六曜で葬儀をやってはいけない日はある?友引を避ける理由や注意点を解説
葬儀の日取りを決める時、六曜を考慮すべきか悩むこともあるでしょう。
今回の記事では、そもそも六曜とは何か、お葬式で避けるべき日はいつかなどを解説。
友引に葬儀をやってはいけない理由や、やむを得ないときの注意点についてもご紹介します。
葬儀は六曜を避けるべき?宗教別に解説
葬儀の日取りを決める際、六曜は必ず考慮した方が良いのでしょうか?
これは宗教によってもそれぞれ考え方があり、六曜をどのように捉えているかに違いがあります。
ここでは神道・仏教・キリスト教の3つについて六曜の捉え方をご紹介します。
神道の場合
日本で古来から続いている民族宗教の神道は、六曜とほとんど関係がありません。
そのため神式の葬儀を行う際も、六曜は重視されていないことが多いです。
ただし、風習として友引を避けることはあり、全く考慮されていないとは言い切れません。
神道では祭事をする時に大安を選ぶ傾向がありますが、これも神道の教理によって決められたものではなく、昔からの風習が残っているからだとされています。
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仏教の場合
仏教も神道と同じく、六曜との関係性はありません。
日本における葬儀の約9割が仏教式と言われています。
日本人の多くが、祭事を行う際に六曜を気にするため「仏教と六曜には深い関係があるのでは?」と思う方が多いですが、実はそうではありません。
風習として友引を避ける傾向がありますが、基本的には仏教の教えとは関係ないものです。
また、浄土真宗では「友引には葬儀を避けるべき」という意見そのものを否定しています。
参考:真宗大谷派(東本願寺)真宗会館「友引の日にお葬式はできるのですか?」
キリスト教の場合
キリスト教も六曜との関係性はなく、前夜祭や告別式はいつでも行えます。
また、キリスト教の場合は、六曜を意識する風習はほとんどありません。
ただし、日本では友引に営業していない火葬場もあるため葬儀を行えないこともあります。
カトリックをはじめ、いくつかの宗派では聖土曜日に葬儀を行わないこともあるのも知っておきましょう。
六曜とは?葬儀をやってはいけない日はある?
中国で生まれた六曜は、その日の吉凶や勝負運を占うためのものです。
その名の通り6種類あり、基本的には1日ずつ順番に巡っています。
厳密には葬儀をやってはいけない日というのは存在しません。
ですが、日本には冠婚葬祭などで六曜を重視する風習があり、現代においてもその考えが根強い地域があるのも事実です。
葬儀をするにあたって六曜の基本的な意味は理解しておきましょう。
先勝|せんしょう
先勝(せんしょう・さきがち・せんがち)は、六曜の中でも勝負事をするのに向いている吉日です。
一日のうちでも午前が吉で午後が凶のため、勝負事は午前に済ませるのが良いとされています。
先勝の日は、勝負事を占っているので葬儀をしても問題ありませんが、翌日が友引ということに注意が必要です。
先勝に通夜、翌日の友引が葬儀のスケジュールだと、火葬場が休業している可能性があります。
友引|ともびき
友引(ともびき)は六曜で朝は吉、昼は凶、夜は大吉の日です。
弔事では凶日とされており、この日に葬儀をすると故人の親しい人が道連れになると言われています。
最近では六曜を気にしない方も増えていますが、長年忌み日として避けられてきたのは事実です。
この日は斎場や火葬場が定休日にしていることもあるので気をつけましょう。
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先負|せんぶ
先負(せんぶ・せんぷ・さきまけ・さきおい・せんまけ)は葬儀をしても問題ない日です。
先勝と同じく先負も勝負事や賭け事を占うものなので、葬儀や祭事に縁起の良し悪しはありません。
先負は「先んずれば負け」の日で、午前が凶、午後が吉です。
何事も先に行うと負けるとされているため、機をうかがってじっと待つのが良いとされています。
勝負事には向いてない日ですが、葬儀を行うのには差し支えない日です。
仏滅|ぶつめつ
仏滅(ぶつめつ)は「仏すら滅する日」と言われ、午前午後を通して凶日です。
六曜の中で最も運勢が悪く、結婚式などの慶事やお祝い事、引っ越しをするには向いていません。
不吉を招く日とされている一方で、弔事を行うには都合の良い日とされています。
通夜や葬式をする際は、仏滅であることを気にする必要はないでしょう。
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大安|たいあん
大安(たいあん)は何をするにも「大いに安し」という日です。
入籍や結婚式といったおめでたい時に選ばれやすく「縁起が良い」「大吉」というイメージがありますが、特別に良いというよりは「何をしても特に害はない日」と言われています。
そのため、凶が重なる時間帯がなく、長時間になるお葬式を行うのにも良い日です。
凶の時間帯がないので、何事もなく進行できるでしょう。
