喪主は誰がやると良い?続柄の優先順位や決め方・葬儀でやることを解説
家族を亡くしてつらい状況のなか、最初にやるべきなのが葬儀の準備。
その際に「喪主は誰がやるの?」「喪主はどうやって決めるの?」と疑問を抱く人も多いでしょう。
この記事では、喪主の決め方や葬儀でやることを解説します。
喪主は誰がやる?続柄一覧表【優先順】
続柄【優先順】 | 状況 |
1.配偶者(妻・夫) | 故人に配偶者がいる場合 |
2.子ども 2-1.長男 2-2.次男、直系の男子 2-3.長女 2-4.次女、直系の女子 |
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3.家族・親族 3-1.両親 3-2.兄弟姉妹 3-3.その他親族 | 故人に配偶者・子どもがいない場合 |
4.友人・知人 | 故人に家族や親族がいない場合 |
喪主とは、葬儀や法事を執り行う際の中心人物で、遺族の代表者を指します。
喪主は誰がやるべきか悩む人も多くいますが、法律上では誰がやっても良いとされています。
一般的に喪主を任される優先順位として、血縁関係が近い順番で選ばれることが多いでしょう。
子どもがいない場合は、配偶者や兄弟姉妹が喪主を任されることが多い傾向にあります。
ただし、遺言の内容によっては、順番が入れ替わることも珍しくありません。
基本的には血縁関係に基づいて喪主が選ばれますが、故人が遺言を残している場合は、やむを得ないケースを除き、故人の意志を尊重しましょう。
次項では、喪主を誰がやるべきか、具体的に紹介します。
配偶者(妻・夫)
喪主は、故人の配偶者が務めるのが一般的。
とはいえ、配偶者が高齢の場合、病気やすでに亡くなっているケースも珍しくありません。
配偶者の状況によって喪主を務めるのが難しい場合は、代理で親戚が引き受ける場合も。
この場合、故人の関係者と誰が喪主を務めるのか話し合いが必要です。
喪主が決まったら、その人の負担を最小限に抑えられるよう、できる限り協力しましょう。
子ども
故人の配偶者が何らかの理由で喪主を務めるのが難しい場合、血縁関係の近い子どもが喪主を任されるケースが多いでしょう。
故人の思いを受け継ぐ立場として、配偶者の次に相応しいと考えられるからです。
昔は、家長である男性が喪主をやるのが自然な流れでした。
現在は男女関係なく喪主を決定することがほとんとです。
家族・親族
故人に配偶者や子どもがいない場合は、喪主の候補として他の家族や親族が挙がります。
特に家族は、長く過ごしてきた時間があるため故人との関係性が深く、誰よりも故人を理解しているからです。
もし、両親が喪主を務めるのが難しい場合は、叔父や叔母、いとこなど親族が候補に挙がるでしょう。
配偶者がいない場合は、6親等以内の血族が喪主を引き受けるのが通常の流れになります。
友人・知人
故人に配偶者や親族がいない場合、友人や知人が喪主を務めることも。
近隣に住んでいる知人や、生前付き合いが深かった友人などから喪主が選ばれることも珍しくありません。
また、遺言や親族の事情で喪主ができない場合も、友人や知人が喪主候補に挙がることがあります。
親族は家族が亡くなって憔悴し、精神的につらい状況であるケースがほとんどです。
友人や知人に喪主を依頼することで、家族の負担を減らすことにも繋がります。
喪主の決め方|やりたくない人が多い時は?
