような言葉をかけてあげるのがおすすめです。
思い出話をする
危篤状態の人には、思い出話をしてあげると良いでしょう。
旅行の思い出や食事に行った思い出など、過去の楽しかった話をしてあげてください。
その時のことを思い出すことで穏やかな気持ちになったり、本人が「良い人生だった」と思えたりするかもしれません。
家族や知人が一緒に見守っている場合は、みんなで思い出話に花を咲かせると、その場が和やかになり穏やかな気持ちで過ごせるでしょう。
今までの感謝を伝える
最期が近づいている時にあなたが駆けつけられたなら、その人と深い縁で結ばれているということです。
これまでお世話になったことに対する、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
顔を合わせてお礼を言えるのはこれで最後になるかもしれないため、悔いが残らないようにしてください。
また、感謝の気持ちだけでなく「あとは任せてね」と、安心させるような一言を添えるとなお良いでしょう。
ポジティブな内容
危篤状態とはいえ、必ず亡くなるわけではありません。
死を連想させるような言葉は避け、ポジティブな言葉をかけましょう。
特に「まだまだ頼りにしてるよ」「元気になったらまた出かけようね」など、未来を連想させる言葉が望ましいです。
また「会いにきたよ」「今日はいい天気だよ」といった何気ない会話も、危篤者には安心感のある言葉の可能性があります。
ポジティブな言葉をかけることは見守る家族の安心感になる、前向きな言葉を選ぶように心がけてください。
危篤から亡くなった後の流れ
状態が回復せずに亡くなってしまった場合、葬儀の準備を行う必要があります。
万が一に備えて、死亡確認から葬儀までの段取りを流れに沿って確認しておきましょう。
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死亡確認・死亡診断書の発行
危篤状態だった人が亡くなると医師が死亡確認を行い、死亡と判定された場合は死亡診断書が発行されます。
発行のために特別な手続きはありませんが、発行にあたり3,000〜20,000円程度の費用が発生すると覚えておきましょう。
死亡診断書には亡くなった人の住所や氏名、亡くなった原因や場所などが記されており、役所で死亡届を提出する際に必要です。
くれぐれも紛失しないように注意してください。
葬儀社の手配・依頼
続いては葬儀を行うために葬儀社の手配を行います。
あらかじめ決めている葬儀社がない場合、他にある葬儀社の見積もりと比較しながら決めると良いでしょう。
葬儀社によって葬儀費用や葬儀プランは大きく異なるため、しっかりと比較するためにも、葬儀の規模や参列者の人数をある程度決めてから見積もりを依頼するのがおすすめです。
また、費用面だけでなく葬儀社のスタッフが信頼できる人物か、契約を急かされないかなども重要なポイントになります。
葬儀の準備をする
葬儀会社が決まったら、続いては葬儀の準備に移ります。
葬儀社のスタッフと相談しながら、葬儀の日時や規模、形式を決めましょう。
トラブルを防ぐためにも、重要なことは親族間で共有・相談し、故人の意向があるならば可能な限り反映させることが大切です。
続いて、葬儀の詳細が決まったあとは、参列者へ葬儀の案内や訃報を送ります。
どちらもハガキで送るのが一般的ですが、最近ではメールやSNSを活用するケースも増えているため、こちらも家族・親族間で事前に相談しておくと良いでしょう。
【決めること・確認すること】
- 喪主は誰か
- 葬儀の日時・形式はどうするか
- 葬儀の予算はどうするのか
- どこで葬儀を行うのか
- 参列者は何人なのか
- 香典返しの予算はどうする
退院手続き・ご遺体の搬送
葬儀の日時が決まったら、続いては退院の手続きとご遺体の搬送を行います。
故人が入院する際に持ち込んだ私物を片付け、忘れ物がないように確認しましょう。
精算のタイミングは病院によって異なりますが、基本的には病院から発行される書類に必要事項を記載した後、当日または後日に支払いを行うケースが多いです。
退院手続きが済んだ後はご遺体を遺体安置所へと搬送し、葬儀を待ちます。
危篤とは亡くなる見込みが高い状態のこと。いざというときのために準備を。
危篤とは、命の危機が迫っている状態です。
病院から危篤の連絡を受けると慌てるかもしれませんが、一度深呼吸をして落ち着き、冷静に対応しましょう。
病院に駆けつけるのはもちろん、万が一に備えて心の準備や葬儀の準備を行うことも大切です。
ぜひ本記事を参考に、危篤状態からの流れを覚えておいてくださいね。
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