大阪の葬式での風習とは?通夜や葬儀でのマナー・しきたりを解説
特有の風習がある大阪の葬式。
葬儀に参列する、葬式を執り行う予定だけれど、その土地ならではの風習やマナーを知らないので不安に感じているという人も多いのではないでしょうか?
この記事では、大阪の葬式の風習やマナー、しきたりを紹介します。
※葬儀の風習やしきたりは、地域やご家庭によっても大きく異なる場合があります。
大阪での葬式の風習・マナー
大阪のお葬式には、地域ならではの風習やマナーがあります。
ほかの地方と大きく違うわけではないため知らなくても参列自体は可能ですが、スマートに対応するためにもぜひ覚えておきましょう。
はじめに、大阪での葬式の風習・マナーを紹介します。
樒(しきび・しきみ)を飾る
「樒(しきび・しきみ)」とは関東よりも西の本州、四国、九州などで見られる、独特な香りを持つ常緑樹です。
大阪をはじめとする、関西地方には葬式の際にこの樒を飾る風習があります。
これは樒が「悪霊を追い払う」「邪気を祓う」といわれているためで、葬儀会場の入り口には「門樒(かどしきみ)」や「大樒(おおしきみ)」として。
祭壇の両脇の後方では「二天樒(にてんしきみ)」として飾られます。
また、参列者からも贈られるものであり、贈られたものは門樒として葬儀場の内外に並べられます。
紙樒がある
大阪には葬式の際に「紙樒(かみしきび・かみしきみ)」を葬儀会場の入り口に飾る風習もあります。
紙樒とは紙に墨で名前を書いたもののこと。
自治体が推奨していることもあり、近年の葬式では、香りが強く場所もとってしまう「樒」の代わりとしてよく飾られています。
一律の料金を支払うことで、名前が記載されたものを飾ってもらえるのもこの風習の特徴です。
通夜振る舞いがない
関東地方の葬儀では比較的よく見かける、参列者にお酒や食事を振る舞う行事「通夜振る舞い」。
大阪では、この通夜振る舞いはあまり実施されていません。
これは元来よりこの行事を実施する風習がないため。
そのため、一般の参列者はお焼香を済ませ、通夜が終わったら式場を後にするのが通例となっています。
親しい友人や親族のみの会食は実施されるようですが、一般参列者にまで食事が振る舞われることは少ないです。
大阪での葬式の風習・マナー | 火葬・葬儀後
大阪の葬式に関する風習・マナーは、葬儀の装飾や形式に関するものだけではありません。
火葬・葬儀後に関するものもいくつか存在します。
次は、大阪の火葬・葬儀後に関する風習・マナーを紹介します。
友引にはいちま人形
大阪には友引に葬式をする際には、棺の中に「市松人形(いちま人形・いちまさん)」を入れる風習があります。
関西地方でよく見られる「友人形・友引き人形」を入れるという風習と似たもので、故人が友を連れていかないようにと願って入れられます。
基本的に大阪でも友引の葬式は避けられる傾向がありますが、早めの火葬を優先して友引に開催する場合には、この人形を入れると覚えておきましょう。
骨壺が2つある
大阪の葬式では、骨壷が2つ用意されるケースがあります。
これは遺骨を分骨して、片方を宗派の本山に収める「本山納骨」を行う方がいるため。
そのため、収骨の際には喉仏の骨を収める本山用の骨壷、胴骨を収めるお墓用の骨壷の2種類が用意されます。
近年では本山納骨を行う人は減っている傾向がありますが、2つ用意する文化は根強く残っています。
精進料理を仕上げに食べる
故人がなくなってから7日目に行う法要(初七日法要)のあと、もしくは葬儀・告別式の際に「仕上げ」という会食を行うのも大阪の葬式の特徴です。
この仕上げでは、野菜や豆腐を中心とした精進料理が振る舞われます。
高野豆腐や厚揚げが四角ではなく、三角に切られているのも仕上げで振る舞われる精進料理の特徴の1つ。
これには普段と違う形に切ることで、死と日常を切り離すという意味があります。
お清めの塩を踏む
お葬式から帰宅した際には、身体にお清めの塩をかけるものですが、大阪ではさらに塩を踏んでから家の中に入ります。
これは足の裏にまで塩を行き渡らせることで、邪気を完全に断つため。