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赤口|しゃっこう
赤口(しゃっこう、しゃっく、せきぐち)は正午を除いてあとは大凶と言われる日です。
六曜で全体的に凶日とされているのは仏滅ですが、祝い事に関しては赤口がもっとも避けるべき大凶。
赤という字から血や火が連想されるため、刃物や火事にも気をつけた方が良いとされています。
弔事を行う日としては差し支えなく、通夜や葬儀、告別式をしても問題ありません。
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友引に葬儀を行う際の注意点
友引に葬儀をすると親しい人に災いが訪れたり、故人の友を道連れにしたりするというイメージがあります。
迷信と言ってしまえばそうですが、気にする方もいるのでできる限り避けるのが無難です。
とはいえ、日程の都合でどうしても友引に重なってしまうこともあるでしょう。
ここではやむを得ず友引に葬儀を行うときの注意点についてご紹介します。
参列者の了承を得る
葬儀は故人を見送る大切なセレモニーで、参列者が気持ちよく参加できることが何より大切です。
友引に葬儀をすることを嫌がる方もいるので、まずは参列者に了承を得るのが良いでしょう。
また、参列者や親戚の中に闘病中の方や体調がすぐれない方がいる場合は、友引を避けて葬儀ができないか今一度確認するなど、嫌な気持ちになる方が出ないよう配慮するのも重要です。
棺桶に友引人形を入れる
故人の親しい人が冥土に導かれないよう、その身代わりとして棺桶に入れるのが「友引人形」です。
友引人形は大阪を中心とした関西で見られる風習で「友の代わりにこの人形を一緒に連れて行ってください」という意味合いで用いられています。
一般的には葬儀社が用意しますが、友引人形の代わりにぬいぐるみなどを入れることも可能です。
大切な遺骨に付着しないよう、燃えやすい素材で小さなものが推奨されています。
火葬場が休業日なことが多い
友引は葬儀を行うには縁起の悪い日とされてきたため、火葬場が休業日に設定していることもあります。
そもそもこの日に葬儀や火葬を行えるのか、葬儀社とプランを確認しましょう。
誰かが亡くなった時には、まず火葬場の予約を取ってから通夜や葬儀の日程を決めるのが一般的です。
友引に火葬場が営業していない可能性に加え、翌日も混雑で予約が取りにくいことも注意しましょう。
葬儀日程の決め方で六曜以外に配慮すべきこと
葬儀をすることになった時、どのように日程を決めれば良いのでしょうか?
基本的には火葬場と僧侶、参列者の予定を調整すれば良いですが注意点もあります。
たとえば、遺体は逝去後24時間経たなければ火葬ができません。
通夜や葬儀を行えばすぐに火葬とはなりませんが、直葬(火葬式)をする場合には注意が必要です。
ここでは葬儀日程の決め方で、六曜以外に配慮すべきことをご紹介します。
参列者・遺族の予定を合わせる
参列者へ葬儀のお知らせをする際は、火葬場や葬儀場、僧侶の予定を調整してから連絡するのが一般的。
しかし、故人の配偶者や子供など必ず出席してほしい方には、事前に予定を確認しておいてください。
特に、海外など遠方に住んでいてすぐに駆けつけられない場合は配慮が必要です。
それ以外の親族や友人、関係者には、葬儀の日程が決まってから訃報を入れましょう。
僧侶・菩提寺の都合を確認する
仏式の通夜や葬儀では、式を執り行ってくれる僧侶の手配が必要です。
先祖代々のお墓があり、お世話になっている菩提寺がある場合は、早めに連絡して都合を確認しましょう。
僧侶の都合を確認した上で葬儀の日程を遅らせることも可能ですが、それでも1〜2日が限度です。
どうしても予定が合わない時は同じ宗派の僧侶を紹介してもらったり、葬儀社に相談して別のお坊さんを手配したりして対応しましょう。
また、遺体の長期保管には特別な処置が必要になるので注意が必要です。
火葬場の空き状況を確認する
葬儀の準備ではじめに取り掛かるべきは火葬場の予約です。
希望の日程・時間に予約が埋まっていることもあるので早めに連絡しましょう。
特に、都心など人口に対して火葬場が少ない地域になれば、予約は取りづらくなります。
火葬場の予約を取る際は、まず葬儀社に相談して仲介してもらうのがおすすめ。
それに合わせて通夜や葬儀の日程を組んでくれるので、その後の打ち合わせがスムーズです。
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葬儀で六曜を気にする必要はない。しかし友引に関しては避けたほうが無難
六曜は仏教などの宗教とも関係がなく、基本的には葬儀をしてはいけない日はありません。
しかし、参列者の中に「友引は親しい人が連れていかれる」と、六曜を気にする方がいるかもしれないので、可能な限り避けた方が無難でしょう。
故人との最後のお別れを温かいものにするために、参列者全員が納得できる葬儀にしましょう。
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