喪主は、基本的に血縁者の優先順位に基づいて決めますが「喪主をやりたくない」という人も出てくる可能性があります。
その場合、喪主を誰がやるのか、以下の方法で決めると良いでしょう。
ここでは、喪主をやりたくない人が多い場合の喪主の決め方を紹介します。
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喪主をやりたくないなら?長男でも拒否できるか・したくないときの対処法も解説
故人と同居していたかどうかで決める
喪主をやりたくない人が多い場合、故人と同居していたかどうかで決める方法があります。
生前に故人と同居していた人は、故人のことを最も理解している人と認識されるため、喪主に選ばれるのは自然な流れだといえるでしょう。
なかには、故人の面倒を家族で交代しながら見ていたというケースも少なくありません。
この場合、家族で話し合いをして、喪主を決める必要があります。
葬儀の場所の近さ・準備のしやすさで決める
喪主を決める時は、葬儀場から近い人や、準備のしやすさを考慮して決めるのも1つの方法です。
葬儀を滞りなく進めるためには、できるだけ準備に手間をかけずに済むよう、葬儀場から近くに住んでいる人が喪主を務めるケースは少なくありません。
また、葬儀の準備は慌ただしく、多忙を極めます。
そのため、比較的時間に余裕がある人や、葬儀の準備に慣れている人が喪主を務めることもあるでしょう。
故人の遺言によって決める
通夜や葬式など、故人の遺言がある場合は、亡くなった人の希望を考慮したうえで喪主を決めましょう。
遺言は、法律に則って手続きをしている場合、原則として遺言に従う必要があります。
しかし、必ずしも故人の残した遺言が親族にとって納得のいくものとは限りません。
親族の意志にそぐわない内容が記されているケースも珍しいことではないのです。
その場合は、弁護士や専門家に相談し、具体的なアドバイスを受けましょう。
故人の配偶者の意志で決める
喪主を決める方法として、故人の配偶者の意志で決めることも可能です。
一昔前まで葬儀は、故人の配偶者が喪主を務めるのが一般的でしたが、最近では配偶者が喪主をやらないケースも少なくありません。
故人の偲ぶことを重視するように変化しているのです。
そのため、喪主をやりたくない人が多い場合は、故人の配偶者に喪主を誰がやるのか決定権を委ねるのも良いでしょう。
喪主を複数人で務めて役割を分担する
喪主は、必ずしも1人でやる必要はありません。
喪主の業務は多岐にわたるうえに、慣れないことばかりで、肉体的・精神的に負担がかかります。
そのため、1人で喪主を務めるのは荷が重いという人も多いです。
複数人で喪主を務めることで役割分担ができ、1人にかかる負担を大幅に軽減できます。
喪主をやりたくないという人が多い場合は、1人に拘らず、複数人で協力して喪主の役割を果たしましょう。
喪主がやること
家族の代表者として喪主を任された場合、葬儀がスムーズに進むように、多岐にわたる業務を正確にこなさなければなりません。
ここでは、喪主がやる業務を紹介します。
【関連記事】
喪主のやることリスト完全版|通夜・葬儀前後まで分かりやすく解説
葬儀社との打ち合わせ
喪主が最初にやることは、葬儀社との打ち合わせです。
打ち合わせでは、以下のことを中心に相談しましょう。
なかでも、大切なのは葬儀費用。
「葬儀にかかる費用は50万円と言われたが、祭壇のみの料金だった…」ということも少なくありません。
費用と内容を明確にし、少しでも不安が残る場合は葬儀社に確認しましょう。
葬儀の流れの把握
喪主は、葬儀の流れを把握する必要があります。
葬儀全般の流れを理解していないと、葬儀中に混乱を招き、スムーズに進行できません。
また、葬儀社と喪主の意思疎通がうまくできていないと、喪主が意図していたものとは違う葬儀になることも。
故人の名誉を傷つけずに最後までトラブルなく葬儀を執り行うには、喪主が葬儀の流れを正確に把握することが必要不可欠です。
僧侶・参列者への対応
僧侶や参列者への対応も喪主がやる業務の1つ。
主な業務は、以下の通りです。
僧侶への対応
- 読経の依頼
- 供養の依頼
- 法要の日程調整
参列者への対応
- 参列者のお出迎え
- 挨拶
- 香典の受取り
- 返礼
- 遺族や葬儀協力者へのサポート
喪主は、葬儀をスムーズに執り行うことだけが仕事ではありません。
故人への冥福を祈るとともに、周囲への配慮や遺族の心のケアなど、精神面でのサポートも重要です。
葬儀や法要における喪主挨拶
喪主は葬儀や法要の際、挨拶をします。
挨拶のタイミングは、以下の通りです。
- 経読後:僧侶や参列者へのお礼・今後の流れについての説明
- 通夜の食事前:参列者へのお礼
- 葬儀・告別式が始まる前:参列者へのお礼
- 出棺前:参列者へのお礼
- 火葬場への移動前:最後の挨拶
挨拶の内容は、事前に述べる内容を原稿にまとめておくと、当日慌てずにすみます。
挨拶では、僧侶や参列者に対して感謝の気持ちを示しましょう。
【関連記事】
家族葬で使える喪主挨拶の簡単な文例は?お通夜・告別式で話すコツも紹介
葬儀後の各種手続き
葬儀後の各種手続きをするのも喪主の仕事。
具体的に何をするのか、まとめました。
四十九日までにやる手続き
- 本位牌の準備
- 仏壇の準備
- 四十九日法要
- 納骨
落ち着いてからやる手続き
- 戸籍謄本の取得
- 住民票の写し・印鑑証明の取得
- ライフラインの支払い方法変更・停止
- 葬祭費・埋葬費の支給申請
- 年金・銀行口座の手続き