また、かつては遺体の保存技術も未熟だったため、家に入る前に足の裏を消毒するという意味合いもあったといわれています。
やり方は塩を足元にまき、それを踏んでから家に入るのが基本です。
大阪での香典のマナー
全国共通のイメージが強い香典のマナーですが、実は大阪ならではの香典のマナーもいくつか存在します。
知らなくても大きなトラブルにはなりませんが、香典で嫌な思いをしない・させないためにもぜひ知っておきましょう。
次は、大阪での香典のマナーを紹介します。
香典辞退が多い
大阪では香典を受け取らない「香典辞退」が多くなっています。
これは、近年葬儀の小規模可・簡素化が進んでいるほか、家族葬の割合が増えているためでしょう。
加えて、一部地域が香典廃止の取り組みを行っていることも影響しています。
親族からの香典は受け取る場合もあるようですが、多くの人が香典の辞退を希望しています。
水引の色は黄・白
白黒のイメージが強い香典袋の水引(飾り紐)。
大阪をはじめとする近畿地方では、黄色と白のものも使われます。
近年では白黒を使うケースも増えていますが、地域や家庭によっては黄白の水引を使う風習も根強く残っています。
そのため、香典を送る予定であれば、事前にどちらの色を使うべきかを確認しておきましょう。
香典は即日返しでする
香典の即日返しが多いことも、大阪の葬式の特徴です。
本来は忌明けの法要後に贈るものですが、昨今では告別式や通夜、葬式の当日に香典返しをするケースが増えているといわれています。
贈るものはギフト券や商品券が定番で、礼状と共に渡されます。
ギフト券・商品券の金額に関しては、1万円の香典にすぐに対応できるよう3000円分のものをメインで用意する場合が多いようです。
大阪市の火葬場について
大阪の葬式のマナーや風習だけでなく、火葬場についても知っておきたい人も多いでしょう。
葬儀の後に必ず訪れる場所なので、できれば事前に大まかなルールや場所などを知っておきたいものですよね。
最後に、大阪市の火葬場について紹介します。
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火葬場は大阪市に6箇所
大阪市には6箇所の火葬場があります。
公営のものは、こちらの5箇所です。
- 小林斎場(大正区)
- 佃斎場(西淀川区)
- 鶴見斎場(鶴見区)
- 瓜破斎場(平野区)
- 北斎場(北区)
津守斎場(西成区)のみが民営となっています。
公営の火葬場に関しては大阪市が運営しているため、故人や家族が大阪市民であれば市民料金で利用できます。
民間の津守斎場のみ料金が異なるので、利用を検討している場合には事前に確認すると良いでしょう。
予約待ちになることがある
地域によっては火葬場や斎場が予約待ちになることがあります。
大阪は人口が多く、さらに1日の火葬件数も増えているためです。
東京や神奈川ほど深刻ではないですが、希望する日時やタイミングによっては予約が難しい場合があると覚えておきましょう。
予約の待ち時間に関しては、平均すると1日〜2日ほど待つ程度のケースが多いです。
予約時間から30分後に火葬する
火葬は予約時間から30分後にスタートします。
たとえば、13時に予約している場合であれば、火葬開始時間は13時30分となります。
遅れてしまうと、斎場に迷惑がかかってしまうので時間を厳守するようにしましょう。
また、斎場から家が遠い場合は、葬式の時間を事前に調節し、多少のトラブルがあっても間に合うようにしておくのがおすすめです。
大阪府には特有の風習・しきたりがある。葬儀に関して疑問をお持ちであればご相談を
大阪府の葬式には、特有の風習やしきたりがあります。
葬儀全体に関するものから、葬儀後や火葬に関連するもの、香典に関するものまでさまざまです。
全てを覚えなくても参列は可能ですが、失礼のないように振る舞いたい、不安を解消してから参列したいなら、できる範囲で把握しておくようにしましょう。
また、葬儀に関して疑問をお持ちであれば、大阪府の風習やしきたりに詳しい家族葬のゲートハウスへお気軽にご相談下さい。
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