慣れないことが多く大変ですが、不明点は専門家に相談しながら漏れがないよう、丁寧に対応しましょう。
喪主のマナー|葬儀の際に気をつけること
遺族の代表として、葬儀全般の業務を任される喪主。
だからこそ、喪主になったら誰よりもマナーには気を配らなければいけません。
ここでは、喪主のマナーについて紹介します。
服装は正喪服または準喪服
喪主の服装は正喪服、または準喪服が良いとされます。
喪服は、和装・洋礼装どちらでもマナー違反にはなりません。
和装であれば、冬なら羽二重、夏なら黒無地の着物や黒紋付羽織袴が良いでしょう。
洋礼装なら、モーニングコートやブラックスーツが相応しいといえます。
ただし、モーニングコートは昼間に適した服装のため、通夜には着用せずに臨みましょう。
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アクセサリーは基本的につけない
葬儀の際は、アクセサリーは外しましょう。
華やかなアクセサリーや、ゴールド・シルバーといった装飾品は避けるのが一般的です。
例外として、時計や結婚指輪は身につけていても問題ありません。
女性の場合、真珠のネックレスやピアスは身につけてもマナー違反にはなりませんが、二重にネックレスをつけるのはNG。
不幸が重なることを連想させるため、注意が必要です。
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髪型は清潔感のあるものに
喪主は、髪型にも気を配ることが大切です。
オシャレにセットした髪型や寝癖は、葬儀に相応しくありません。
清潔感のある髪型を意識し、整髪料は無香料のものを使用しましょう。
女性の場合は、礼をした時に髪が邪魔にならないように束ねておくのがベター。
ヘアゴムは黒を使用し、華やかな髪型は控えましょう。
また、ヘアコロンなど香りを放つものは避け、場に合ったスタイルを意識することが大切です。
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精進落としでは出席者にお酌をする
精進落としでお酌をするのも喪主の役割の1つ。
参列者一人ひとりに感謝の気持ちを伝えながら、お酌をしましょう。
注意点として、喪主自身がお酒を飲み過ぎないこと。
お酒の飲み過ぎはスムーズな進行が難しくなることがあるので、注意が必要です。
アルコールが入ると気持ちが開放的になりがちですが、自身の立場をわきまえ、場に適した振る舞いをしましょう。
香典を受け取らないなら香典辞退の連絡をする
近年、故人と親しい仲の人のみで執り行う「家族葬」が増えています。
それに伴い、香典を辞退するケースも増えてきました。
香典辞退する場合、その旨を参列者に連絡します。
連絡手段は、
- 案内状や訃報連絡の時に伝える
- メールで伝える(親しい人に限る)
- 葬儀場に香典辞退の旨を記した看板を立てる
などがあります。
どのような方法であっても、相手に失礼にならないよう、丁寧に対応しましょう。
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香典辞退の伝え方は?例文付きでメールの文面や電話での言い方を解説
喪主に関するよくある質問
家族が亡くなると、喪主は誰がやるのか決めたり、手続きに追われたりで多忙な日が続きます。
しかし、故人を偲ぶ大事な儀式だからこそ、疑問点を解決したうえでトラブルなく進めたいですよね。
ここでは、喪主について多く寄せられる質問を紹介します。
喪主と施主は何が違う?
葬儀において、喪主と施主は役割が異なります。
喪主は、代表者として葬儀の中心になり、物事の進行を執り行うのが仕事。
一方で施主は、金銭面で喪主をサポートします。
葬儀のプラン決めや打ち合わせ等に参加し、葬儀の費用を負担します。
近年は、家族葬を選ぶ人が多く、喪主が施主の役割を担うケースも少なくありません。
喪主が1人で執り行う場合は周囲が協力し、喪主の負担を軽減させてあげることが大切です。
喪主を長男が拒否したら長女や孫が代われる?
長男が喪主を拒否した場合、長女や孫が喪主を務めても問題ありません。
昔からの風習で、男性が喪主をやるべきだと言われていました。
近年ではその風潮が薄れ、故人の遺言がなければ誰が喪主を務めてもマナー違反にはならないのです。
長男が喪主を拒否した場合、話し合いの末、双方が納得すれば問題ありません。
家族に合った形で、喪主に相応しい人を選びましょう。
故人の子どもが娘しかいない場合は?
故人の子どもが娘しかいない場合、喪主を誰がやるのか悩む人も多いでしょう。
この場合、娘が喪主を引き受けても問題ありません。
一般的には、血縁関係が近い順番で、女性よりも男性が喪主の候補に挙がりやすい傾向があります。
しかし、近年は必ずしも血縁関係に基づいて決める必要はなく、遺言や生前故人と関わりが深い人であれば誰が務めても良いのです。
喪主は誰がやっても問題ない。悩んだら血縁関係の深さや決め方を参考に
今回は、喪主の決め方や葬儀でやることを紹介しました。
喪主は誰がやるべきか悩む人も多いですが、法律上誰がやっても問題ありません。
血縁関係が近い人や、故人と生前関わりの深かった人などを候補に挙げると良いでしょう。
また「1人で喪主をやるのが不安…」という人は、複数人で分担しても良いとされています。
喪主を誰がやるのか悩んだら、この記事を参考に喪主を決めてくださいね。
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